■よりみち~編集後記

 


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更新日2007/08/30


携帯電話がパーソナル通信の定番になってしまったのはいつからだろうと、記憶をたどってみると、ほんの4、5年前のことだと気が付いた。調べてみると2003年に普及率のピーク93.9%を記録したことが分かった(総務省情報通信政策局)。1993年の普及率は3.2%で2003年の10年間で一気に爆発的な普及をしたことが分かる。パソコンの普及率と比べてみるとさらに面白い。1993年には11.9%2003年には78.2%で、携帯電話はパソコンを押しのけて普及したことが数字で分かる。インターネットの世帯普及率をみると、2003年には88.1%のピークを記録しており、これは明らかに携帯電話のiモードによるネット利用の普及とリンクしており、日本の場合は、インターネットの普及は携帯電話での利用が中心であることが数字に出ている。これだけ携帯電話がネットの定番となったのだから、きっとネットの定額制が普及して低額で利用できる環境になることを期待しているのだが、確かに安くはなってきているが、実感としては、携帯電話の料金は決して安いとは思えない。電話番号を変更せずに携帯電話会社が変更できるようになって、ここでさらに価格競争が激化して、さらに低価格の使用料になるものと期待していたが、かなり安くはなっていることは事実だが、これまた実感としては、こんなものなのという程度である。そしてユーザーの期待をよそにネットの使い放題の料金設定が依然として安価とは言いがたい状態である。そして8/23のニュース報道「携帯電話通話料、東京はNYの3倍以上」という記事を読んで、やっぱりそうなのかという気持ちだ。東京の携帯電話の通話料金を1分あたりの単価で比べると、東京は平均39.4円のところNYは11.7円だという。ちなみに韓国のソウルの1分あたりの通話料は19円と安く、月額使用料も東京の5,100円に対して、ソウルは3,300円とかなり安価で携帯電話が利用できるようだ。日本の場合、2003年をピークに携帯電話の普及率が2、3%づつ連続で落ち続けている状態で、これも料金負担が大きすぎるためと思われる。中学生や高校生の大半がすでに携帯電話を使用しているわけだが、ネット利用、特にメールやネット閲覧の頻度が異常に多く、ビジネスで使用している大人以上に利用料が高くなっている傾向があり、中学生でも月額利用料が1万円を超す場合も多いようである。そう考えると、一家族の携帯電話の月額利用料が3万円を超えるケースも多いはずで、通信費が異様に増えている家庭が多くなっているのではないだろうか。これだけ普及して定番化した携帯電話なのだから、そろそろ国のIT施策として、携帯電話料金の定額制や低価格化をもっと推進すべき時期ではないかと思えるのだが、日本の場合、元公社であったNTTを守るために政府は何もできないのだろう。結局のところ、NTTの再編成や解体なしには日本の真のIT時代はやってこないということなのだろうか。。。(

 

 

 


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