坂本由起子
(さかもと・ゆきこ)

マーケティングの仕事に携わったあと結婚退社。その後数年間の海外生活を経験。地球をゴミだらけにしないためにも、自分にとって価値のあるものを探し出したいと日々願う主婦。東京在住。

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第21回:ふっくらご飯を炊く秘訣はIHにあり

今年は桜の開花が記録的に早いらしい。いつのまにか、もう春。確かに街のあちこちでは、新生活の準備をしている人たちをターゲットにしたセールや、お得なセット商品をよく見かける。

私が新生活を始めた12年前は、こんな商品は売っていなかったなぁと感心しながら眺めつつ、当時買った炊飯器がもう寿命を迎えていることがふと頭をよぎった。困ったことに、蓋を開けるボタンが壊れてしまって、突然ポンッと蓋が開いてしまうのだ。それでも使えていたので、なんとなく買うタイミングを今まで逃していた。

この10年ほどの間、炊飯器は飛躍的にその性能を伸ばしていた。たとえブランド米を買ったところで、炊飯器でその味が左右されてしまうかもしれないのだ。逆に言えば、普通のお米でも炊飯器でおいしくご飯が炊けるかもしれない。あぁ、おいしいご飯が食べたい。おいしいお米の真価を発揮させてみたい。その思いは日に日に強くなっていた。タイミングが良かった。いつも利用している量販店のポイントがたいぶたまっていたのだ。このポイントを使ってしまおう。さっそく炊飯器を購入することに決めた。

最近の主流といえば、IH炊飯器。IHとはInduction Heating(インダクション・ヒーティング=電磁誘導加熱)の略で、文字通り磁力を使って発熱させる方法のこと。今までのマイコン炊飯器が、単に底のヒーターの熱でご飯を炊いていたのに対して、IH炊飯器はコイルから発生する磁力によって内釜自体が熱くなり、釜戸で炊いたようなふっくらご飯ができるという。IH炊飯器の登場から10年あまり。マイコン炊飯器に比べたら高額な商品にもかかわらず、家庭への普及率はおよそ50%にも昇るというから驚く。やはり、ご飯に一番うるさいのは日本人なのかもしれない。

さて、IH炊飯器を買いに、いざ量販店へ。機種はとりあえず店頭で見てから決めればいいと思ったのが甘かった。最近ではますます機能がアップして、圧力をかけてより高温で炊きあげる圧力IH、上下左右から発熱する全面IH、超音波で炊きあげるIHなんてのがある。IH初心者の私にはこの違いがわかりづらい。

そうだ、メーカーで決めよう。大きく分けると、家電メーカ製と湯沸かしポットや炊飯器のメーカー製の2つに分けられそうだ。以前使っていた炊飯器は後者の方だった。個人的には、様々な家電を作っているメーカーより炊飯器やポットをメインに作っているメーカーの方に信頼を寄せている。もし苦情が出るような製品を作ってしまったら、それこそ会社の命取りにもなりかねないと思うからなのだが……。そんなわけで、象印社製の圧力IH炊飯器を購入することにした。

家に帰り、さっそくご飯を炊いてみる。当たり前のことなのだが、普通のご飯が炊けていて、ちょっと拍子抜けした。あまりにも期待しすぎたせいなのかと思ったが、どうやらマニュアルを読まなかったのがいけなかったようだ。高性能の家電を使いこなすには、やはりマニュアルどおりにしなければ。

なるほど。2回目以降はもっとおいしく炊けるようになった。炊きたてのおいしいご飯はなによりのごちそうだ。このおいしいご飯でおにぎりを作って、今年こそはお花見に行きたいものである。

 

→ 最終回:犬との生活


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