■よりみち~編集後記

 


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更新日2005/02/24


どうも昔からミュージカルとかオペラなどが肌に合わない。というかどこがよいのか分からない。タモリのミュージカル嫌いは有名だが、その気持ちの方がよく理解できる。オペラはヨーロッパで貴族や皇族などから高貴で格調高い芸術として昔から庇護されてきた歴史をもち、今でも人気が高いわけだが、どうしてそんなに人々から支持され、愛されているのか本当のところが理解できていない。決して歌が嫌いではないし、踊りも嫌いではない。特に舞踏やダンスなどを観るのは好きな方である。ただ、突然話している会話が歌になってしまうところが駄目なのだ。日本における歌舞伎で、見得を切るような様式美の一種なのだと理論的には理解できても、いざ会話が歌で表現された瞬間、素に戻ってしまう自分がいて、残念!と思うのである。喰わず嫌いにはなりたくないので、世界で8,000万人が観た!というキャッチフレーズに惹かれて、天才作曲家と言われているアンドリュー・ロイド=ウェバーのミュージカルを映画化した『オペラ座の怪人』(ジョエル・シューマカー監督作品)をあまり期待しないで観てきた。確かに、舞台では表現しきれない部分を映画ならではの表現で実現しているという評判通り、豪華絢爛な劇場内部の装飾や巨大シャンデリア、パーフェクトな歌唱力、すきのない演技とキャスティング、舞台とは一味違った仕上がりで、もう一度感動できる作品に仕上がっていることは間違いないようだ。オペラファンやミュージカルファンは間違いなく感動しただろう。でも、オペラやミュージカルが分からない人は映画でも駄目なようだ。「ウェストサイド・ストーリー」でも「コーラスライン」でも踊りの部分などではとても感動するし、いいなと思えるのだが、会話が歌に変わったとたんイライラし始めるのだ。今回の「オペラ座の怪人」も同様で、やたらに歌が多いから、最後には白けてしまった。ミュージカル嫌いの感想としては、「もっと普通に話したら…」ということになる。映画ファンとしては、よほど娯楽作品の『ボーン・スプレマシー』(ポール・グリーングラス監督作品、マッド・デイモン主演)の方が見応えがあった。『ボーン・アイデンティティー』の続編なのだが、続編で成功した作品は少なく、大概がやはり一作目のインパクトにはかなわないということが多いはずだ。ところが、この作品は完結編という印象が強く、続編の方が断然面白い気がする。インドのゴアとロシアのモスクワでのカーチェイスがなかなか迫力があった。日本では考えられない撮影である。マッド・デイモンもこの役で株が上がったはずだ。ミュージカルよりはカーチェイスの方が自分には向いているようだ。(K

 

 

 


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