第45回:しつけとけんかの微妙なちがい
更新日2002/09/26
最近、ボディボードにはまっている。湘南に腰を落ち着けた時から、目の前に広がる海にぷかぷかういているサーファーを見ながら、「気持ちよさそうだなあ」と思っていた。一度だけサーフィンのロングボードに乗ったことがあって、波に乗れた時、「あ~、はまる人の気持ちがよおくわかる!!」と思った。
けれども、こればっかりは一人で始める勇気もなくなんとなく日を過ごしていた。
ある日、環の同級生のお母さんと話していた時に、「サーフィンかボディボードを始めたいんだよね」と言うと、「あら!じゃあ、一緒にやる?」よく聞いてみると、母親仲間でボディボードをしている、というのだ。渡りに舟とはこのことで、早速始めた。
気持ち良いんだよね。やっぱり。波に乗れなくても、海にぷかぷか浮いているだけで、リラックスできる。海の上ではひとりなので、子供から解放されるひとときである。
海に出る時はみんな下の子を連れて行って、交代で海に入ったり、浜で子供を見ていたりする。そして、自然に子供の話になる。
いつも一緒に行く人は上の子供の小学校の同級生のお母さん達。言うことをきかない元気いっぱいの女の子達の母親である。
私が切り出す。「昨日もねえ、たまきとふみが凄まじいけんかをしたのよ。単なるものの取り合いなんだけど、ふみも引かないけど、たまきがねえ、もうちょっとお姉さんになってくれないかと思っちゃう。もう大音響で騒ぎまくって、うんざりよ。思わず、『まま、家出する!!』って言っちゃった」すると、その場にいた3人が「わかる!わかる!!」そして、小学校3年、1年、3歳と3人の母が「1年生でも大変だけど、3年になるともっと大変よ。だんだん子供と親というより女同士の戦いって感じになってきて、毎日けんかよ、けんか。あ! けんかじゃないわね、失礼。しつけ」と言ったので、みんな大爆笑してしまった。
そうなのだ。私も毎日、しつけではなく本当に腹を立てているのだ。自分が腹を立ててしまって、声を荒げても私が腹を立てていることなど、子供には当然筒抜けで私の言っていることも余り伝わってはいないのだろう。とは思うがどうしようもないのだ。
そう言えば最近、マスコミでも子供を「叱る」より「怒る」と書かれていることが多いような気がする。でも、この2つの言葉はずいぶん違うのだ。「叱る」とは、親の頭の中は冷静で子供にいけないことを教えるということで、「怒る」のは親の頭の中は「キレて」いるのだ。
アメリカにいた時も、プレイグループの仲間内でよくこの話をした。しつけ=disciplineで、怒る=upsetであった。そして、disciplineではなく、upsetして子供を怒鳴った時は、本当に後悔するよね、ということで合意したのだ。それが、かれこれ4年前。そして、今。やっぱり毎日後悔しているのだ。「ああ、どうして声を荒げちゃったのかな」と。
明日から、怒らないで、叱る努力をしよう。。。努力をするようがんばろう!
→ 第46回:本当のアメリカの個人主義