■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2006/01/12


正月のたびに毎年感じていることだが、年々正月らしさというものが失われてきている感じがする。もちろん自分がそれだけ歳をとったということであり、年々そのような行事に対して無感動になっていることも要因しているのだとは思うのだが、一番の要因として、やはり「時代」ということを強く感じる。今さら「紅白歌合戦」もないだろうというような感覚である。もう古きよき時代であった「昭和」でもないでしょうということだ。ただし、年越しに「K-1」や「総合格闘技」などの男臭い試合しかチョイスできないTV番組というものもどうかしていると思う。日本人は年末には「歌合戦」か「格闘技」のどちらかしか観ないと誰かが決めてしまったようだ。確かに「格闘技」は嫌いではないが、年越し番組にふさわしいとは思えないのだが…。これもテレビ番組の限界が訪れているという証拠なのかもしれない。今までのような昭和的なテレビの役割が終焉を迎えているのだと思える。その意味で今年はテレビとネットが融合を目指す最初の年になるような気がする。デジタル家電が以前から話題には上っているが、巨人マイクロソフトがついにテレビへの組み込みを意識した次期OSソフトを発表しているし、ネットの光化がさらに加速することで、パソコンの家電化が進み、テレビが観れるパソコンから、パソコンができるテレビなど、パソコンの形式が進化して、キーボードを持たないパソコンが組み込まれた家電が普及していきそうだ。さらに携帯電話もテレビやビデオが観れるのが当たり前になってきた。PDAが一時期注目され、テレビやビデオ、それに電話が使えるモバイル端末に成長するだろうと言われていたのだが、通信技術の未成熟だったのかとても動画レベルには耐えられない通信速度だったし、不具合やエラーが多すぎて結局見捨てられてしまったが、これだけ携帯電話が普及して、モバイル端末として定着してくると、技術開発も格段に進歩するようで、ウォークマン、デジカメ、モバイルTV、クレジット機能のついたオサイフ携帯になりつつあるようだ。たぶに数年後は携帯電話という言葉も死語になっているかもしれない。ここまでパーソナルな端末の時代が進んでくると、もう従来の公共電波や地上波ではこの多様化の時代には対応しきれなくなっている。テレビ番組は今後もなくなることはないのだろうが、よりパーソナルで多様化したコンテンツが求められてくるので、かなりマニアックな番組も含め、インターネットによるビデオ配信やテレビ配信が活発化してきそうだ。楽天やライブドアの地上波TVネットへの傾倒は単なる企業買収や業績アップの話ではなく、これからの時代の生き残りを賭けた戦略であり、ネットとテレビの融合がコンテンツ会社の今後を左右することは間違いなさそうだ。このように日本での情報メディアの進展というかネットワークの再編が注目される一方で、隣国の中国では、政府に対して批判的な新聞ジャーナリストのBLOGがある日突然削除されたというニュースが報道され、今でもネット上の情報を統制している中国という軍事大国とのギャップが広がるばかりである。結論としては、このインターネット社会に国家が介入して規制できると考えている中国当局が最も時代錯誤に陥っているのかもしれない。(

 

 

 

 

waragutsu
■猫ギャラリー ITO JUNKO
11/19/2005更新