スーザンの作品はアブストラクト(抽象画)とも言えるし、風景画とも言えるのだ。彼女の絵画法を知ると、よりアブストラクトに感じるかもしれない。キャンバスの上に絵具を垂らし、キャンバスを様々な角度、方向、速度で傾けて描いているのだ。96年に筆を使って描くことを止めている。
絵具が流れ拡散する過程で空や大地が生まれる奇跡の瞬間は彼女の経験と本能で感知される。風景とは彼女にとって口実であって、はじめから設定された目標でも、最終的に到達されたゴールでもない。「描く」ことへの実験もしくは挑戦から、風景のリアリティーが出てきたのが面白い。
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