■よりみち~編集後記

 


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更新日2009/12/17


いつのまにか年の瀬である。今年ほど年末の気分に欠ける年はないように思える。もちろん例年の慣わしで忘年会の話はいくつかあるものの、気分がとんと盛り上がらないし、年末の慌ただしさも例年通りで、やはり師走なんだなと思えるのだが、どことなく空虚感が街中に満ちている感じがする。これが不景気ということのようだ。すべて政治のせいにするつもりはないが、あれほど盛り上がった夏の終わりの政権交代劇だったのだが、目に見える形になるのはほど遠く、なにやら暗雲ばかりが立ち込めて、「五里夢中」という状態でパッとしない話の連続である。当初、あれほど言っていた「政府の埋蔵金」があるから大丈夫という話までもが、そもそも「埋蔵金」すら見当たらず、死語になってしまっているし、国債の乱発は絶対にやらないはずが、国家予算を超える国債発行という前代未聞の政策に突き進もうとしている。これだけひどくなる経済悪化は想定外だったことは確かだが、それにしてもヒットが1本もない状態では野球にならないわけで、このままノーヒットの試合が長引けば、通常であれば選手交代となる。いくら試合前に耳障りのよい戦略を監督が発表しても、選手がヒットを打たず、勝手なこと言うだけでバットを振らなければ得点につながらないわけで、とにかくセーフティバントでも、振り逃げでもいいからファーストベースを踏んで欲しいという気持ちである。
「事業仕分け」はパフォーマンス的には成功したように思えるのだが、結局のところ、公益法人への天下りの現実を開示しただけで、肝心の天下り構造の廃止まで踏み込めず、単に予算の見直しだけだから、最大の問題である天下りの人件費や退職金はカットされず、トカゲの尻尾切りで終ってしまうのかもしれない。事業仕分け以前に、まず公益法人が本当に必要なのかどうか、解体して本当に必要不可欠な財団だけを再編成してスリム化するくらいの大鉈を振るわないと、必ずやトカゲの尻尾は再生してくるはずだ。科学技術の予算を減らすな、オリンピック強化選手の予算を減らすななど、当然の反論があるわけで、問題の核心は、その財団を牛耳る官僚たちの天下り構造なのであり、役員はすべて民間や政界のボランティアを登用することにしたら、現行の予算を縮小してもまだ十分すぎるはずだ。この公益法人の構造改革なしに、官僚制度をいくら見直しても、形を変えた新たな天下り構造に作り変えるだけだろう。2001年、自民党政権時代に実施された「中央省庁再編」がそのよい例だ。1府22省庁が1府12省庁に再編されたわけだが、何が変わったのだろう? 単に呼び名が長ったらしくなっただけで、一般人としては再編の効果はほとんど感じられないし、全くスリム化していないし、縦割り行政の是正のためと言われていたが、果たしてその改善が少しか見られたのか疑問である。
マニュフェストの実行はもちろん大切だと思うが、民主党の最大のテーマである「脱官僚主義」でまずヒットを放つべきである。いくら子供手当てだとか、公立高校の無料化、高速道路の無料化、脱ダム宣言など、この経済状況では、その資金的な根拠が求められ、自分の首を絞めながら綱を渡る曲芸師になり兼ねない。一般人が今求めているのはマニュフェストにある公約の実現よりも、官僚主義の解体による天下り構造の解消と即効性のある経済対策であり、さらに実感のある雇用政策とその対応策である。月に1,500万円ものお小遣いを母親からもらっていたのに、その事実すら知らなかったという友愛叔父さんには、このなんとも言いがたい閉塞感や空虚感を実感できないのだろうか・・・ (

 

 


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