第455回:結婚しない人たち
アメリカで結婚しない人がとても増えています。と書いてから、ウチのダンナさんの甥っ子、姪っ子6人いる中、50パーセント、3人が40代になっても独身ですから、アメリカだけの現象とも言えないのかも知れません。私の甥っ子は3人とも20代後半、30代の前半ですから、これから可能性はありますが、3人とも独身で結婚する気配はまったく見せません。一人、一番上の甥っ子はもうかれこれ6、7年も同棲しているから、結婚しているようなものかもしれませんが…。
私の同級生でも、一度も結婚したことがない人が何人もいます。彼女ら、彼らは、とてもインテリでプロのプロたる職業についているので、経済的に独立し、独身貴族、老貴族?の生活を満喫していますから、何を今更、面倒な連れ合いなど必要ない…と思っているのでしょう。
アメリカで一度も結婚したことがない成人が20%にもなりました。1960年にアメリカの成人の78%は結婚していましたが、今では(2014年の統計)、48%しか結婚していません。ですから、合法的に結婚できる歳、16歳以上の人、1億2,460万人が独身だという勘定になります。
ニューヨーク大学のエリック・クライネンブルグ(Pro. Eric Klinenberg)教授は、「ここ60年間で、結婚感がこれほど変わった時期はない」と言っています。
通俗小説やハリウッドのハッピーエンドを売り物にした物語は、一昔前ですと、カップルが紆余曲折を経て、最後に結ばれ、めでたしめでたしで終わったものですが、そんなパターンを踏む人生を送る人が少数派になってきているのです。
社会学的にどうこう言えるほど私に見識はありませんが、確実なことは、女性が男性に頼らなくても生きていけるようになってきたことが大きな要因であることは確かでしょう。それに伴い、世間も独身者を自然に受け入れるようになってきたのでしょう。ほんの20年前には、結婚してやっと一人前、イロイロなパーティーや集まりにも夫婦一対で一つの単位という見方が当たり前でしたが、今では個々の人格を一人ひとり認めるようになってきたと思います。
私の同級生(女性です)の場合、一人は航空会社のエライさんであるだけではなく、地元のコミュニティー活動も積極的にこなし、読書量も大変なものですし、彼女と同等かそれ以上のインテリを探すのは難しいでしょう。もう一人も地元の尊敬を集め、小さな町の町長を買って出ているくらいですから、彼女と対等に会話できる男性を見つけるのは至難の業…なのでしょう。
どうも、女性が偉くなりすぎた弊害?が出ているようなのです。と言ってしまってから、私自身が全然偉くないから、早々と変な日本人と結婚できたのかな…と思い始めました。
彼女らのように、一度も結婚したことがない独身女性は、「何のために結婚するの…。一緒に暮らせば必ず、嫌な面も見えてきて、ウットウシクなるのは目に見えているし、自分を殺さなければならないことが多くなるでしょう。何のために結婚するのか、納得できる理由が見つからない」とか言うのです。でも、恋愛感情というのは、そんな理屈で割り切れるものではないと思うのですが。
もう何年も結婚せずに同棲している私の甥っ子は、「このままで、何も不都合がないから…」と言っています。彼女の両親も、ナシクズシ的にでしょうけど、同棲を認め、クリスマスやサンクスギビングなどの家族の集まりにもカップルとして出ています。
ウチのダンナさんは、「ソリャー、社会学的にはいろんな理由を付けられるけど、人間は動物だから、生物学的にツガウのが自然な成り行きで、そのようにできている。精神的なバランスも、異性と暮らすことで安定するものだ。それに子孫を作らない、残さない行為のあり方は、言ってみれば種を絶滅に導くようなことは、生物界では不道徳とされるんではなかったかな」と、生物、動物学から観た独身批判をしています。
と、偉そうなことを言っていますが、私たち夫婦にも子供がなく、これも生物学的には不道徳な関係ということになるのかしら。
第456回:夫婦者は長生きする?!
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