■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2006/03/30


東京は桜が満開というのに、札幌は朝から雪景色。もう4月なのにまだ春の兆しも見えてこない。そんな寒い北海道を温めてくれる一大イベントに参加してきた。ローリング・ストーンズ札幌ドーム公演。ネットをチェックしていて目に止まったストーンズ来日のニュース。5度目らしい。それも札幌ドームに来る。まさかチケットは今頃無理だろうなと思ったが一応チェック。さすが札幌、東京のように生存競争は厳しくない。このゆるゆるのところがイイ。1週間前なのに買えた。ストーンズの熱狂的なファンではないが、ド肝を抜くそのド派手でなステージでは定評があり、一度この眼で観たいと思っていたのだ。前々回の東京公演の時もトライしたが獲れなかった。えらく歩かされ(地下鉄から札幌ドームは遠すぎる。日本ハムのファンもたぶん怒っているはず。さらにスタッフのオーガナイズが悪いのかやたら並ばされる)、おまけにえらく待たされ(開演時間の7時から1時間半も経過)、じらされてイライラしはじめた頃、いきなり暗転して、あの「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」からスタート。待たせたのも演出のうちなのか、もうあとは一気にグイグイ引きずり込んでいく。ステージは、とにかくデカくて、ゴージャスでなんでもあり。札幌ドームの中に6階建てのマンションを2棟建てて、真ん中に巨大なスクリーンを挟んだ感じで、高さは28M、幅60Mもあったようだ。建物はきっとハリボテだろうと思っていたら、開演前にどんどん中に人が入っていく。ステージの中に観客が座り、後方からステージを観ている状態だ。後から知ったのだが、マンションには個室があり、アメリカ公演ではチケットを売ったらしいが、日本では招待VIP客がエキストラとして参加したようだ。なかなか楽しそうな席だった。ビル自体も照明マシンのようにライトが埋め込まれていて、ビルが光を放って美しい。巨大なスクリーンに映し出される映像やビデオもすごい演出が凝っていて、それだけでも見ごたえがある。とにかくクルーに超一流のアーティストやエンジニアが結集していることがよく分かる。ライブカメラもすごい数だ。7、8台が動いていて、生の映像がその場で編集され、本格的なTV局のようだ。この運営スタッフのの数はどのくらいいるのか想像できない。さらに、度肝を抜かされたのは、メインステージの真ん中がいきなりせり上がり、ドラムセットごとメンバーが演奏しながら、そのまま中央に100M以上も伸びる花道に沿って移動する大掛かりな仕掛けだった。ステージもさすがだが、もっとすごいのは4人のメンバーだ。年齢のことなど一瞬も感じさせない、そのパワーに驚くばかりだ。2時間のステージで、ほとんど走りっぱなしのミッキーは、誰が見ても超人である。顔だけ見ると、4人のメンバーそれぞれがシワが増え、それなりに歳を感じるのだが、ステージ上での彼らは、本当に平均年齢62歳のミュージシャンなのか眼を疑った。ミック・ジャガーの贅肉など一つもない鍛え抜かれた身体は、62歳でありながらセクシーそのものだ。おまけにカワイイ日本語を連発するから楽しい。その片言の日本語が的確なシーンで出てくるから、ファンも大いに盛り上がる。相棒の同い年のキース・リチャーズは、今流行の「チョイ悪オヤジ」どころか、「モノホン悪オヤジ」「永遠の不良ジジイ」の貫禄十分で、ジャンキー顔もやんちゃ奏法も昔とちっとも変わらない。ロン・ウッドは相変わらずファンキーで永遠のパンクロッカーである。彼もミックと同様、60歳の身体とは思えないほど若々しくしぶいオヤジだ。ドラムスのチャーリー・ワッツが一番年齢を感じさせる風貌(白髪だからだろう)だが、ステージでの演奏になるとまるで人が変わったように64歳とは思えないパワフルなドラミングで、これまた年齢をちっとも感じさせない。アンコール曲の「サティスファクション」を聴いて、ホントに満足させていただきましたという気分。高いチケット代金の文句は言わせないというプロ根性もしっかりと見せてもらえた。このバンドはすべてにおい別格なのだと理解した。言ってしまうと「妖怪」バンドである。このまま健康に恵まれたなら全員70歳を超えてもバリバリのロッカーとして活動しているはずだ。次回はぜひ、そのオーバー70歳の記念コンサートが観てみたいものだ。(

 

 

 

 

waragutsu
■猫ギャラリー ITO JUNKO
11/19/2005更新