■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2005/06/09


6月7日、ヨット「SUNTORYマーメイド号」で単独無寄港東回り世界一周に挑戦していた冒険家の堀江兼一さんが、故郷である兵庫県西宮市の新西宮ヨットハーバーに250日かけて帰ってきた。昭和49年に西回り、昭和57年に縦回りでの一周を果たし、「世界一周の三部作」が達成したことになる。前日の6月6日には71歳の世界最高齢での単独無寄港世界一周の記録を達成した斉藤実さんの「酒呑童子II」が、同じ東回りで234日ぶりに帰ってきたばかりで、2日間でヨット無寄港世界一周を達成した二人のシニアのニュースが入るという偶然が重なった。それにしても、斉藤さん71歳、堀江さん66歳と、シルバー世代ががんばっているというか、脱帽である。 両人ともに嵐などに巻き込まれたりかなり予定を オーバーしたようだが、250日間全く陸地を踏むことなしに日本に戻ってきているわけだ。8ヵ月半の孤独な航海を考えただけで私など気が遠くなる。それも平穏な海ではなく、いつも嵐が吹き荒れる難所だらけの南米最南端のホーン岬やアフリカの喜望峰をたった一人で乗り切ってきているわけで、肉体的にも精神的にもタフな人でなければこの偉業は達成できない。斉藤さんの帰国第一声は記録が出なかったことを詫びるというもので、自分の71歳という年齢のことはどこかに忘れてしまっている。180日間で戻るスピード記録を狙っていたようで、最高齢記録などそれほど意識していないに違いない。確かに斉藤さんのプロフィールを見ると驚くべき記録である。Around Alone 単独世界一周レース(今年から「5-Oceans」に名称変更)に平成2年から連続3年間参加しており、そのヨット「酒呑童子II」と一緒にすでに地球を7周、約45万km以上を走破していることになる。当然、同一のヨットでの最長走破記録も樹立しているそうだ。ヨットに乗ることが生活というか人生になってしまったような人なのだが、39歳からのヨット人生ということで、ヨットとの出会いは意外と遅かったようだ。堀江さんも斉藤さんも白髪でたしかにシルバーエイジではあるが、ココロは青年そのままという印象で、とても気持ちがいい笑顔である。私もこんな風に歳をとれたらいいなと思えるのだが、その前にこのポコリと突き出た太鼓腹をなんとかせねば・・・。(K

 

 


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