■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2008/01/31


昨夜(01/30/2008)はちょっとスリリングな夕食となった。スリルを味わいながらの食事というものは経験がそれほどない、というか通常はありえない。夕食のメニューの中に問題の冷凍餃子を使ったものがあったのだ。帰宅するまでニュース番組を観ていなかったので、中国から輸入された冷凍餃子に農薬が混入していたことなど知らずに、平気で食べていたのだが、テレビのニュース番組に切り替えると、どこのニュース番組でも中国製冷凍餃子の報道ばかりで、今度もまた中国製品の偽装商品が出たのかなと、ぼんやりと観ていたのだが、「農薬混入」という表現や「嘔吐」「救急車」「絶対に食べないで」など、かなり緊迫した報道が続いていて、やれやれ今度は農薬入り餃子かよ、とちょっとうんざりしながらも、目の前にある餃子に箸を伸ばしていたのだが、今度は商品名が連呼され、「コープ」やら「JT」などのメジャーな食品メーカーの社名がでてきた。待てよ、今食べている餃子はひょっとすると、「コープの冷凍餃子」ではなかったかと思い、口の中に入っていた餃子を呑み込むのをためらったが、それは無理だった。テレビでは升添厚生労働大臣の談話をやっていて、深刻な表情で、「絶対にこれらの商品は食べないでください!」と国民に訴えかけている。おいおい~マジかよ、今食べたのは大丈夫? もう3、4個は胃の中におさまってるし、でも全然違和感はない、味も異常なかった、でもこれがその農薬入りだったら、そろそろ反応が出てくるのではないかと思い、ちょっとドキドキしながら自らの内臓の反応に耳をすましたが、特に異常はなかった。テレビでは、問題の商品パッケージを表示しながら、これらの商品は絶対に食べないでと警告している。私の場合の問題は「コープ」製品である、次から次へと表示されるパッケージの中に今食べている商品がないことを祈るような思いでテレビに釘付けである。幸いにも、今食べている商品パッケージは表示されることはなかった。ほっとしたが冷や汗が出るような体験で、たまたま自分が食べていたものとは違っていたが、私と同じように食卓で問題の餃子をを囲んで食べていた家族もあるはずで、そのショックたるや図り知れない。結局、それ以上は餃子は食べる気がせず残してしまった。その後のニュース報道を観ると、現在、中国本土でも農薬問題はかなり深刻で、驚いたことに、農薬まみれの野菜を洗うための中性洗剤が普通にスーパーで売られ、高級レストランなどでは当たり前のように野菜を中性洗剤で洗ったものを使用していると言うのだ。野菜を洗剤で洗うなど、日本や欧米ではありえない話で、中国の農薬汚染の進行が社会問題化していることが分かった。金権主義が急速に進み、モラルや衛生問題よりも、いかに効率よく高く商品を売るかしか農民は考えていないわけで、多少問題があったり、危険な商品と言われたとしても、いま大切なものは目先のお金と自分たちの生活向上だけという排他的な考え方が中国を覆っているのではないだろうか。ただ、冷静に振り返ってみると、日本の高度成長時代と呼ばれた時期に似ていないだろうか。公害だらけの日本がそこにあったわけで、誰も人の健康や将来の問題など考えもせずに、利益をあげることだけしか考えていなかったはずで、ヘドロや水俣病の問題などが社会問題化しても企業は川に汚水を垂れ流していたわけで、光化学スモッグ警報が町中に鳴り響いていたのだ。ちょうどいま中国がこの時期なのではないだろうか。この公害問題を中国がどれだけ迅速に制度化して解決できるか見守るしかないようだ。(

 

 


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