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■よりみち~編集後記

 

更新日2024/07/11



7月7日の東京都知事選挙は、予想通り小池百合子都知事の三選という結果に終わりました。立憲民主党のマドンナ蓮舫の出馬という女帝対決が話題にはなりましたが、自民党都議連の全面的なバックアップと自らの都民ファーストの動員力で291万8千票を確保、前回得票数366万1千票から70万票落ちてはいるものの余裕の再選結果である。元最側近である小島敏郎氏からの学歴詐称の爆弾告発により、公職選挙法違反で刑事告発されているにもかかわらず、一切メディアでは質問を受け付けず公開討論も逃げ回るというか回避する戦略は元キャスターならではのメディア統制力に脱帽するしかない。結局のところTVや新聞メディアでこの学歴詐称問題を取り上げたところはなく、ネットメディアによる追及では選挙にそれほど影響力がないことが露呈されたように思える。

神宮外苑の樹木伐採、旧オリンピック選手村「晴海フラッグ」分譲マンション格安払い下げ問題、築地市場跡の再開発、プロジェクション・マッピングの無駄遣い、大手デベロッパーへの大量の都幹部職員の天下り、関東大地震の際の朝鮮人虐殺慰霊への追悼文送付の取りやめ、食料配布に並ぶ困窮者への冷酷な扱いなど、追及すべき問題が山積みでありながら、メディアが忖度して出さないようにしていることは明らかで、「ソフト・ファシズムの時代」がやってきていると警鐘を鳴らすジャーナリストも増えてきている。

今回の都知事選ではっきりしたことは、既成政党がどこもかしこも泥船になっていることである。もちろん裏金自民党は最悪の状況だが、国民の期待を一気に盛り上げ日本の政治に風穴を開けられる政党が皆無であり、特にリベラルと呼ばれてきた立憲民主党の存在感の希薄さにあきれるばかりである。今回の蓮舫議員の無所属出馬でも、"反自民、非小池都政"をキャッチフレーズに展開してきたが、立憲民主党と共産党の応援により野党共闘を鮮明化させ、裏金自民党と連動する小池都政を批判しようとしたのだろうが、腐っているのは自民党だけではないことは国民にはお見通しで、若い無党派層の多い都民には古臭いリベラル政党の時代ではないと、アンチ票で前陸前高田市長の新鋭である石丸伸二に大量の得票が加えられることになった。

世界的な政治暗黒時代に突入していることは明らかで、アメリカ大統領選挙でも「もしトラ」から「マジトラ」に変わっており、バイデン撤退論義が激しくなっていたり、英国でも労働党が地滑り的な勝利で14年ぶりの政権交代が実現、スターマー新首相が誕生。フランスでは、極右政党が大躍進し最大勢力となったが、国民議会選で左派が逆転勝利し、極右政党は3位に転落。先進主要国のすべての国で右派が躍進しており、極右政党が台頭してきています。日本でもすでにソフト・ファシズムの時代に入り、裏金自民党だけでなく維新の会や他の保守系政党においても、極右的な言動や行動が増えてきています。今後さらにメディアにあふれてくることが予測され、ジャーナリスト集団の連携や連帯がより重要な課題となりそうです。言論統制はこの時点ですでに始まってると考えておいた方がよいように思えます。(越)

 

 

 


■猫ギャラリー ITO JUNKO

 

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