第904回:アメリカ人の法皇が選出されました
ローマカトリックの総本山バチカンで新しい法皇が決まり、それが2代続いてヨーロッパ以外の国から、前任者のフランシスはアルゼンチン人、今回のレオ14世はなんとアメリカはシカゴ出身ですので、アメリカのマスコミの騒ぐことと言ったらありません。野球のワールドシリーズ、アメリカンフットボールの決勝戦のスパーボール並みに法皇就任式を実況中継したのです。
現在まで265人の法皇がいましたが、前回、今回とヨーロッパ以外の国から選出されたことは大事件のように報道されたのです。
何と言ってもお国自慢大好き国民のアメリカですから、法皇になったロバート・フランシス・プレヴォスト少年が育ったシカゴ郊外の小さな家、通った学校などが派手に紹介され、同級生の談話が手を変え品を変えて報道されました。でも、彼は主にペルーで活躍し、しかもペルーの国籍も持っているのです。
彼がコンクラーベで選出されたことは、アメリカだけでなく世界に衝撃的なインパクトを与えました。と言うのは、下馬評に上がっていた候補6人の中に彼は入っておらず、しかも69歳とうい若さ?だったからです。しかし、どうして法皇は大股でツカツカと歩まず、オゴソカと言えば聞こえはいいのですが、ノタノタ、ヨロヨロ、静々と歩む傾向があるようですが、まだ70歳前のレオ14世はフツーに歩けるでしょうし、声も震えておらず、当分長持ちしそうです。
アメリカにカトリック信者は5,300万人います(2025年調べ)。それは全人口の24%に当たります。予想外にカトリック信者が多いのは中南米からの移住者が年々増えているせいでしょうか。世界に13億人もの信者がいますから、その影響力の大きさは絶大だと言ってもいいでしょう。
白いワイシャツにネクタイ、スッキリと刈り上げた頭髪の二人組が街中で目立つモルモン教徒は、中西部に大きなテンプルと呼ぶ教会がある割には、アメリカ全体で見ると少なく2%しかいません。
私たちが長年住んだスペインでは、自分自身がカトリックだと規定している人が70%もいるのは驚きです。と言うのは、私が知っているスペイン人、主に同世代の若者(昔の話しです!)が、日曜日にミサに行っている人は誰もいませんでした。両親もどれほど教会に足を踏み入れているのか、疑問です。ですが、伝統、習慣に従い、自分はカトリック教徒だと自認しているのでしょうね。
チャーチゴアー(churchgoer;教会に定期的に通う人)となると、スペインではかなり低い数字なるでしょう。
私が幼少の頃、両親に半ば強制されるように毎日曜日、サービスが始まる1時間ほど前に子供のための聖書の勉強会に行き、それから、長いサービスがあり、水曜日の夕方にお祈りサービスがあり、他にも何のかんのと生活自体のリズムは教会が取り仕切っていたような感さえありました。
このようにアメリアのチャーチゴアーはクソ真面目に教会に打ち込むのです。おそらく、チャーチゴアーの比率はアメリカが群を抜いて高いでしょう。それがアメリカ保守の土壌をカタチ造っているのです。
私の親友はカトリックでしたが、彼女はカトリックというだけで随分偏見を抱かれ、いじめにさえ遭ったと告白しています。一昔前のアメリカでは、カトリック=ラテン系かアイルランド系、そして子沢山、貧しく教養がないといった偏見を抱いていました。そして、彼女がカトリックを離れ、捨てるのはとんでもなく大変なことで、両親を深く傷つける事態だったと言っています。
私も全く無神論者のダンナさんに会う前に、代々続いていたコミュニティ・オブ・クラスト教会に行かなくなってはいましたが、ダンナさんの出現で決定的に教会から離れたのでした。
中世にローマンカトリックが行った残忍な十字軍を容認する信者、神父さんはとても少ないでしょうし、ナチスと癒着していたカトリック教会のあり方を批判的に見ている関係者は多いことでしょう。
アメリカでは子供たちに対する神父、司祭のセクシャル・ハラストメントは、カトリック教会の土台を揺るがすほどの大事件でした。レオ14世、新法王は、常にハラストメントを行った教会関係者に対し、厳しい態度に徹していましたし、子供たちの保護、リハビリに力を注いできました。
トランプとプーチンに法皇が平和を呼びかるのは、ツンボと脳に障害のある子供に呼びかけているようにも思えますが、それでも世界に聞く耳を持ったカトリック信者がいるでしょうから、ほんの僅かなことでしょうけど、意味があるのかもしれませね。
レオ14世が長く生き、世界平和に少しでも役立つことを願っています。
-…つづく
第905回:忖度と自主規制 、そして報道管制へ
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