この静かな画面の中に、ドキッとさせる何かがある。あるインタヴューで、「前にあったこと、そして時間が経って、今どうなったのかということに関心がある」と希里香さんが言っているように、見過ごしてしまいそうなありふれたものなのに、そんなものにも歴史があるのだ。
どんな分野でも作品をつくるきっかけは、実は誰でも非常にプライベートな思いや経験であると思う。ただ、それをエモーショナルな個人の世界から、美術であれダンスであれ、如何に技術と感覚でさらに広い世界に作品を昇華できるかがアーティストの仕事なのかもしれない。 |