かお
杉山淳一
(すぎやま・じゅんいち)

1967年生まれ。信州大学経済学部卒業。株式会社アスキーにて7年間に渡りコンピュータ雑誌の広告営業を担当した後、1996年よりフリーライターとなる。PCゲーム、オンラインソフトの評価、大手PCメーカーのカタログ等で活躍中。

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第6回:プロゲーマーと"クラン"

 ほとんどのネットワーク対戦ゲームでは、インターネット上のゲームを選択する前に、"ロビーサーバー"に接続される。ロビー、つまり待ち合わせ場所につながり、ここで"チャット"と呼ばれる"文字による会話"でメッセージを交換して、対戦相手やチームの編成を決める。ネットワークゲームは黙々と遊ぶだけではなく、このような遊び仲間とのコミュニケーションも魅力となっている。ネットワークゲームユーザーのコミュニケーションを専用にサービスするホームページもあり、ここでゲームを選択すると、あらかじめ自分のパソコンにインストールされたゲームソフトが起動してゲームスタートする。

対戦ゲームのコミュニティでは、"強い奴がイチバン偉い"ことになる。誰もが強いプレイヤーに憧れ、気の合う仲間と切磋琢磨する。強い奴に憧れ、指導を受け、互いにアドバイスしあって、お互いに技術を高めあうのだ。このような仲間たちが結束して、チームを結成したものが"クラン"である。一匹狼でゲームに参戦したプレイヤーは、強さが認められ、名前が知れ渡ると、それに注目した"クラン"から声がかかる。誘いを断って一匹狼を選ぶプレイヤーもいるが、"クラン"に参加することで、より強い仲間に出あい、団体戦のチームを結成して、ライバルの"クラン"と戦うのだ。

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プロゲーマーを目指すものは、複数のゲームを触っておかなければ、スポンサー交渉の段階で障害が生じる(戦えるゲームが少なければ、より多くのゲームに出場できないからだ)。だから、現在俺はは2つのゲームに手を出している。『QUAKE3』と『CounterStrike』だ。

そして、ゲームごとに異なるクランに所属しているため、自分が所属するクランは2つだ。『DeadlyDrive』は、今年の1月1日に新たに旗揚げしたQUAKE3を主とするネットワークゲームクランである。リーダーは存在しないが、指揮をとるのは日本最強とも言われるプレイヤー『KRV』。このクランは彼を軸に活動している。

『DeadlyDrive』は4月に韓国のクランと戦った。この時の試合は通信環境の差を考慮して、ホームゲームを2回、アウェイゲームを2回、計4ゲーム戦った。しかし、我が『DeadlyDrive』は、すべてのゲームを相手に勝利され、完全な敗北を味わった。しかし、敗北を味わうことで、俺たちは日本と海外のレベルの差が大きいことをあらためて痛感した。

もうひとつの所属クラン『廃人軍団』は、日本最古のクランともいえる老舗だ。こちらも日本屈指のプレイヤーがいて、非常にスキルのあるクランだ。現在俺は、『WorldCyberGames』の日本代表枠を獲得すべく、『廃人軍団』の総帥『Kaf the Doomer』の下でも活動している。

『DeadlyDrive』略して『D2』は、もっとも有名なゲームQUAKEを主としているが、『廃人軍団』が力を入れている『CounterStrike』は、テロリスト対特殊部隊の戦闘という設定で、現在、世界的に大流行しているゲームだ。現在のネットゲーム界では、この2つのゲームが3Dシューティングゲームの主軸となっている。

自分は『CounterStrike』の世界に入るのが遅かったので、まだまだ『CounterStrike』のベテラン勢と比べると技量の差がハッキリ出る。しかし、これからどうやって自分の腕をあげるか? そして、チーム(即席チームでのプレイが一般サーバーでの状況)においてどれだけ貢献ができるか? などs突き詰めていく楽しさがある。これからの2大ゲームによる日本代表選考会で、どれだけの結果が残せるかが非常に楽しみである。

BRSRK

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有名な"クラン"に所属すること、そして"クラン"を有名にすることは、ゲーマーの誇りでもある。より強い、有名なクランとそのメンバーが、プロゲームリーグに参加するための最も近いポジションにいるといえる。

 

→ 第7回:ITは活きているか?


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