■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2004/12/23


今年も残すところ1週間となりました。いろいろなことがあった年でしたが、過ぎ行く日々の速さに驚くばかりです。時代も大きく変わり、日本も世界も地球も大きく変わる予兆が見られた年のように思えます。政治的にも、経済的にも過去の枠組みでは抑えきれない新しい潮流が動き出しているし、環境問題にしても一国で対応できるレベルではなくなりつつある時代に入ったように思えます。今後の動きのすべてが注目されるのは、やはり中国ではないでしょうか。経済的に成長し、自信に満ちてきた中国が欧米世界に割って入る存在になってきたわけで、その影響力は世界経済を動かし始めています。そしてもう一つは中東問題であり、イスラムの問題です。ジューイシュ(=イスラエル&米国)とモスリムとの確執が悪化するのか、それとも解決の糸口が見つかるのか、この宗教対立や民族主義と世界戦略まで絡みついた問題がどうなるかが世界的に注目されています。米国のフォーレスト・リサーチ社では、中国、ロシア、インドなどの新興成長国において、2010年までに5億6,600万人のPC人口の新規増加が見込まれ、世界のPC人口は現在の5億7,500万人から2倍の13億人近くにまで拡大するとの予測を発表しました。具体的には、2010年までに中国が1億7,800万人、インドが8,000万人、インドネシアが4,000万人の新規増加が見込まれるそうで、米国の老舗PCメーカーのIBMが中国の聯想グループ(Lenovo)にPC事業を売却したのも、こうしたPC人口のアジアでの激増を見越しての世界戦略的なM&Aだったことがわかります。中国全土すみずみにネットが浸透し、中国が世界最大のネット社会に成長するのは時間の問題であり、世界経済が中国の影響をますます受けやすくなる時代はもうそこまできているように思えます。この予測でもOS分野ではWindowsよりもLinuxに有利で、ネット接続も有線と無線では、無線に有利だと分析しています。確かに広大な中国の場合、無線接続が普及し、無料で活用できるLinux OSが普及に大きく貢献することは間違いなさそうです。PC人口が2010年には13億人になるという予測に驚く一方で、セキュリティの対策がいまひとつ遅れていることがとても気がかりです。12月21日には、やはりお前もかというニュースが発表されました。携帯Webやメールには今のところ感染しないと考えられていたウィルスがついに発見されたようなのです。まだ、米国のニュースだけで日本での発見はないようですし、Symbian OSを搭載した携帯電話機だけに感染が報告されているだけのようですが、「トロイの木馬型ウイルス」などの悪質なウィルスが、いずれ日本国内の携帯電話にも猛威を振るう時期が近づいているということなのかもしれません。2010年のPC人口が13億人に達する前に、なんとかウィルス対策やスパム対策は万全な状態であって欲しいものです。(K

 

 

 

 

 

 


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