■くらり、スペイン〜愛知万博スペイン・パビリオン幕の内、の巻

湯川カナ
(ゆかわ・かな)


1973年、長崎生まれ。受験戦争→学生起業→Yahoo! JAPAN第一号サーファーと、お調子者系ベビーブーマー人生まっしぐら。のはずが、ITバブル長者のチャンスもフイにして、「太陽が呼んでいた」とウソぶきながらスペインへ移住。昼からワイン飲んでシエスタする、スロウな生活実践中。ほぼ日刊イトイ新聞の連載もよろしく! 著書『カナ式ラテン生活』。kanasol.jp



■愛知万博スペイン・パビリオン幕の内、の巻
第1回:スペイン万博公団も私も気合い十分(1)



■移住を選んだ12人のアミーガたち、の巻(連載完了分)
■イベリア半島ふらりジカタビ、の巻(連載完了分)

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第1回:スペイン万博公団も私も気合い十分(1)

更新日2004/08/19 


▽スペインのために脱いじゃいます♪ とかなんとか。

来年、愛知で「愛・地球博」が開催される。日本での万博開催といえば、いま40代の兄たちが小学生のときに長崎からはるばる見に行ったという大阪万博(1970年)、その兄が大学生時代にテキヤのバイトでぬいぐるみを売っていたというつくば万博(1985年)に次いで3回目になるという。

ちなみに85年はご存知の通り、久方ぶりに阪神が優勝した年として日本中に広く知られているのだが、実は70年も、巨人V9の下ながらしっかり2位につけている。ひょっとしたら万博の年は阪神がAクラスになるという法則が……。などとすでに妄想の世界に入りつつあるのも、我がツレアイばかりではあるまい。(こころ優しき読者諸兄諸姉、どうぞお近くの阪神ファンに夢を見せたってください)


などなど、もともとは愛知万博と聞いても、阪神に関連付けてしか考えられなかった私。それが、ひょんなことからスペイン万博公団のお手伝いをすることになった。これからここで、愛知万博スペイン・パビリオンと関連イベントの驚愕の充実ぶりを詳細に伝えていこうと思うのだが、その前に、まずは私と万博公団のなれそめを少々。

あれは5月某日のこと。用はないけど仲介するひとがあってスペイン万博公団のオフィスに顔を出した私。そこにいたのは、日本でいう広報部長にあたるCさん。Cさんは、太陽のような笑顔がとてもチャーミングなセニョーラで、ちっとも偉ぶることなく、随所に愉快な喩えを交えながら愛知万博への公団の意気込みを語ってくれた。

なんだかすごく楽しくてゲラゲラ笑ううちにすっかり意気投合。やがて、彼女の口から、「あなたのようにスペインに住んで、この国をよく理解して愛してくれているひとに、スペインと日本が出逢うところに立ってほしいの」という殺し文句が。その瞬間「OK!」と、私は胸を叩いていた。


勢いでなにも知らない国に移住してから5年間。これまでスペインの人々に、どれだけ助けてきてもらったことか。その恩返しができれば本望っす。……なんていうのはあとから考えたことで、そのときは、私がメロメロに惚れちまったスペインをもっとたくさんの日本のひとに紹介できるというのが、ただ嬉しかったように思う。

たとえば、ちょうどこんなかんじ。こちらが一方的に惚れていたアイドルから、「君の熱意は知ってたよ。僕のこと、これからもよろしくね」と言われたような。おっす、了解っす。愛するスペインのためならひと肌もふた肌も脱ぎましょうぞ!


▽スペインと日本、幸福な相思相愛関係。

愛知万博が開催されるのは来年の3月25日から9月25日まで。でもスペイン万博公団が参加の意思を表明したのは、もう3年以上も前になる2001年5月のことだったという。これは世界中で3番目、ヨーロッパでは一番乗りという早さ。スペイン、かなり本気です。

セニョーラCは日本のこともだいぶ勉強していて、「会場のナゴジャは、トキオとオサカの真ん中にあるんでしょ?」と訊いてきた。標準スペイン語ではYが強く発音されがちなので、NAGOYAは「ナゴジャ」となる。そして「東京」は、綴りからしてTOKIO。なんだかジュリーっぽくて、いつもちょっと楽しい。ついでに「ズボン/パンツ」は「パンタロン」で、これはヒデキっぽくてやはり発音するたびにひそかに楽しかったりする。どうでもいいが。


さて、セニョーラCはまだ日本に行ったことがないのだが、一般的なスペイン人と同じように、「最先端のテクノロジーと、伝統的な文化が共存する日本」には、ものすごく興味があるらしい。この仕事で近いうちに訪れることになるだろうと、とても楽しみにしている。

この「最先端と伝統」という日本のイメージ、スペインではとても広く浸透している。古くはブレードランナーに始まる未来都市TOKIOはいまだにエッジなひとや若い子たちにとって憧れの的で、最近でもルノーの車のCMの舞台が東京になっているほど。どう見ても香港っぽいし、漢字もでたらめだったけど。

一方でKIOTO(キオト、京都のこと)に代表される、いわゆる日本の伝統も、素晴らしい!と賞賛の的。あいにく金閣寺を作ったのが「ヘネラル・アシカガ」(足利将軍)だと説明すると、涙を流して爆笑されるのだけど。なんとスペイン語ではこれ、「将軍はこのようにウン○をする」という意味になってしまうのだよ、因果なことに。

さらに数年前からの日本/オリエンタル・ブームはますます盛り上がっていて、街を歩けば謎のカタカナ風プリントTシャツからインチキ漢字のタトゥーまで、目につかない日はない。スペイン人は、かなり日本のことが好きです。


一方で、日本人もスペインのことがだいぶ好き、なのだと思う。レアル・マドリーに代表されるリーガ・エスパニョーラのファンはとても多いし、伝統的なフラメンコにしても、世界中で本国スペインの次に舞踊人口が多いのは日本だったりするほどだ。スペイン料理のパエージャ(パエリア)やサングリアも、デパ地下や居酒屋で楽しめるらしい。


実は、日本とスペインは好き合っているのだ。さらに愛知万博で、スペインは、今まであまり知られていなかった部分も、どーんと紹介しようとしている。ま、なんとなくお互いに好意を感じていたカップルの片方が、「次の日曜、うちに来る?」と言うようなものだろう。

ということで、愛知万博へ足を運ばれたら、ぜひスペイン・パビリオンへおいでませ。あれもこれもお見せますよ。

 

EXPO2005 スペイン館
http://www.kanasol.jp/expo.html

愛・地球博:愛知万博公式サイト
EXPO 2005 AICHI,JAPAN
http://www.expo2005.or.jp/jp/

 

第2回:スペイン万博公団も私も気合十分


 
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