第456回:夫婦者は長生きする?!
先週、アメリカにハビコル独身者、独り者のことを書きましたが、その途中でイロイロ寄り道をして調べたところ(横道に逸れて調べるのはナカナカ楽しいことなのですが…)、一人で優雅に暮らしているツケがはっきりと寿命にまで回っている調査結果を見付けました。
ウチのダンナさんの言うような生物学的?見地からではありませんが、結果としてはっきりと差がついているのです。
離婚したり、一人で暮らしている女性が、心臓発作、心筋梗塞などに陥る確立は、結婚している人の2倍だと言うのです。これはミシガン大学の1,300人を対象に行った調査です。当然のことですが、夫婦間に問題があり、犬も食わないにしろ喧嘩ばかりしているカップルの旦那さんの方の血圧は異常に高くなり、その割りに奥さんの方の血圧には変化が少ないと、なんともまた男女間の神経の太さの違いと言ってよいのか、男どもが夫婦喧嘩の後まで意外とウジウジと思い悩んでいるからなのか、いつも奥さんにやり込められ、ストレスが内向しているのか、男女の差が明らかに出ています。
また、たとえ結婚していても、夫婦の関係がとても健全なカップルより、派手な喧嘩こそしないけど、マンネリ化し否定的な方向に傾いているカップルでは、当然ですが、心臓病になる確率は8.5パーセント高いと、こちらの調査はブリガミ・ヤング大学が行っています。
心臓に大いに関係のある体重の方はと見たところ、スイスで1万人を対象に行った調査では、結婚している人の方が平均2キロ重いと出ています。日本、ヨーロッパ人と超デブ国家のアメリカでは、事情がかなり違うでしょうけど、結婚している人が2キロ体重が重いにもかかわらず、心臓病が少ない…というのは、どうも健康に心理的な要因が占める割合が高いと言ってよいのかもしれません。
もっと恐ろしい統計が出ています。心臓病になり、そこから回復する確率は、夫婦者の方が40%も独身者より高いというのです。これはペンシルバニア大学の調査です。考えてみるまでもなく、心臓病で入院、もしくは自宅療養をしていて、常に看病してくれる連れ合いがいるかいないかで、結果に大きな違いが出てくるのは当然でしょうね。
心臓病だけでなく、リハビリが必要な病気では、同伴者の存在がとても大きな比重を占めている…のは当たり前です。それは、たとえ医療システムや介護が行き届いていたにしろ、同伴者にとって変われるものではないようなのです。
しかし、それ以前に結婚、同棲に踏み切れない独り者に、もちろんその人が住んでいる社会的条件もあるでしょうけど、人間の最小単位である家族や大人になってからの夫婦間での自己犠牲とまで言うと大げさですが、他人を受け入れ、人のために何かをしてあげる心理が育っていないように思えます。
気ままに自由に暮らすのは、一見幸せそうに見えますが、人間は他の人、旦那さん、奥さん、子供たち、友達になんらの見返りを期待せず何かをしてあげることで、本人も大きな喜びと精神の安定を得ていると思うのです。それが、結果として、心臓病になりにくく、かつ回復しやすい環境を作り上げているのではなかしら。
老齢の私より相当老齢で、もうそろそろ後期高齢者の仲間入りをするウチのダンナさん、「オオ、良いこと言うね~、これからオメー、俺にもっと尽くして、精神の喜びと安定を得たほうが良いんじゃないか」と横で言っていますが、そんなこと、一方通行では成り立ちませんからね。
それに加えて、「ある程度、緊張感を持った関係の方が老化しない…」という調査結果はどこにもありませんが、私は勝手にそう信じています。
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