第373回:日本女性の顔と声の話
私たちの人生で……と、大上段に構えてもいいと思いますが、初めて本当に映るテレビ、しかも超大型の液晶ですよ…、それが部屋にデンと居座ることになりました。当初、そんなに観るわけでなし、大きすぎるし、邪魔だなと思っていましたが、あればつい見てしまうのがテレビです。ダンナさんは仙人の肩書を投げ捨て、夜と昼がひっくり返るような日課でサッカー・ワールドカップを堪能していましたし、私も大相撲名古屋場所を存分に楽しみました。
ニュース番組も見ます。ついでにリモートコントロールでチャカチャカ、他のチャンネルも覗きます。バラエティーショーというのかしら、ひな壇にゲストが並ぶ番組、マジメに一つの番組全部を通して観たことがないので偉そうなことは言えませんが、バックの飾り付けというのでしょうか、ひな壇の後ろの舞台装置のドギツサ、ハデハデしさは醜悪と呼んでも良いくらいで、呆れました。
そしてどの番組でもゴテゴテのハデハデ、キンキラキンを至上命令にしているかのようなのです。ニュース番組ですら、バックに邪魔な大きな前衛的な生け花とか、セットみえみえの和風拵えにしたりで、日本の床の間に見るような、スッキリとした空間芸術の影はどこにもないのです。
毎日、テレビを観ている人はもう馴らされていて、ゴテゴテ飾りのバックに何も感じなくなっているのかもしれませんね。日本のテレビのバックに近いゴテゴテ、キンキラは私の目には、香港あたりの繁華街的に見えます。
ウチのダンナさんによれば、ハデハデ、キンキラこそ日本の伝統で、わびさびなんぞ外国人向けに捏造されたイメージだ…ということになります。パチンコ屋さんの内装、機械の中にこそ、日本の本来の姿がある…と言っていますが、どんなもんでしょうか?
テレビの女性アナウサー、キャスターたちのことです。
まず、顔が小さくなり、揃いもそろって目がパッチリと多くなり、皆が皆、小学生のピアノの発表会に着るようなチャラチャラした衣装で登場するのにはビックリさせられました。それも20代後半から30代、40代の立派にプロの仕事をこなすような年齢、職業の人まで、まるでウチのダンナさんの9歳になる姪っ子から借りてきたような服装なのです。アメリカなら精神状態を疑われかねません。
どうも、日本のある種の女性、このような種がたくさんいるようなのですが、は大人になりたくない、いつまでも幼児でいたい、カワイイと言われたい、思われたい、いわばディズニーを卒業できない心理に止まっているのでしょうか。
ついでに、言わせてもらえば、あの話し方、キンキンと高い声で甘えるような話し方はどうにかならないものでしょうか。日本の男性の声は低く、抑制が効いていてとても立派なのですが。男性に点数が甘いんじゃない? などと言わないでください。元日本人男性らしきうちのダンナさんも女性のキンキラ声に耳を塞いでいました。
人類は進化しています。
戦後の日本人の体格は生活様式、畳から椅子になり、食べ物も変わり、身長も著しく伸びました。ですが、どうにも分らないのが、目の大きさです。男性はたれ目、切れ目の普通の東洋人の目をしているのに、若い女性だけお目目ぱっちり族が増えてきたようなのです。
源氏物語絵巻に出てくる美女たちは、いずれもシモプクレで開けているのか閉じているのか一本の線のような目をしています。細い切れ目、一重まぶたはとても蠱惑的です。匂うような美しさがあります。しかし、どうにも漫画、アニメに登場する、顔の半分くらいの大きさの目の少女たちが現実を動かし、作り上げているのでしょうか、日本ではお目目パッチリが主流になってしまったようなのです。女性だけが、男性を取り残し、目玉ばかり大いETとか火星人への進化の過程にあるのかもしれませんね。
そして気が付いたのですが、そのような目の女性は皆口を合わせたように、あのキンキラ声でベトベトした幼児的話し方をするのです。
これはもしかしたら、進化ではなく、退化と呼ぶべきなのかなと思ったりします…。
第374回:空き家だらけの町
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