■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2004/11/18


イスラエルとパレスチナ。この二つの国?は神でさえ途方に暮れる出口のないカオスの磁場である。和解の糸口さえ見えず、もはや奇跡を信ずる者さえ誰一人存在しないだろう。英雄と呼ばれる人や仲介人はすぐさま暗殺されるか追放され、過激に血を求める者だけが支持され、さらに両国の溝の亀裂を深く大きくしている。どちらも聖地エルサレムをその国のヘソとしているわけで、日本でいえば皇居に別の国の宗教の聖地があると経典に書かれているから日本の住民も含めて出て行けという判断をある日突然されたようなもののわけで、ちょっと想像力を超えてしまっていて思考停止状態になる。そりゃあ、自暴自虐にならない方が不思議だ。最終的には、テロリストにでもなんでもなって、自分が追い出された家や故郷を取り戻したくなるのが当然の成り行きだろう。PLOはそんな行き場のない怒りに満ちたテロ集団をとりまとめて、もっとクールに現実的になんとかパレスチナの土地を取り戻すために団結した組織だった。ブッシュの言うように、PLOは元々はテロリスト集団であり、昔はテロを支援する組織だったかもしれない。でもそれはイスラエルやイスラエルを支持する国から見るとという但し書きが付く。反対にパレスチナやアラブ側の人々からすると、今でも国連がテロを増幅する手先であり、イスラエルやアメリカはオフィシャルなテロの実行国ということになるはずだ。PLOの、そしてパレスチナの唯一のカリスマ的存在だったアラファト議長が先日亡くなり、このカオスの地がさらに混乱した状態になっている。これでイスラエルとの関係が少しは改善するという楽観主義の人がいるようだが、それはイラクの情勢を見れば明らかなように、テロリストとの戦いには終結や和解などあり得ないのだ。ただ単に攻撃場所や拠点が変わるだけだ。とっくの昔にPLOの時代ではなくなっており、超過激なモスリムのテロ組織やパレスチナという枠を超えた反ユダヤ組織などが地下に潜っているわけで、国家間の交渉を進展させることはさらに難しくなったように思える。これからは無差別なテロを繰り返す国際的な反体制主義者との戦いになるのだろう。国家を持たない彼らともぐらたたきゲームのような闘争が延々と続くように思える。少なくともブッシュの消える4年後までは、この傾向がさらにエスカレートしていくようでとても怖い。おまけに今度はライスさんが国務長官である。まだ理性が少しは感じられたパウエルさんがついに逃げ出し、とても黒人の牧師の娘とは思えない過激なライス女史が米国初代の女性国務長官に任命されるのである。これは火に油を注ぐ行為としか思えない。神が地球の危機を救うために、人口が過剰になる前に戦争や紛争によって人口調節しているというようなもっともらしい説を聞いたことがあるが、それがブッシュの使命だとしたら、“○○喰らえ”である。とても彼が神に選ばれた世界の代表とは思えない。人の顔のことはあまり言える立場でもないし、決して言いたくもなかったのだが、米国を動かしていると思われる現政権の人々、ブッシュ、チェイニー、ライス、ラムズフェルドなど、人相がよい人がいないのはなぜなのだろう。まあ、日本の政治家も同じだから、政治をやると人相が悪くなるという結論なのかな…。(

 

 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO