第865回:オリンピック賛歌 その2
オリンピックのアマチュアイズムはとうの昔に掻き消されてしまい、プロ、アマ、ステイトアマの区別がなくなったのは、それはそれでスッキリしました。プロアマの境界線を打ち壊してくれたのは元共産圏の国々、とりわけソヴィエト(ロシア)のおかげです。ステイトアマという呼び名があるほど、彼の国では国威を発揮した選手の身分が保証され、上層クラスに入ることができましたから、スポーツ選手になりメダルを取ることだけが使命でした。それはアマチュアではない、ステイトプロだ、それならいっそのこと、プロアマの壁を崩し、なくしてしまえと共産圏のステイトアマに主にアメリカが対抗し、大金を稼ぐプロも参加できるようにしたことのようです。
それにしても、バスケットボールにアメリカのプロ中のプロ、大金を稼いでいるNBAのスタープレイヤーでチームを組んでいるのは、どうにも納得できません。彼らは観光気分で常に30~50もの差で勝ち続けているのです。どうしてサッカーのように、年齢でスパッと切れないのでしょうか。22歳以下とすれば、もっと面白くなるのは確実です。
これはウチのダンナさんのご意見、見識ですが、女性の選手、100%脇毛だけでなく、足、太ももまで剃りあげている、スポーツウーマンなら一人や二人、わさっと脇毛を生やしているフェミニスト、ナチュラリスト選手がいても良いと思う…と言うのです。フェミニズムが聴いて呆れると言うのです。
それとイレズミ、刺青をしている選手が多いのには驚かされます。アメリカでは入れ墨は市民権を得ており、私の90歳ならんという叔母さん、従兄弟たちも入れています。それにしても、オリンピックの選手たちの入れ墨はこれでもかというくらい、他人に見てもらうためのようで、全く美しくなく、正直言って汚らしく、醜いものばかりです。日本の彫り師さんは、アメリカ、ヨーロッパに支店を開き、全身に調和のとれた唐草モンモンとか、登り鯉を彫ってあげてはどうでしょうか。
それに、陸上競技、特に短距離走者の化粧、メイクアップのケバケバしさ、あれはなんでしょう。ツケマツゲを付けるのが当たり前というのか、まるで義務のようにさえ見えます。そして、マニキュアを色とりどりに施し、3、4センチも伸ばした爪、加えてヘアーメイクの派手派手しさ、これは明らかに、テレビで自分の姿が大写しになることを意識しているのでしょう。何だか、スポーツ化粧、ユニホーム、シューズのファッションショーのようです。
さすがにアーティスティックスイミング(旧シンクロナイズドスイミング)の女性群は、誰も入れ墨を入れていないようですが、水に濡れても落ちない化粧をべっとり塗りたくり、本当の顔を隠してしまっています。それにしても、あの超ハイレグの過激な水着、前の方は辛うじてデルタ地帯が隠れているだけのコスチュームを見てダンナさん、「オイ、あいつら股の毛も剃っているのかな…」とつぶやいていました。一体この人、何を観ているのかしら。そう言えば、どうして男性のアーティスティックスイミングが競技種目にないのでしょうか。女性の観客の目を楽しませるため、胸毛、脇毛、もっそりと濃い毛に覆われた逞しい脚を水面から突き出すのは見ものだと思うのですが…。
あらゆるスポーツにおいて、とりわけアメリカの選手では、黒人抜きにして考えられません。短距離の決勝レースでは8人の走者が全員黒人ということも珍しくありません。ところが、アメリカのバレーボールチームは背高ノッポの白人ばかりで、黒人が一人もいないことに気が付きました。バスケットボールの選手が90%黒人なのとは対照的です。この違いはバスケットはプロになり、NBAの選手になれば巨額のお金を稼ぐことができる、ハングリースポーツだからでしょう。バレーボール選手にはそんな道は開けていません。そう言えば、水泳にも黒人が極端に少ないことに気が付きました。
陸上競技でも1,500m以上、3,000m、5,000m、10,000m、マラソンとなると、アメリカの黒人はガックと減り、白人ばかりになってしまいます。どうもアメリカのスポーツには色分けがあるようなのです。代わりに、アフリカ系の選手が長距離を圧倒しています。彼ら、彼女らの長くて細く、しかもしなやかでかつバネのある走りはため息が出るほどの美しさです。まるでカモシカ、アンテロープが草原を走り抜けているかのようです。そして、最後の一周でのラストスパートはただただ感嘆するだけです。
ダンナさん、「あいつら、あんな風にアフリカの高原を走り回っているのかな~、ありゃ人間ワザじゃないな~、ひょっとして彼らにカモシカの血が混ざっているのではないか。これじゃ、足の長さが彼らの半分しかない我が同胞が勝てるわけないよな~。頑丈な丈夫一点張りの短足が有利な競技、スポーツはないのかな~」と呟いていました。
もう一つ、大きな問題は男女の性です。生まれながら両性類のような可哀相な人がいるのは認めても、オリンピックに出るため、メダルを獲得するために男性が女性に性転換している、またはそう疑われてもしょうがない元男性の女性選手がいることです。
これは厳格に線を引くべきで、たとえオリンピック参加時点で生化学、生物学的に女性であっても、過去に手術をし、ホルモン剤の治療を受けている性転換した者は除外するべきでしょう。それとも、IOCが男女別の競技に、もう一つ中性クラス、性転換クラスを設けるかしか解決の方法はありません。
天が授けた性別を本人の意思で変えるのは、何と言っても不自然なことだと思うのです。それが、スポーツで勝つために、元々男性の中では三流の成績しか上げられない選手が女性になれば、トップクラスになれるというので、性転換するのが間違っていると思いませんか。
私たちは、持って生まれた条件の下で懸命に生きるしかないのですから…。
-…つづく
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