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日、町で歩道を歩いていたときの出来事。4、5歳の女の子が後ろから小走りに私を追い抜いていった。前方には赤信号の横断歩道。彼女の目の前を歩く大人が信号を無視して道路を渡った。彼女はそれについていこうとした。「!」 息を飲んだとき、私の後ろから母親が女の子の名前を叫ぶと、女の子は電気に打たれたように横断歩道の手前で立ち止まった。目の前を車が猛スピードで走り抜けた。間一髪。「信号が赤のときは渡っちゃいけないって言ったでしょう? 危ないことなのよ」 追いついた母親が、怒鳴りつけたい感情を抑えるようにしながら女の子を諭していた。そうしている間にも女の子と母親の脇を、スーツ姿の男性たちが二人の様子を興味深げに眺めながらも信号無視をして道路を渡っていく。母親に怒られながら、彼女の視線はその男性たちを追っていた。「いけないんだよ。あぶないのに。あの人たち、どうして?」 女の子はつぶやくようにそう言っていた。母親は苦しげに同じ言葉を繰り返すだけ。これもまた、現在の日本のカタチ。大人が少しも大人らしいところを子供に見せてやれない国。大人が身をもって子供に教えられるのはこうした「不信感」ばかりのような気がした。(ところでお前はホントに大丈夫かよ安蒜)

日のさまざまな場面で飲むお茶ってどんなものがありますか。朝の寝ぼけた頭を起こすために飲むコーヒーや、食後の温かいほうじ茶、友達と世間話をしながらのむミルクティーなど、お茶の種類こそ違えどそこにあるほっとした暖かい空気みたいなものはあまり変わらないような気がします。そこでわが「のらり」では、中国茶のコラムをリニューアル第1弾としてスタートしました。 執筆者は東京・築地で中国茶のお店を経営している戸恒慎司さん。マナーやスタイルなどあまり堅苦しいことは抜きにして、中国茶を気楽に楽しんでいただくためのコラムにできるよう試行錯誤の最中です。 家にある茶葉のなかに中国茶を加えてみてはいかがでしょうか。きっと「ほっとする空気」がまたひとつ増えそうな気がします。(志岐)


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