第18回:ブラジル話あらかると
更新日2005/08/04
こんにちは、めだかです。
8月と言えばニホンは夏休みの真っ最中だけど、ここパラーは7月が夏休みなので、もう新学期も始まり、人々は職場に戻り、すっかり通常モードになっている。それはわかってるんだけど、こっちはまだ休みボケ状態で、ポルトガル語でいうところの"estou
com preguica"な気分。preguicaとは動物のナマケモノのことで、つまり「何にもやる気が起きない」ということ。というわけで(?)今回は細かい話を2、3並べてみました。
アマゾン奥地に住む人の家で飼われていたナマケモノの親子。
赤ちゃんがお腹にしがみついてるのわかる?。
人を呼ぶ方法(1)
たとえば店で少し離れたところにいる店員を呼びたいとき、あるいはレストラン(高級店は除く)で注文を取りに来てほしいとき、「すみませ~ん」と声をかける代わりに、こちらでは唇を使って「ピスゥー」という音を発する。店員がお客を呼ぶときに使うこともあるし、ふつうの人同士でもよくこうやって誰かを呼んでいる。
これには最初ちょっと抵抗があった。自分がやられると犬にでもなった気分。「ピスゥー。お客さん、レシート忘れてますよ」、「ピスゥー。このバスは○○に行くかしら?」という具合。でもまぁ、もう慣れた。それに混雑してガヤガヤした場所でもこの「ピスゥー」はかなり遠くまで届くので便利なのだ。と言っても実際に自分でやってみるとなかなか難しい。ブラジル人のように鋭い音にならず、「ぷしゅぅぅ」のような情けない音になってしまい、誰の耳にも届いてくれない。まだまだ修行が足りないなー。
人を呼ぶ方法(2)
誰かの家を訪ねて行って、もし呼び鈴が見当たらない場合、「ごめんくださ~い」と声をかける代わりに、こちらでは「パンパンパン」と両手を大きくたたく。これも最初に見たときは不思議な感じがした。だってニホンで両手をたたいて呼ぶものといったら池の鯉くらいでしょう。そうして水面に顔を出したところでエサをやる。…てな話をこっちの友だちに話したら「え、魚を呼ぶの?」と反対に妙な顔をされてしまったけど。
ちなみに人じゃないけど、猫の呼び方も違う。道端に可愛い猫がいたので、いわゆるねず鳴きで「チュッチュッ」と呼んでいたら、「それは犬の呼び方だよ。猫はこう呼ぶの」と言って「ピシピシ」と声をかけていた。確かにその方が猫の反応がいい。これは簡単だし、その後愛用している。
うちの居候の親子猫。いつも「ピシピシ」呼んでいる。
レストランにて
レストランにカップルで行ったときのテーブルの座り方。ニホンだとまぁふつうは向かい合って、もしくは90度の角度で座るでしょ。そういう場合、ブラジルでは圧倒的にテーブルの片側に並んで座るケースが多い。店側が最初からそういう風に席を設定している場合もあるし、そうでなければお客の方で勝手にイスを並べて仲良く座っている。それだけアツアツのカップルがたくさんいるってことなのかしら。
ところで食事の際に利用するのはフォークとナイフ。みんな子どもの頃から使っているからもちろん巧みで、箸文化の我々としてはなかなか分が悪いんだけど、あれ?
でもなんかヘン。と思ってよく見てみると、どうやらフォークを右にナイフを左に持っている人が多いのだ。左手にフォークってのが正式だと思ってたけど…。でも観察しているとフォークが右の方がずいぶん食べやすそう。ご飯でもおかずでも右手でラクにすくって口に入れられるし、かえって合理的かもしれない。マナーについてもこのゆるい感じがブラジルだなぁと感心している。
ベレンのウォーターフロント。川沿いの小洒落たレストラン。
というわけで、脈絡もまとまりもないけど、今回はこの辺で…。次回からちゃんと通常モードに戻ります。
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