■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2007/01/11


イラスト:伊藤淳子(01/01/2007)


本年も「のらり」をよろしくお願いいたします。新年早々物騒なニュース(連続バラバラ死体事件)や不快な声明(呪われブッシュの新イラク政策)や政治家の相変わらずの弁明(今度は事務所経費だ)ばかりが騒がしく、2007年も多難の幕開けのようだ。個人的には、例年どうり何もしない正月だったのだが、ヒマにまかせて近場の社会見学に出かけてみた。まず出かけたのはお台場にある「大江戸温泉物語」。温泉ファンとしては、一度はチェックしておかないといけないと以前から思っていたのだが、お台場の観光名所となりいつも混んでいるという話だったので、敬遠していたわけだが、マッサージなんぞ正月早々いいかなと思ったのがいけなかった。よりによって一番混んでいる正月3日目に行ってしまった。今年の運勢はこれで決まったかもしれない。混んでいるとは覚悟していたが、これほどの人が同じことを考えて温泉に来ていることを知って愕然とした。かなり東京都内の施設としては広い方ではあるが、なにせ人が多いから何をしていても落ち着かない。とても温泉をのんびりつかる雰囲気ではない。マッサージ室に逃げ込もうと予約しようとしたら3時間待ちだと言われ、こんな日に来る方が悪いと悟り早々に退散した。どんなところかと言われると、新横浜のラーメン博物館の温泉バージョンのような感じである。レトロ感覚が楽しめる子供および家族向け娯楽施設なので、本物志向のおじさんとしてはかなり不満がある。唯一成功なのが、入場者がすべて浴衣着用で、従業員もすべて和服風ユニフォームというのがタイムスリップした独特の雰囲気をかもし出していることぐらいだろうか。これで大人1名2,827円(子供1,575円)は高く感じる。次に懲りずに出かけたのが川崎駅前にオープンした「ラゾーナ川崎プラザ」(2006年9月28日グランドオープン) 。まず川崎駅に降りて、人の流れが一変していることに驚いた。以前は西口にはほとんど人の流れがなかったのだが、ラゾーナのおかげで、西口の方が賑いがあり、吸い込まれるようにショッピングモールに向かってしまった。正月なのですごい人なのだが、ショッピングモールの特徴として、ゆったりとした通路のおかげで、ごった返している雰囲気がない。通路が広いとこれほど気持ちがよいものだとは思わなかった。横浜駅東口のそごう横にできた「横浜ベイクォーター」もデザイン的に優れたショッピングモールで最近の流行の先端のようだが、ラゾーナと比較するとやはりゆったりとした落ち着きに欠けている。ラゾーナの場合、ゆったりとした通路を確保するために店舗スペースをかなりカットしているはずで、採算的に考えると逆転の発想である。東芝不動産と三井不動産の共同開発のようだが、かなり思い切った決断だったように思える。ショップ構成も主婦・子供・家族向きで、最上階には今流行のシネマコンプレックスもあり、グルメコーナーもかなり充実したショップ展開である。若者からファミリーがリピートしたくなる要素にあふれたコンセプトはさすが「ららぽーと」のノウハウが生かされているようだ。昔の川崎駅と言えば、競輪・競馬にはまった労務者風の男たちがたむろしていたり、どことなく暗いイメージの駅前だったが、駅周辺は最新のペデストリアンデッキが取り囲み地上を歩くことなく周辺ビルがショッピング街として連なってしまった。かなり未来型の駅前開発地区に昇格してしまった感じがする。今後の駅前開発の見本地区になることは間違いないようだ。(

 

 

waragutsu
■猫ギャラリー ITO JUNKO