■よりみち~編集後記

 


■更新予定日:毎週木曜日

更新日2003/12/18


名曲『30歳の子供』を、ギターの弦をぶち切りながら歌い続ける中川五郎氏に圧倒された。チャールズ・ブコウスキーの『くそったれ! 少年時代』などでも有名な言わずと知れた翻訳家でありミュージシャンである。いやミュージシャンであり翻訳家と言った方がいいかな。だって五郎さんの翻訳の原点は、英語で歌うミュージシャンたちがいったいどんなことをその詞で表現しているのかってところから始まったというから。その日は、高円寺の円盤という30人も入ればいっぱいになる会場で文字どおりところ狭しと暴れ回った。54歳にしてこのパワー、格好良すぎ! しかも金髪。この人には歳なんて関係ないのかもしれないねえ。「もうすぐ三十路かあ…(ため息まじりで)」なんてボヤいている場合じゃなかったなーとちょっと反省。 (瀬尾


さすが師走である。だいぶ寒くなってきたが、北国は雪不足でかなり困っている。北海道のタクシー業界では雪が降らないために売上が例年よりも15%減少しているそうだ。雪が降らないので過ごしやすいと感謝している人がいる一方、根雪にならないために頭を抱えている人たちもいるわけだ。なかなか世の中難しいものだ。誰かにとっての利益は誰かの不利益になってしまうわけで、道路公団、地方交付税、そしてイラクの問題などなど、すべて誰もが喜ぶように丸く収めることなど到底不可能なことだ。そこで重要になるのが、未来のためにこうあるべきだという国家的なポリシーだと思うのだが、この国のそれが一向に見えてくる気配はない。困ったものである。困った時には「天使」に救いを求めたくなる(ちょっと無理があるかな)。ということで、今年で2回目となるイベント『GROUND ANGEL(グラウンド・エンジェル)』を寒空のなか見学してきた。これは9.11に衝撃を受けたアーティストの石井竜也氏が、NYのグラウンド・ゼロに対して、横浜赤レンガ倉庫のイベント広場を「平和の天使が舞い降りる場所」と位置づけ、平和へのメッセージを光と音で15分ほどの作品に仕上げたものだ。赤レンガ倉庫の壁面と広場の石畳に映し出される天使のイメージと静かに流れる音楽(これがなかなかいい)で、独特の世界を醸し出している。特に石畳に映し出される流れる映像はかなり雰囲気がある。クリスマスシーズンにはぴったりのイベントだ。みなとみらいのイルミネーションも美しいし、赤レンガ倉庫から大桟橋(ウッドデッキが気持ちよい)、そして山下公園から中華街への散歩コースもおすすめである。来年2月1日の地下鉄・みなとみらい線の開業もあって、かなり横浜が注目されそうだ。地元・横浜の観光案内みたいになってしまったが、10年以上ずっと工事ばかりが続いていた横浜の湾岸地区もやっとピリオドが打たれそうなので、ちょっとほっとしている。ちなみに、『GROUND ANGEL』は12月31日まで、7:00から22:00まで、毎時00分/20分/40分に上映している。12月31日のみ24:00まで延長し、カウントダウンをするそうだ。たぶんすごい人が集まりそうだが、カップルにはおすすめかも…(