坂本由起子
(さかもと・ゆきこ)

マーケティングの仕事に携わったあと結婚退社。その後数年間の海外生活を経験。地球をゴミだらけにしないためにも、自分にとって価値のあるものを探し出したいと日々願う主婦。東京在住。

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第18回:邂逅。電動歯ブラシ

年末年始。おいしい物を食べる幸せと引き替えに、身体が重くなってしまった。おいしい物をおいしく食べるためには歯が健康でなくては。これは8年前のお正月に歯科医に駆け込んだ苦い経験からきている。

大人になって、特にアメリカで暮らすようになってから目覚めたもののひとつに歯磨きがある。日本ではさほど気にしていなかった歯の健康や美しさだが、アメリカでは誰もが気にしていることで、会社も歯科医に行くことを優先させてくれるという。

日本より10年は進んでいると言われるアメリカのデンタルケア。見たこともないようなデザインの歯ブラシやデンタルフロス、日本ではまだ売られていないホワイトニング用のブリーチ…。その種類の多さに迷っいながらも、毎回違う製品を買ってみては試していた。良いものもあれば、さほどでもないものもある。けれど、どうやら問題は私の歯並びと磨き方にあるようだった。そして、とうとう恐れていたことが起きたのだ。親知らずが虫歯になっていたのだ。痛みに耐えられず、すぐ抜いてもらったが、これがきっかけで歯科医に通うことにる。やはりきちんと歯が磨けていないところがあって、それが原因で歯茎も弱っていた。一番怖いのは虫歯より歯周病だと教えられる。これは毎日のケア意外に予防方法はないのだ。

ちょうどその頃、テレビCMや広告で盛んに宣伝していた音波歯ブラシが注目を集めていた。中でもPHILIPS社のsonicare(ソニッケアー)の評判がいい。私の周りでも使い始める人が確実に増えていたのだった。使った人は声を揃えて「すごくいい。使うべきだ。」と言う。うーん…そんなにいいなら使ってみたい。でも今までの電動歯ブラシとの違いは何なのか?そんな疑問もあって、さっそくお店へ駆け込んだ。

一番のセールスポイントは、1分間に31,000回という音波領域の超高速振動。それは今までの電動歯ブラシの約5倍の振動数。手磨きだと1分間にせいぜい50回位と言うからこの回数を聞いただけでも凄そうだ。事実、手磨きより約90%も多く歯垢を取り除くことができるという。しかも音波は毛先の2~3ミリ先まで届くので、歯ブラシが届かないところまで磨けるのだ。家庭用の音波歯ブラシでは世界初。アメリカでは医療品として認められたほどの実力の持ち主。ちょうどセール中だったこともあり、迷わずコレに決めた。

生まれて初めて電動歯ブラシを口にする。くすぐったいような、しびれるような感じで口から泡があふれ出た。でもこれはすぐに慣れた。そして皆が薦めるだけのことはある。一回使っただけで、歯がツルツルになるのだ。しかもたった2分で。30秒ごとにプーという音がでるので、歯を4カ所(左右、上下)に区切って効率よく磨ける。初めは30秒×4回では時間が足りなくて、磨ききれずにもう一度磨き直していたのだが、だんだんコツが分かってくると時間内にピタリと終わる。それがちょっとした楽しみになった。

コーヒーやお茶、赤ワインを飲んだときの歯の汚れが気になっていたのだが、この歯ブラシを使い始めてからは元の白さに戻っている気がする。歯がキレイになると食事で歯を汚すのがもったいない。そうだ、ダイエットも兼ねてお腹がすいたら歯磨きしよう。とりあえず明日から……。

 

→ 第19回:一緒に歳をとろう


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