■よりみち~編集後記

 

■更新予定日:毎週木曜日


更新日2002/10/31

日に日に寒くなってきていますが、この時期食べたくなるといえば
おでんではないでしょうか。最近はどこのコンビニでも売っているのでつい手がのびます。先日おでんのタマゴを食べているうちに、なぜだか「コロンブスの卵」が思い浮かびました。コロンブスがアメリカ大陸なんて簡単に発見できると言う人々に、卵を立てることを試みさせたところ、誰もできないのを見て、卵の尻をつぶして立ててみせたという話で、簡単そうなことでも初めて行うのは難しいというたとえ話です。まあでも、おでんのタマゴにとっては立つことより、ダシがよくしみているほうが大事でしょ。(


「のらり」インタビューにご登場いただいた上田紀行さんのお話しの中で、インドでの体験が語られていて、そういえばそうだったと、実に十数年前の初めての北インド体験をとてもなつかしく思い出した。「なにかいわく言いがたいパワーがみなぎっていて、その中にいたら僕もどんどん元気になっていった。」まさにそうだった。もちろんその前にインドの洗礼?ともいうべき強烈な下痢で数日寝込んだり、しつこくまとわりつく物乞いに辟易したりと、絶望感と無力感を十分味わうことになる。よくインド旅行に行って、ホテルの天井だけ見て帰ってきたという笑い話があるが、本物のインドはそこから始まるように思える。インドがダメという人は意外と多いが、ほとんどの人はその入り口だけで判断してしまっているだけのように思える(ちょっと言い過ぎか? 生理的に受け付けない人もいるからあまり強調はできないかな)。上田さんの言う「我がまま」とは「あるがままの自分」ということだと思える。北インドにはまさにあるがままの自分をさらけ出して生きている人々が満ちていることがだんだん判ってきて、それに慣れてくると、その元気が伝染してくる感じなのだ。インドファンのほとんどはこの伝染病?に感染しているのかもしれない。最近、日本の登校拒否児をインドで寄宿生活させて、社会順応させるプロジェクトもあるとか聞いたことがあるが、自宅に閉じこもってしまった子どもをなんとかするには、荒治療かもしれないが、効果は確実にあるように思えるのだが…。(