■新・汽車旅日記 ~平成ニッポン、いい日々旅立ち 第737回「新横浜~福井~東京、ぐるり一周(3)- えちぜん鉄道 -」 福井商工会議所の最寄り駅は福井鉄道福武線の商工会議所前駅だ。わかりやすい。福井駅前から路面電車に乗って10分ほどだ。それを遠回りして行く。私はJR福井駅の改札を出て南口を出た。福井鉄道の駅とは反対側だ。工事中の新幹線高架駅を通り過ぎれば、えちぜん鉄道の福井駅がある。赤くて四角い建物だ。2月に来たときは外観ができあがっており、壁の赤色はサビ止め塗装の色だと思った。しかしこれが本塗装で、木材を使った内装と相性の良い“さび色”にしたという。プラットホームの天井は永平寺の格天井を模したという。ならば建物は朱色にしたと言えばいいのに、さび色である。鉄道の鉄のイメージを重ねたか。プラットホーム階の側面はガラス張りで電車が見える。鉄道模型の陳列ケースのようでおもしろい。格天井も見えるけれど、磨かれたガラスのせいで向かいの…
杉山 淳一 ※只今休載中 バックナンバー
2024/07/25掲載
■店主の分け前 ~バーマンの心にうつりゆくよしなしごと 第482回「流行り歌に寄せて No.278 「学生街の喫茶店」~昭和47年(1972年)6月20日リリース」 ガロと聞いて最初に思い出すのが、クロスビー、スティルス&ナッシュ(以下:CS&N)の『組曲:青い眼のジュディ』を、彼らがコピーした演奏である。『組曲:青い眼のジュディ』は、 CS&Nのメンバー、スティーヴン・スティルスが、ジュディー・コリンズとの恋を失った苦しみを曲にしたものというのは、有名な話。彼らは、 CS&Nのサウンドの完全コピー(この曲の他にも『ティーチ・ユア・チルドレン』など)を試み、見事に成功している。細部に渡り原曲を聴き込み、自分たちの中に深く浸透させていったのだろう。このコピー演奏を聴いたのは、ここ十数年前の最近のことだったが、ガロが、今回の『学生街の喫茶店』から始まる、いわゆる歌謡曲路線に入る前の彼らの姿を、垣間見た思いがした。そして、高校時代、洋楽…
金井 和宏 バックナンバー
■西部開拓時代の伝承物語 ~黄金伝説を追いかけて 第14回「風力大八車で黄金郷を目指した男」 今でこそ、太陽の光を利用した発電、風車を回す発電は公害をもたらさない自然エネルギーとしてもてはやされているが、いつも吹いている風を利用して車を走らせようとした男が西部開拓時代にいた。 アメリカ人は得手して実用的に物事を考え、それを実行に移す行動力に溢れている。単なる思いつきで物事を終わらせず、それを具体的なモノとして作り上げていく、独特の能力が備わっているかのようだ。大型、小型の帆船が世界中の海を行き来している以上、それを陸上でやってみよう、できないはずはないと、多くの人は夢想するだけだが、それを現実に作り出したのがサミュエル・ペッパードという男だ。北米大陸を行き来するのは、鉄道が登場し、敷設されるまで、馬、ミユールそれに牛が主役だった。当然、馬やミュールは当時としても値が張り、貧乏なパイオニアにはとても手が出なかった。モルモン教団がソルトレイク…
佐野 草介 バックナンバー
■亜米利加よもやま通信 ~コロラドロッキーの山裾の町から 第860回「納税者が国を作っていること」 税金は誰にとっても頭の痛い問題です。平均的アメリカ人として、私の場合、16歳でアルバイトを始めた時から、その収入を税務署に申告しています。最もそんなアルバイトで得た金額など、納税義務最低金額より遥かに少ない、わずかなものですから、税金は支払わなくても良いのですが、ともかく申告しなければなりません。ちなみに私の最初の仕事、アルバイトはジェットコースターなどがある大きな遊園地、ワールド・オブ・ファンのポップコーン売りでした。雇用主の方も私に支払った微々たる賃金を申告しなければなりません。というと、ドえらく厳しい税制のように聞こえますが、もちろん国民全員に公平であり、誰もが納得する税制などあり得ません。大金持ちの人たちは、その道のエキスパートである税理士を抱え、税金逃れの投資や必要経費などなどで、ほとんど税金を支払っていないのが実状のようです。ベトナム戦争真っ盛りの頃、同時に反戦運動も燃え…
Grace Joy(グレース・ジョイ) バックナンバー
■ドレの『狂乱のオルランド』 ~物語の宝庫、あらゆる騎士物語の源 第9歌 旅に出たオルランドの冒険 第4話「比類なき勇者オルランドの活躍」 さて前回は、残虐王チモスが、オルランドのあまりの強さに恐れをなして逃げ出し、その様子を城壁からみた門兵たちが、慌ててチモス特性の、どんなものでも吹き飛ばす火筒を持ってチモスのもとに走る。そうとも知らず、オルランドがまっしぐらに城門を目指す間に、火筒を手にしたチモスコが岩陰に隠れ、火筒を構えてオルランドを待つ。そしてオルランドの姿が目に入った瞬間、チモスコの武器が火を吹き、雷のような轟音とともに弾丸が稲妻のようにオルランドめがけて一直線。ところが、チモスコが慌てて撃ったせいか、幸いなことに弾はオルランドではなく、馬の首にあたり、その瞬間に馬はオルランドを地上に投げ出してどうと倒れた。騎士に向かって剣でも槍でもなく、卑怯な飛び道具を使われたオルランドは、雷神のように怒り、すぐに立ち上がるとチモスコめがけて放たれた矢のような速さで突進し、岩陰から逃げ去ろうとするチモスコにあっという間に追い…
谷口 江里也
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■よりみち~編集後記 7月7日の東京都知事選挙は、予想通り小池百合子都知事の三選という結果に終わりました。立憲民主党のマドンナ蓮舫の出馬という女帝対決が話題にはなりましたが、自民党都議連の全面的なバックアップと自らの都民ファーストの動員力で291万8千票を確保、前回得票数366万1千票から70万票落ちてはいるものの余裕の再選結果である。元最側近である小島敏郎氏からの学歴詐称の爆弾告発により、公職選挙法違反で刑事告発されているにもかかわらず、一切メディアでは質問を受け付けず公開討論も逃げ回るというか回避する戦略は元キャスターならではのメディア統制力に脱帽するしかない。結局のところTVや新聞メディアでこの学歴詐称問題を取り上げたところはなく、ネットメディアによる追及では選挙にそれほど影響力がないことが露呈されたように思える。神宮外苑の樹木伐採、旧オリンピック選手村「晴海フラッグ」分譲マンション格安払い下げ問題、築地市場跡の再開発、プロジェクション・マッピングの無駄遣い、大手デベロッパーへの大量の都幹部職員の天下り、関東大地震の際の朝鮮人虐殺…
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■鏡の向こうのつづれ織り ~谷口江里也のとっておきのクリエイティヴ時空 [全24回] 谷口 江里也
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