一つひとつの絵は2~3cmのものから手の平大、どれも小さな絵です。その小さい、けれど分厚い木の画面に丁寧に描かれた風景は、彼女の視点から日常をスナップにとるような連続と断片シーンで構成されています。
Detail from
Chronicle of Daily Wanderings,
An Ongoing Project, and #3, 2003
Courtesy of White Columns and
Susanne Vielmetter Los Angeles Projects
Photo: Aya Harazono
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彼女が毎日運転するロサンジェルスを南北に走るフリーウェイと、東西に走るフリーウェイを各々上下、左右に並べ、彼女の行動地図になっています。絵のサイズは行き先との距離を表しているそうです。画面が大きくなると目的地に近付くといった具合に。
また運転しながら頭に浮かぶことも描いてあり、タイトルの『wanderings(さまよう)』は、行動だけでなく、頭の中の空想なども含めたwanderingsでもあるわけです。確かに動きながら、頭の中も常に何か考えたり思い出したりしていませんか?
典型的なロスの風景もこのサイズと絵のタッチでパーソナルな感じになっていて、誰もが思い描く風景とプライベートな風景との間には、はっきりした境界線があるわけではないのかもしれないです。
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