■トランプ大統領による各国への強引なディールが、早くも世界を混乱に陥れています。カナダとメキシコに対して高率の関税を課すことを発表し、これらの国々との貿易関係に緊張をもたらしており、特にカナダに対しては、カナダを米国の51番目の州として吸収する考えを示しており、この調子で各国に対して高率の関税で脅しをかけ、アメリカ国内の産業を活性化させようとすることは確実で、ますます独裁的な色彩が色濃くなってきそうです。トランプ大統領の外交政策が従来の「アメリカ第一主義」から、「アメリカ・モア(America More)」と呼ばれる拡張主義的なアプローチに転換していて、より強引にアメリカに服従させる外交を展開してくるはずで、日本がこの駄々っ子のようなトランプ大統領にどう対応するのかとても不安な日米外交がスタートしそうです。
■2025年2月4日、トランプ大統領はイスラエルのネタニヤフ首相との共同記者会見で、ガザ地区を米国が所有し、再建する意向を表明。ガザを「中東のリビエラ」として再開発し、国際的なリゾート地にする構想を発表。ガザに住む約230万人のパレスチナ人を他のアラブ諸国に移住させると、なんとも強引で、人権無視の誰も考えつかなかった提言で、国際法違反や民族浄化の懸念から、国際社会や人権団体から強い批判を受けています。当然のことですが、アラブ諸国は一斉に反発の声明を出しており、サウジアラビア政府は、「パレスチナ人を自らの土地から追い出そうとするいかなる試みにも反対する」と強調し、パレスチナ国家の樹立への「揺るぎない」支持を改めて表明。ヨルダンのアブドラ国王は、パレスチナ人の移住案を一蹴し、ユダヤ人の入植活動を停止する必要性を強調した。今回のアメリカによるガザ所有の提言により、トランプ大統領にはアラブ諸国の人々の人権など考えたこともないことが明白で、ガザのリゾート開発でイスラエルと共同で大儲けが可能とビジネスのディールしか頭にないことを世界に表明したのです。また、この提案が各国の反対で拒否されることも計算ずくで、それじゃ反対する各国でガザの再建策を出して支援金や部隊も出せと強硬に迫ってくるはずで、アメリカは傍観者でいられることを狙っているのだろう。卑劣で姑息なアメリカ大統領が誕生してしまったです。この事態をアメリカ本国の市民は今後も耐えられるのか、更なる分断と対立がアメリカ国内で激化することを懸念しています。(越)
 
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