■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2009/04/30


新型インフルエンザが猛威を振るい始めたようだ。感染経路が不明というのが不気味で恐ろしい。今のところ死者はメキシコとアメリカだけのようだが、すでに感染予備軍が相当数いるようだから、徐々に死者数が増えてくるのだろう。豚インフルエンザと当初言われていた割りに、豚を隔離するような動きがないのも不思議だ。今日4月30日にWHOがフェーズ5の段階に入ったことを宣言したが、各国の対応はバラバラで、アメリカの空港では検疫すら実施されていないようだし、エジプトでは家畜の豚をすべて処理する方針を発表したりと、過剰反応と思える動きをする国もあり、一体これからどんな動きが各国で起こってくるのかさっぱり見えてこない。インフルエンザの特効薬と言われている「タミフル」などがまだ有効とされているから、感染の初期段階で治療を受ければ死に至ることはないようにも思えるのだが、感染経路が不明で、マスクなどで予防するしかないというのも不安をかきたてる。そしてついに日本国内でも初めて新型インフルエンザの疑いのある高校生が確認されたようで、ゴールデン・ウィークを海外で過ごしている旅行者が戻る頃には、さらに深刻な問題になりそうな気配だ。これでまた旅行業界、航空会社、外食産業、レジャー産業などに深刻な影響が出るのは確実である。悪いことは重なるものだとよく言われるが、世界的な金融危機と新型インフルエンザ大流行のダブルパンチで、経済的にもどんどん悪い方向に向かっていきそうである。ただ、救いは季節的に暖かくなる時期なので最悪のシナリオではなさそうだ。あとは、ワクチンの製造が間に合えば、なんとかこの危機を乗り越えられるのではないだろうか。
パソコンのウィルスも厄介な問題だが、自然界に突然現れる本物の新種のウィルスというのはさすがに怖いということを実感させられた。ただ、これだけネットワークが行き届いた世界になっている割に、各国の連携があまり見られないのが残念だ。WHO主導でもっと世界的な規模で専門家集団がまとまって、各国が連携してワクチン開発や製造を行い、治療のノウハウや隔離の方法などを話し合って、統一見解を発表するなどしてもよいと思うのだが、そこまで世界はまとまっていないということなのだろうか…。(

 

 


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