■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2005/10/27


個人情報保護法なるものが出現し、プライバシーや人権保護について神経質な時代になってきている。これもやはりITの影響なのだろう。確かにネットで個人情報の検索や閲覧が簡単に実行できるわけで、神経質にならざるを得ないのだ。アメリカでは4人に1人がオンライン検索で同僚などの情報を得ていることが2004年の調査でわかっている。23%の人が同僚や上司、顧客、従業員といった仕事仲間についてオンラインで検索したことがあるそうで、女性の2倍の確率で男性がオンライン検索している。仕事で確実に個人情報が検索されているわけで、この傾向はこれからの時代はさらに拍車がかかるはずだ。確かに、辞書を引く前にネット検索するし、会社の情報なら間違いなくネット検索を優先するはずで、辞書や電話帳、会社情報などの出版物が売れなくなるのもしかたのないことである。いまさら重い辞書を書棚から引っぱり出してきて調べものをするような懐古趣味は持ち合わせていない。但し、便利になったということは、それだけ悪いことをたくらむ人にもネットが便利になっていることを忘れがちである。ハッカークラスの豊富な知識を持つ人にとって、インターネットのセキュリティなどは子供だましに近いという話を以前聞いたことがある。自分の足跡を残すようなハッカーはまだまだヒヨコで、自分の実力を試しているレベルなのだそうだ。本物は決して自分の足跡は残さないし、侵入した痕跡さえ残さないから被害にも気づかないケースが多いのだという話を聞いて、ネットの裏世界にため息をついた覚えがある。すでに後戻りできないネット社会になってしまった現在、ネットの中にも警察的な捜査権と逮捕権のある存在が必要になってきた。ただ、これが一歩間違うとレッドチャイナがそうだと言われているように異端分子の摘発や政治的な操作に使われたり、個人の行動や言動がチェックされたりするような動きにつながらないことを願うばかりだ。いまさら驚いてどうすると言われるだろうが、検索エンジンの「Google」の検索能力の高さには脱帽である。どこまで進化するのか恐怖さえ感じる。この「グーグル」が最初出現した時の感動は今でもよく覚えている。その的確なヒットに、「グーグル」の時代がやってくることを予感したものだ。最近では、一部の人から「グーグル」の検索の質が落ちたとする指摘もあるが、「グーグル」は急激な事業拡大を進行中だ。そしてそのすさまじい検索能力に対して心配する人も増えており、プライバシーの保護や個人情報の流失を恐れる人が出始めている。本名をホームページなどに書き込んだ記憶がある人は、「グーグル」で一度自分の名前を検索してみるとよいだろう。私も、最初は自分の名前を検索して、ヒットしたことに喜んだ一人なのだが、知らないうちに個人情報が登録され、その情報を勝手に検索されている可能性もあるわけで、最近は素直に喜ぶことができない。ネット上で本名や自分のプライベートアドレスを使うことをやめようかなとも思い始めている。(

 

 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO