■4月7日に発令された新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言で外出自粛が要請され、「STAY HOME」をスローガンに各地で実施されているが、1ヶ月間の自粛期間の終了予定日の5月6日が近づき、その効果が出てきていないことが問題となっており、さらに自粛期間が延長されそうな雲行きである。
■各週の感染者数の推移を各国で観てみると、世界全体では4月16日には前の週から54万1千人の感染者数が翌週の4月23日も54万6千人、そして今週の4月30日では56万7千人と微増しているが、3月に比べその増加スピードはかなり減速している。中国は3週連続して大きく減少し、二桁の70人にまでウイルスの封じ込めに成功しており、韓国、台湾、香港も若干増えている週もあるが、封じ込めに成功したことがデータで示されている。欧州に関してはドイツを除き数万単位の感染が継続しているが、徐々にそのスピードが遅くなっていることは確かで、都市封鎖が徐々に効果を上げてきていることが分かる。ドイツに関しては致死率が元々低く、今週には感染者を6千人台に減らしてきている。反対に心配なのがアメリカで、毎週20万人の感染増加が続いており、累計の感染者数が103万人を超え、死者数も6万人を超え、ベトナム戦争での犠牲者数(5万8,220人)をついに越えた。欧州もまだ数万単位で増加しているが、アメリカの場合、一桁多い感染者数で、都市封鎖がそれほど効果を挙げていないようだ。また、ロシアが急速に感染が拡大しており、04/08で7,497人が、04/16で24,490人、04/23で57,999人、04/30で99,399人と1週間で41,400人が感染しており、欧州が減少している一方で激増している。インドも増加傾向にあり、人口が多い国だけに爆発的な感染拡大に繋がらないか懸念されている。
■日本の感染者増加傾向は、4月16日で3,254人、4月23日で3,396人、今週の4月30日で2,356人と、やっと1千人減少したことになっているが、日本の場合、PCR検査がかなり制限されていて、実際にウイルスに感染していても、よほど高熱が続いたり重篤化しないと検査してくれないという日本特有の問題があるので、感染者数は正確にはデータに反映されていないため、なかなか判断が難しい状況となっている。韓国や台湾のようなウイルスの封じ込めの状態には程遠く、コロナ疲れによるストレス増大や休業補償の不備などによる経済的な不安などから、コロナウイルスとは別の病気が心配になってくる。果たしていつまでこの外出自粛が続くのか、また自粛解除後の第二波の感染拡大がどの程度なのか、更なる心配事が増えるばかりである。その中で、三密の実行やイベントなどの中止はしているが、政府からの外出自粛要請だけで、店舗や会社の営業は通常通り継続している国がある。北欧のスウェーデンである。北欧三国の中で、感染者数はかなり多いが、都市封鎖などを唯一実施していない国でありながら、毎週3、4千人の感染者数で推移しており、医療崩壊しないよう万全の体制を整えて、経済優先で、コロナウイルスとの共存を目指しているのだ。かなり周辺諸国から感染爆発を懸念されており、都市封鎖をしないことも批判もされているが、現在も継続しており、世界中からテストケースとして注目を浴びている。「ウイルスの封じ込め」なのか「ウイルスとの共存」なのか、欧米諸国の流れはどうも共存の方向のようだ。果たして、日本はどっちを選ぶのか?(越)
04/16_04/23_04/30
世界 541,605_546,172_566,882
中国 476_447_70
日本 3,254_3,396_2,356
韓国 168_103_67
台湾 14_32_4
香港 0_70_7
アメリカ 205,521_203,117_197,494
イギリス 37,002_35,019_32,946
ドイツ 14,288_23,727_6,330
フランス 24,158_11,193_11,043
イタリア 25,733_22,172_16,264
スペイン 30,943_30,756_28,510
イラン 11,803_9,607_7,661
トルコ 31,166_29,282_18,915
ロシア 16,993_33,509_41,400
スウェーデン 3,508_3,395_4,299
インド 7,128_7,662_13,078
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