■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2004/10/07


最近、死亡事故や災害時の死傷者の報道に鈍感になってしまっている自分にうんざりしている。熊が出没して被害が出ているという報道でも、死者は1人しかいないと感じる。昔の感覚ならば、100人以上のケガ人がいて死亡者まで出て大変だと思ったに違いない。毎日決ったように報道されるイラクでの戦闘による死傷者やテロ事件での死傷者の数の多さに完全に麻痺してしまっているのだ。どこどこの戦闘で数十人が死傷したとか、イラク進攻以来、アメリカ人の死亡者数が1,000名を超えたとか、北オセチア共和国の学校占拠事件330人以上の親子が死亡したとか、現場でその死体を見ない限り、まるで実感がなく、単なる数値でしかとらえることができなくなっている。でも、ちょっと冷静に考えると、この死亡者は災害や事故での死亡ではないわけで、人間に殺された人なのだ。すべての人に親や家族があり、親戚があり、その人を失った悲しみや怒りは想像を絶する。災害などの事故ならば、誰も責めようがないし、あきらめるしかないだろう。そして、時間がいずれ解決してくれるかもしれない。しかし、殺された人は別だ。そして、殺された人の家族は一生そのことを引きずって生きていくしかない。ある者は復讐の鬼となるのは明白だ。殺した者に復讐することは万国共通のオキテなのだから、誰が止められるだろうか。そうして復讐の連鎖が延々と続いていくことになるのだ。アメリカの調査機関は昨日正式に、イラク戦争開戦時に同国にはいかなる大量破壊兵器も存在しなかったと結論づけた。これでもブッシュはイラク戦争を正当化できるのだろうか? 誰もが判断が間違っていたとするイラク進攻に対して正当化し、さらに市民を巻き添えにしながら戦闘を繰り返し、イラク人を開放して民主化をもたらしたと自画自賛するアメリカという国は、イラク人からすると間違いなく狂信者の国だろう。これで次期大統領選でブッシュが再選されたとしたら、この狂信者の国アメリカを自ら証明することになるだろう。アメリカもイスラエルもそろそろ目を覚ましてもいいのではないだろうか? いま、歴史を変えられるのはこの2つの国しかできないことは明白なのだから・・・。(K

 

 


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