■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

 

 

 

 

 


更新日2008/12/11


トヨタは来年度100万台の減産を発表し、ホンダはいきなりF1からの撤退を表明してモータースポーツ・ファンを落胆させ、世界のソニーもなりふり構わず、非正規雇用の人員8,000人以上を削減すると発表するなど、景気の悪化は半端じゃないことが段々と社会現象としてメディアを通じて表面化してきている。海外依存が大きく多国籍企業となっている自動車産業界やエレクトロニクス業界からジワジワと不況風がやってきているようだが、これもまだ嵐の前の前兆なのかもしれない。風が吹けば桶屋がなんとやらで、アメリカ市場に頼っている企業に危機感が出てきているのは当然だろうが、その影響を受けてすぐに国内産業も敏感に反応してくるはずで、来年の経済状況がどこまで落ち込むものか恐ろしくなってくる。さらにその不安を増大させているのは、政局しか興味がないように見える日本の国会議員さんたちの無脳な姿である。結局のところ、彼らには選挙で自分が再選されるということしか頭にはなく、いくら日本の将来や世界の未来を考えても、議員になれなければ意味はないと思っているようなのだ。それでいて、次の選挙で再選されたら本気で日本のことを考えるかと言えば、それも違っていて、今度は自分の役職や党のポストのことで頭が一杯になるわけで、また次の選挙が近くなる。これの繰り返しで、いつの間にか議員にしがみつく政治屋稼業に成り下がってしまうのだ。これではいつまで待っていてもまともな政治は生まれないだろう。自民党政権から民主党に変わることで、これらの不安が解消されるかと言えば、それも疑問だし、自民党とあまり代わり映えしないかもしれないのだが、少なくとも今のような政局だけの政治ではなく、もっと政策は実行され、前進はするはずだ。ましてや民主党が理想とするような政治にすぐに変革されるとはとても考えられないが、限界が見えてしまった自民党にまかせているよりは、フレッシュな新人のやる気に期待するしか選択肢はないように思える。今後の再生のためにも、これ以上自民党は醜態を見せずに政権を明け渡したほうがよいと思えるのだが、権力と言うものはなかなか素直に渡せないもののようだ。今の状況としては、こんなことしている場合ではない100年に一度の緊急事態の時だと思うのだが、どうも政治屋さんは危機感に乏しいようである。(

 

 


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