■よりみち~編集後記

 


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更新日2006/02/02


日中友好映画?「単騎、千里を走る。」(張芸謀=チャン・イーモウ監督作品;高倉健主演)を観てきた。さすがに歳を感じさせる高倉健であったが、後でプロフィールを調べて驚いた。健さんは1931年生まれの75歳なのだ。スクリーン上ではシブイ健さんイメージがあるから、ずっとお兄さんのまま歳をとらない感じがしていたのだが、さすがにアップにするとお兄さんではなくなっている。でも75歳とはとても思えないほど動きには年寄り臭さがない。さすがにスターはすごい。今年で俳優50周年、出演作品は204本になるという日本の超ベテラン俳優である。この健さんが日本以上に中国で絶大なる人気を誇っていたとは知らなかった。中国で知らない人がいないほど超有名な日本人俳優なのだというから、これまた不思議である。日本映画が解禁になって初めて上映された作品が健さん主演の「君よ憤怒の河を渉れ」(1976年、佐藤純彌監督作品;原作-西村寿行)だったらしく、健さんは一躍有名になったらしい。その頃少年だったチャン・イーモウ監督は、この映画を観て映画監督を目指すことになり、それ以来の高倉健ファンで、健さんと映画づくりを夢見て15年もの間今回の映画の企画を練り上げてきていたそうだ。作品自体の出来に関してはあまり問題にすべきことではなく、日中親善を目的とした高倉健とチャン・イーモウ監督とのコラボレーションのための作品と考えた方がよいだろう。今回のチャン・イーモウ監督のすごいところは、中国人俳優は全員が素人のオーディションで配役されていることだ。確かにぎこちない部分もあったり、台詞が棒読みになっていたりしていたが、たとえば、村長がそのまま村長役で出演していたり、ガイド役がそのまま出演していたりと、独特の雰囲気が出ていた。それにも増してすごいのは、やはり雲南省の山奥深くの村の風景や山々の景観のすばらしさだ。トンパ文字(象形文字)で有名なナシ族など少数民族の故郷でもあり、仮面劇や独特の風習なども数多く残る中国の秘境地帯であり、とても行ってみたくなってしまった。中国はとても大きすぎて、日本人にとって理解するにはまだまだ時間がかかりそうだ。(

 

 

 

 

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■猫ギャラリー ITO JUNKO
11/19/2005更新