■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

更新日2003/06/05

子供の頃から好きなミュージシャンの一人にアニー・レノックスという美人で才能あふれるイギリス人女性がいる。80年代、ニューロマンティック全盛時代ののミュージシャンで、当時、「ベストヒットUSA」やら「MTV(司会はマイケル富岡)」などの音楽番組を毎週欠かさず見ていた私は、彼女の出ているビデオクリップをビデオに撮って何度も繰り返し見ていた。しかし、彼女はここ数年スランプに陥っていたらしく、ある日コンクリートの割れ目から雑草が生えているのを見て元気がでた、と取材で語っていた。「エエ話やなぁ」と思っていた矢先、我が家の軒先にもひび割れたコンクリートの割れ目から小さい花が咲いているではないか(写真)。「アニー、私もがんばるよ」と勝手に心に誓う6月のある日。(志岐


コンクリートの割れ目から…

先週の日曜日の夜にたまたま見ていたTV番組(TBS:情熱大陸)で、久々にガッツ溢れる日本男児を見た。海洋冒険家の白石康次郎だ(所属:株式会社スポーツビズ)。1967年生まれの現在36歳。高校生の頃にヨットと海に魅せられ、ひたすらヨットのために経験を積み、24歳で太平洋単独縦断に成功。26歳の時になんと世界最年少単独無寄港世界一周を達成している。176日間一人ぼっちで海だけの毎日…。よほど孤独に強い人だ。こんなすごい人がいたことを初めて知ったが、ヨット界では、「シライシ」を知らない人はいないようだ。今回TVで観たのは、世界でもっとも過酷な世界一周ヨットレースの「Around Alone」に彼が参戦したドキュメント番組だった。約5,000kmの海を約235日間かけて競争する。これまた一人なのだ。それも愛艇「スピリット・オブ・ユーコ」は40フィートクラス(約12メートルの中型ヨット)なのだ。この大きさのヨットを一人で操縦すること自体が、素人にはあり得ないわけで、一晩中10分ごとに目を覚まして計器の確認をするようなレースだ。もちろん毎日それが続くのだ。当然、すごい嵐に何度も遭遇し、転覆したり、セールが傷んだり、計器が壊れたりするが、すべて自力でその困難を乗り切るしかない。彼はそんな危機を迎えても至って冷静に淡々と処理していく。そのタフな精神力と強靱な体力には脱帽である。そしてなにより好感を覚えるのが、その性格の明るさだ。彼は記録ももちろん追いかけているだろうが、その根底に海が好き、ヨットが好きというシンプルな生き甲斐をひたすら追い求めている感じがするのだ。ちなみにアジアからただ一人の参加で、総合4位という成績だった。もちろん40フィートクラスでは1位だった。これからヨットレースが楽しみになった。悪戦苦闘日記はこちら。(