Cardenas Wine Guild
会員心得

  1. ワインに興味がある人
  2. だけど通ぶらない人
  3. 飲・食・話が好きな人

バックナンバー

今回のワイン

Tablas Blanc 1999

Tablas Rouge 1998

Tablas Creek Vineyard

ジャン・ピエール・ペランとロバート・ハースによるジョイントベンチャーとして1989年に誕生したワイナリー。

 

 

 

第1回:カーディナスにようこそ

僕の「カーディナス」というレストランについて語る前に、名前の由来となったトム・カーディナスという人物についてふれてみたいと思います。

トム・カーディナス──彼はロサンゼルスでもっともホットなレストラン・プロデューサーで、「SUSHI-ROKU(すし六)」というレストランをLAで3件、兄のマイケルとともに経営しています。 僕が彼のもとで働いていたとき、毎日のように「これぞカリフォルニア」という、目に見えないメッセージを肌で感じていました。

ダイナミックでまっすぐな人柄、そして常にエネルギッシュな彼の仕事スタイルのベースには、お客さまに「よりハッピーな人生」を楽しんでもらうために、レストランは何ができるか追求する、という哲学があります。僕も、底抜けに明るい笑顔でお客さまと接し、店に来ていただいたお客さまにとって「スペシャルな日」となるような接客を学びながら、自分のやるべきことが見えてきたのです。

日本に帰ってきて「カーディナス」を立ち上げてからは、従業員とともにお客様へのアプローチの幅を広げる作戦に試行錯誤しました。テーブルの雰囲気を感じ取り、臨機応変に対応する。僕たちの役割は、お客さまに気持ち良く帰っていただくためのストーリー作りのようなものだと思います。このコラムもそんな努力のひとつ。カリフォルニアワインの良さを広めたいという気持ちがきっかけとなりました。

さて、記念すべき第1回目のワイン遊びの会を4月17日に開催しました。メンバーは、最初なので、口コミで集まった20~30代の男女7名+シノワのソムリエの竹内、そして店長の僕。

今回選んだのは「Tablas Creek Vineyard」の赤と白。

通常、こうしたワイン会というと、シャルドネかカベルネで合わせるのが無難ですが、知名度の低いブレンドワインを2種類もってきました。1回目なので、あえて意外性で勝負。

人工衛星を使ってワイン作りに適した土壌を探し出そうとしたりする現在でも、ブレンドする品種の割合は「ワインメーカー」という人の舌によって決められます。この「タブラスクリーク」も、5種類のぶどうの個性が絶妙のバランスで混ざって、スパークリングワインのような華やかさと軽さ、そして程よい甘さがマッチしています。一方の赤は、ふくよかで力強い中にも玄人受けする個性が光るワインです。

「カーディナス」は、フレンチシノワ、つまりフランス料理をベースに中国風のアレンジを加えた創作料理を得意としており、新鮮なシーフードをメインとした料理の数々には定評があります。今回のワインに合わせた料理は、牡蠣をカレー風味でソテーしてソースをあしらったもの。スパイシーな香りが食欲を刺激します。蒸したチキンのサラダ、春巻に続き、マグロを巻いてフライにしたものをウニのソースで召し上がっていただきました。このソースはカリフォルニアでも大人気のメニュー。ただ、日本人用にあっさりした味に作ってあるので、まぐろとウニの意外な取り合わせに満足していただけると思います。この日は、他にもトマトベースのかにリゾット、リブアイステーキの中華ソース添えなど、さまざまな料理とワインの絶妙な組み合わせを提供させていただきました。

お客さまにとっての思い出作りが僕たちの仕事。レストランに来ていただくからには、お客さまにとって今日という日が特別なものであってほしい。また、そんな気がなくても特別な気分にさせる、王様にしてしまう、そんな魔法使いみたいなことをやりたいですね。

片山 究

Kiwamu Katayama

http://www.cardenas.co.jp

※ワインの夜会およびCardenas Wine Guildの募集はすべて終了していますので、ご了承ください。

第2回予告「5月開催の夜会はロバート・モンダビ」

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