■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2005/03/03


ネット利用の地域格差はかなり広がってきた感じがしているが、ITによって恩恵を受け取れるのは地方の方が多いように思える。かなり多くのものがIT化によってシステムが変わり、わざわざ出かけて行って支払いをするとか、特別なもの以外はお店を探し回って購入しなくても、ネット通販などで自宅に居ながらにしてショッピングができるようになった。これは確かに便利である。最近では、私も航空券はネット予約をして、クレジットで支払うようになった。空港では、支払いに使ったクレジットカードを自動発券マシンに挿入するだけで、予約していた航空券が出てくるしくみだ。昔であれば、電話で予約を入れ、指定された日までに旅行代理店や窓口でチケットを購入する必要があったが、今では携帯電話からでもチケットレス予約が可能になっている。先日、航空券の予約を頼まれて、預かった現金で支払いをしなければならなくなった。こんな場合は、やはり旅行代理店を探して支払うしかないのかなと思って電話で確認してみたところ、予約がしてあればコンビニエンスショップでも支払い可能ということだった。公共料金の支払いから、銀行のATM、切手はもちろん宅配便の受け付け、ゲームソフトのダウンロード、写真のプリントなどなど、なんでもやってくれるコンビニなので驚きもしなかったが、航空券まで支払えるのだ。早速、近くのコンビニ(ローソン系ではまだのようで、セブンイレブン系だった)で聞いてみると、店員さんも全員知っているレベルではなく、支払い可能と聞いているという程度の知識だった。タッチパネルで呼び出して操作すると、会員番号を入力するだけで簡単に予約確認ができて、支払い用のバーコード付き用紙がプリントアウトされた。それをレジで渡して支払えば完了である。とても簡単に近所のコンビニで航空券まで購入できてしまった。ということは旅行会社や航空会社の窓口が不要になるわけだ。銀行のATMも近所にあるコンビニの方が便利だから着実に減っていくはずで、郵便局に行ってわざわざ小包を出すより近くのコンビニでゆうパックを出した方が早いから、郵便局の分室も不要になる。ネット書店のように、ネットで注文して近くのコンビニで書籍を受け取ったり、通販をコンビニ受け取りとする方法も増えているようだ。独身の人にとっては宅配便で受け取るよりも、24時間開いている近所のコンビニで代金を支払って受け取れる方が便利に違いない。そうすると、街の中にはコンビニとファーストフードショップやラーメン店、そしてなんでも揃うあの「ドンキホーテ」のようなお店があればそれでことが足りることになる。現にそのようなモデル地区?があちこちに存在し始めているようだ。繁華街では1ブロックごとにコンビニを見かける時代がくるのかもしれない。確かにコンビニは便利で大いに助かることもあるのだが、街中のお店がコンビニばかりになってしまうことを想像すると、あまり楽しい光景とは思えない。どうも画一的なアメリカの田舎の町並みを思い出してしまうのだ。ドラッグストア、コーヒーショップ、ダイナー、デリカテッセン、ハンバーガーショップ、テイクアウト専門のピザ屋や中華屋、どの街に行ってもほとんど同じ印象の町並みに思えるのは、同じ種類のお店しか存在しないからだ。便利なコンビニばかりを追究していくと、その結末はアメリカの悲劇が待っているような気がしてくるのだが、考えすぎなのだろうか。(

 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO