■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日


更新日2004/07/01


今年の『インターネット白書2004』によると、現在、国内のネット利用者数は6,284万人(前年比11.3%増)だそうだ。この1年で光ファイバーは2.6倍の伸びを示し、ネット接続世帯の48%がブロードバンドを利用、携帯電話の53%がネットを活用している。日本国民の半数がネットを利用しているわけで、ネットがメディアの核となる時代が日本にもやってきたようだ。利用者数ではアメリカ、中国に次ぐ数字だが、人口普及率で見るとまだまだ世界で17位と、IT先進国とは言いがたい。いつの間にか欧米諸国に水を空けられてしまっているのが現状のようだ。このようにネットが普及してきたことにより、我々の価値観も大きく変化していることもあるように思える。たとえば、その昔、頭のよい人の定義づけとして、博学で、百科事典のように知識が豊かで、分からないことに何でも答えてくれる重宝な人ということがあったように思えるが、今時分からないことはまずネット検索してみる、それでも分からないことはネットを使って誰か専門家に聞く(教えて!goo)という具合に、博学で何でも知っている人の価値がかなり下がってしまったのではないだろうか。昔は何かに対して詳しく知っていることは尊敬に値することであったのだが、いつのまにかどうでもよいような、気が付かないようなことを調べあげ、薀蓄(うんちく)の深さが尊敬の対象となるような風潮が生まれてきたように思える。「トレビアの泉」的なネット検索しても探せないような知識しか価値がなくなってしまったようだ。その昔、オタクと呼ばれていた人たちがしっかり市民権を得て、表舞台に登場するようになってきているのもその現われだろう。このようにどんどんと価値観が変化しているわけで、気がつかないうちに古いシステムではどうにも不自由でしょうがなくなる時期がきているように思える。特に教育の分野でのシステムが壊れ始めているのかもしれない。(