第4回:幻想的な空間を楽しめるビジュアル本をご紹介
更新日2004/02/19
ああ、始まりました新学期。先学期は授業を取らなかったし、それまでも1、2科目づつと、かなり「カッパだぴよ?ん♪」なペースでやってましたが、とうとう本気を出して3科目クゥーックェックェッ。失礼しました。マジなもので。
早速、宿題提出、読み物課題、書き物課題、そして力みなぎ過ぎるカッパ文字のノートを見直し、時には自ら解読し、わからない所を調べたりしてたら、あっもう月曜日だ、水曜日だ、だ、だ、というテンパった1週間を送っちょるカッパであるよ。
ふー、そんな日々にちょっとお勧めな本をご紹介しちゃいましょう。
1冊目はお正月の旅行でサンタフェにある美術館のショップで見つけた『minimum ミニマム』(ISBN
0714838179)。
『ミニマム』
もう一冊は先日行ったニューヨークのデザイン・ミュージアムのショップにあった『The
Garden Book ガーデン・ブック』(ISBN 0714843555)。
『ガーデン・ブック』
偶然だったんですが、どちらもPhaidon出版
から出ている約15cm x 15cmのミニ・エディション。いずれも先に出版された大きい版のいわゆるコーヒー・テーブル・ブックというような豪華写真集の縮小版。
『ミニマム』はモスクからパンテオン、天文台から店舗内装、白磁も彫刻も絵画も含めて、ミニマムなコンセプトとフォルムを次々ときれいな写真で見せている。日本にもいたことがあるという建築家ジョン・ポーソンが選んだミニマム造形美写真集。ミニ版なのに装丁もグレーがかった白の布張りできれい。そして次々と数で勝負というよりは、隙間のスペースも含めてきれいなレイアウトでミニマムたる作品達が引き立っている。ル・コルビジェや古代建築(意外にも現代の天文台も)などシンプルなだけでなく時間のスケールを越えて精神が宿るような空間になっていてすてき~。すてき~。
『ミニマム』を開いて
『ガーデン・ブック』はハードカバーではなく、カバー全体が緑の芝生の写真になっていて、鮮やかでかわいい装丁。世界中から500の庭園を集めたヴィジュアル本。現存しない庭園の絵や古い白黒写真もあり。日本の金閣寺や円通寺なども入っている。
日本の箱庭における世界観や宇宙観も、西洋の庭園に見て取れることもあれば、何か全く異なるもの、人工的に作り上げるパーフェクトな世界、ジャングルのような異質な自然への憧憬など様々である。天と地(緑などの植物、水など含む)という庭が離れられない自然の要素にどう向かいあったのか。庭に何を見たかったのか。と考えると、それはまるで自然の要素と人工の要素と空間、時間(季節および一日の時間帯)を材料に書き上げられたフェアリー・テイルや桃源郷はてまた修道院、思想や哲学書のようで、その世界に身を委ねたいなら、まさに庭園に身をおけるという体験型文学なのではないか!
『ガーデン・ブック』を開いて
二つとも共通するのは、瞑想的な空間。しかもありのままの自然の風景ではなく人間が作り出したもの。カッパ的には行ったところも入っていて楽しい。けれど、行ったことないのに、行ったことがあるような気がする所があって、それがゾクっとしてもっと面白い。もちろん、是非行ってみたいリストに入るところもじゃんじゃん見つかります。てなことで、しばしココを離れて、宿題忘れて、ズズズーンと写真の奥の世界へとトリップしてみたりするわけです。ふふふ、ちゃんと帰って来ないとダメですよー。
おまけ:近所の絵本屋さん(映画『ユー・ガッタ・メイル』のメグ・ライアンの本屋のモデルに違いないと思っているブックス・オブ・ワンダー・NYC
Store )でハイパーな絵本に遭遇! モー・ウィレムス著『Don't
Let the Pigeon Drive the Bus! ハトボッポにバスを運転させちゃダメ!』。
モー・ウィレムス著『Don't Let the Pigeon Drive
the Bus!』
あの手この手で頼むんだけどバスを運転させてもらえず、キレる鳩があまりにも面白くて、先週、絵本関係の受賞記念サイン会があった時、出かけて行ってしまいました。モー曰く、「これは日本でも出版するんだよ」。テレビでやっていた羊のアニメ(Sheep
in the Big Cityのダンス・クリップ は必見!)がかわいいので、描いてもらっちゃいました。
フレームに入れたモーの羊画
では、駅に貼ってあったアディダスの宣伝文句で不可能に見える宿題をがんばりまーす。
Impossible is temporary. できないのは今だけ。
Impossible is potential. できないのは可能性。
Impossible is nothing. そんなのはなんでもない。
第5回:春だよ、イースターだよ、ピョンコちゃんだよ!