■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2006/03/09


ついに我が家にも「光」がやってきた。まさにADSLからFTTHへの時代へと移り変わろうとしている。FTTHって何の略かと思って調べてみると、なんのことはない「Fiber To The Home」、家庭に光ファイバーをというスローガンだった。「光ファイバー」という言葉にどうもあこがれていたようだ。接続スピードが100Mbpsという驚異的な速さと大容量転送がウリで、現在普及しているADSLのスピードが12Mbpsとか最速で50Mbpsということからみてもその高速性と安定性にはメタルケーブルでは考えられない優位性がある。間違いなくITの将来はこの光ファイバーの普及にかかっている。それだけに期待が大きすぎた。ADSLの導入のときも似たような経験をしたのだが、「ベストエフォート」という魔術のような言葉にやられてしまったのである。たとえば、ADSL回線の12Mbpsの契約をして、実際に使用してみたら2Mbpsしか接続速度が上がらないというのは今や常識である。電話局の回線接続ポイントが遠くなればそれだけ速度が落ちるという説明に、「ベストエフォート」だからしょうがないとあきらめざるを得ないのである。この通信速度や回線の安定性に関して、最大限の努力数値で認められている契約であり、「残念でした、ごめんなさい」で済んでしまうサービスなのである。言葉は悪いが公然と詐欺行為をしても許される便利なサービスなのだ。少なくとも、FTTHはその点はもう少しましなのだろうと勝手に期待していた私がバカだった。最高速度100Mbpsという表示をしているのだから、どんなに低く見積もっても10Mbps以下はありえないだろうと思っていたのだが、なんと最高でも7Mbpsしか出ないのである。最初は勘違いして70Mbpsも出ていると思い込み、さすが光だと思ったのだが、それにしては表示が遅いことに気が付いた。もちろん使用しているパソコンのCPUやメモリーなどの使用環境の問題もあることは分かっているが、無線LANを使うとさらに速度が落ちて4Mbps程度までになってしまうことが分かった。それでも従来のADSL12Mbpsの時よりもダウンロードのスピードやビデオの表示速度はかなり高速になったから、光ファイバーに換えた価値はあるのだが、FTTHへの期待が大きすぎたために、落胆が大きい。画像やビデオなど瞬時に表示され、ファイルのダウンロードなども作業バーの表示が見えないほどの速さを予想していただけにそのショックは大きい。ただ、光に換えてのメリットは「ビデオオンデマンド」、いわばオンラインビデオやインターTVが通常のTV画像と遜色なく見られるようになったことだ。レンタルビデオショップにとっては死活問題になりつつある。ただ、オンラインの方がまだレンタル料金が割高の感じがするし、まだまだ作品のラインナップも充実していないので、もう少し時間がかかりそうだ。さらにFTTHの普及によって、衛星放送やケーブルTVなども淘汰されそうだ。電話もすべてIP電話になるだろうし、TV番組も地上デジタル放送になってインターネットTVとさらに融合し、どんどんと淘汰されるものが増える、ちょっと怖い世界というか新しい時代が始まっているのかもしれない。

 

 

 

 

waragutsu
■猫ギャラリー ITO JUNKO
11/19/2005更新