■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日


更新日2004/04/15


イラクという国はこれからどうなってしまうのだろうか? ここ1週間程度の報道を見ていると、どんどんとカオス化が進み、正義も常識もなにもない、混沌だけが支配する国になってしまった感じがしてしまう。拉致された日本人の3人がやっと開放されたという報道で、最悪の事態には陥らなかったことは幸いなことだが、まだまだ人質になっている民間人は多く、さらにその数が増える傾向にあるようだ。ルールのない泥沼のような戦争になりつつあるのかもしれない。所詮、戦争にルールなど通用しなかったはずだが、近代の軍人という名の職業が生まれてから、ルールが問われ始めた。戦争に核を使ってはいけないとか、捕虜を殺してはいけないだとか、民間人やPRESSには危害を加えてはいけないとか、確かに理にかなっているし、それぐらい人間として最低限守ろうよというルールであることは分かるのだが、どうして戦争そのものをしてはいけないという子供でも理解できることをルール化できないのだろう? イスラエルとパレスチナのどろどろの関係は、もはや修復不可能な復讐の連鎖の歴史でしかない。そして確実なことは復讐の連鎖は武力では絶対に止めることができないということだ。さらにそこにはイスラムという殉教的な教えが根強く残る宗教がからんでくるのだから、とても厄介なのだ。宗教指導者によって扇動されやすく、異教徒に対して排他的(アラー以外に神はなしと毎日何回も呪文を唱えていて、異教徒に寛大になれるはずがないではないか)だから、結局、他の民族とは融合できないわけで、同じ宗教の人々がまとまって助け合って平和に暮らすことが彼らの理想なのだ。いまアメリカのやろうとしていることは、彼らイラクの人々にとっては、異教徒による親切の押し売りと思っているのではないだろうか。そろそろ日本の自衛隊も、「同情するなら金だけくれ!」と言われそうだ。(