のらり      大好評連載中   
 
2015/03/26掲載

■新・汽車旅日記
〜平成ニッポン、いい日々旅立ち
 
第545回「遅延便からの贈り物 - SFJ 056便 福岡空港〜羽田空港 −
 
博多駅で風ちゃんと別れた後、地下鉄で福岡空港に向かった。10日前からICカード乗車券の全国提携が始まったから、さっそくPASMOを使ってみる。慣れない地域で、切符売り場に並ばず、運賃表を見上げて目的地のきっぷの値段を調べる手間がいらない。便利になったものだ。予約していた飛行機はスターフライヤー058便。同社の最終便で福岡空港21時15分発、羽田空港22時55分着だ。今回の旅は、行きにソラシドエア、帰りはスターフライヤー。どちらも初めて利用する会社だ。帰りの飛行機も楽しみだった。ところが、福岡空港に着いてみると、なにやら出発ロビーが騒がしい。夜間飛行の出発ロビーはもっと静かなはずだ。異変の理由は出発便の大幅な遅れであった。福岡は晴れていたけれど、羽田空港は日中に豪雨のため滑走路が閉鎖されていたという。夕刻になって運航再開したようだけど、機材が間に合わない。私が乗る予定の飛行機は、まだ羽田空港にいた。アナウンスによると、予定より1時間ほど遅れる見通しだ。この調子だと羽田空港着は23時55分である。京急の時刻表を検索してみると、そこから自宅までの列車がない。

杉山 淳一

杉山 淳一

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2015/03/26掲載
■店主の分け前
〜バーマンの心にうつりゆくよしなしごと
 
第278回「流行り歌に寄せて No.88 「下町の太陽」〜昭和37年(1962年)」 

弊店の近くには、とある居酒屋があり、そこを営んでいるご夫妻は私が大変お世話になっている大先輩である。ご主人の方は歌うことがお好きで、私とカラオケをともにすることがたびたびあるが、奥様の方は人の歌を聴くことは一切厭わないものの、ご自分で歌うことがとにかく苦手で、人前で歌うことはほとんどと言ってなく、彼女の歌声を聞いた人は数少ない。私はその数少ない人間の一人で、一度だけ彼女の声を拝聴したことがある。その時はご主人の方がかなり酔って出来上がっていて、「お母さん、倍賞千恵子の『下町の太陽』を歌いなさいよ」と、これはかなり執拗に要請したのである。奥様はかなり躊躇したが、場を白けさせるのを嫌い、日頃のハキハキした物言いとはかけ離れた、小さな声で歌い出された。とても可憐な歌声だった。その時私は、ご主人が奥様のことを、倍賞千恵子のような女性のイメージに被らせて思っていることを知った。美しく健気で控えめだけれど、一本のしっかりした芯が通っている、そんな女性像を、多くのご主人方は自分の妻に求めるようである。また、私がまだ二十歳代の頃、ある酒場でこんな話をする中年の親爺・・・
金井 和宏 金井 和宏

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2015/03/26掲載

■フロンティア時代のアンチヒーローたち
〜西部アウトロー列伝 Part 5
 
第130回「ジェシー・ジェイムス〜創られた英雄 その130 マーサ・ボルトンの家、急襲される 

ディック・ライデルとボブ・フォードが、ウッド・ハイトを殺害したのは12月4日のことだ。二人が恐れたのはジェシー・ジェイムスの気性だった。ジェシーはウサンくさいというだけで朋友だったエド・ミラーを殺しても平然としているし、強盗の現場でもすぐにカーッとなり銃をぶっ放しているのをライデルは目にしてきた。その上、ウッドはジェシーの従兄弟に当たり、今までジェシーらをサポートしてくれたバーンズ・ハイトの息子なのだ。ライデルとボブがウッドを殺したと判れば、ジェシーがどんな態度に出るか、即座に二人を撃ち殺す恐れが十分あった。ライデルは負傷しており、とても遠くに逃げることができる体ではなかった。1881年の12月はジェシーにとっても忙しい月だった。カンサスシティーやインデペンデンスの借家、アパートを転々とすることに疲れ、カンサスシティーから北へ45マイルほどのところにあるセントジョセフの一軒家を偽名、トマス・ハワードの名で借り、家族と棲みはじめた。家賃は月14ドルだった。この家はラファイアット通り1318番にあり、小さな町の郊外の緩やかな坂にあった。窓から通りを見渡せる、言ってみれば怪しげな人物が近づいて来るのが・・・

佐野 草介 佐野 草介 

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2015/03/26掲載
 

■亜米利加よもやま通信
〜コロラドロッキーの山裾の町から
 
第405回「『中国からの移民? or 侵略?」
 
中国経済が一挙に花開き、資本主義の国々を尻目に急激な成長を遂げています。共産党の理念と世界中の企業を買占め、億万長者の数はアメリカについで世界第二番目に多いことと、どのような関連があるのか、納得のいく説明を聞いたことがありません。いまや、中国はバブル期の日本を凌ぐ勢いで、世界中に投資の雨を降らせています。自由市場、自由経済を謳ってきたアメリカ国内でも中国資本の進出は著しく、アメリカを買い漁っている…侵略だ…と、マスコミが書き立てています。2000年から昨年まで中国がアメリカに投資した金額は430億ドル(1ドル=120円に計算すると、5兆1,600億円相当)になります。注目を集めたのは、中国のネット販売会社Alibabaがアメリカ本土に195億ドルを投じたニュースです。Alibabaは元英語の先生だった、ジャック・マーさんが創設、所有する会社で、アレヨアレヨという間に巨大産業にのし上がってきました。私も同じ教師として、どこでジャック・マーさんとこんなに違いが出てきたのか知りたいものです。

グレース・ジョイ Grace Joy
(グレース・ジョイ)
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2015/03/19掲載

■現代語訳『枕草子』
〜表現哲学詩人谷口江里也が翻訳

第3回「その3 正月(続き)」  
宮廷の女官たちの位が改まる女叙位(にょじょい)の式が行われ、貴いお方の子女が絹の布などを賜る女王禄(おうろく)の儀が行われる八日には、そういう方々が、喜び勇んで走らせる車の音が、ひときわ高く聞こえて面白い。もち粥のお膳をいただく節供(せちく)を終えたあと、みんなで、それでお尻を打てば子どもが産まれると言われている、お粥を炊いた木切れを後ろ手に隠し持って、位の高い女房の御達おだちさまがたがようすを見守るなかを、うっかり打たれたりなどしないよう、それぞれが後に気を配っていたりするようすが、なんだかとても面白い。なのにどうしたことか、お尻を打たれてしまったりする子がいたりするのが面白く、そんなようすがいかにも絵になって目をひき、きゃあきゃあと、大きな声を上げて笑い合ったりもするので、打たれた子が、悔しく思うのは当たり前。新たに通って来るようになった婿君を、宮中にご案内するのが待ち遠しくて、いまかいまかと待っておられる姫君の後を、自分こそが打とうと、一人の女房が何気なくようすを覗き込んだりなどして、そわそわしながら・・・

谷口 江里也 谷口 江里也

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2015/02/19掲載

■よりみち〜編集後記  

2015年に入って、イスラム過激派組織のアルカイーダ系の風刺新聞社の襲撃事件や自称「イスラム国」(ISIL)による日本人2名の人質殺害事件、そしてデンマークでの風刺画家を狙った襲撃事件など、テロ事件が頻発している。日本人人質事件では、それに乗じた(?)のか、安倍総理は海外での人質事件等に自衛隊派遣を正当化させようとしたり、集団的自衛権行使容認の方向へと国民の関心を持っていき、憲法改正の流れをどうしてもつくりたいようで、その強引な手法に恐怖を覚える。安倍総理は一体何を考えているのだろう? 深読みをすると、この人質事件を契機にアメリカと相談をして勝負に出たのではないかとさえ思える。人質事件の発生を周知の上、身代金要求の事実まで分っていながら、イスラエルでのネタニエフ首相との握手や、ユダヤ人迫害の歴史をまとめたホロコースト博物館でのパフォーマンス、エジプトでのイスラム国を名指して、「ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します」と明言してしまっていること。人質事件が公になった後も、人命救助が最優先と発言して、あらゆる可能性を使って交渉する・・・

よりみち 「のらり」編集部

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  ■フロンティア時代のアンチヒーローたち [全151回] 〜西部アウトロー列伝 Part1:Butch Cassidy(ブッチ・キャサディ)
佐野 草介
佐野 草介
■グレートプレーンズのそよ風 [計28回] 〜アメリカ中西部今昔物語
Grace Joy(グレース・ジョイ)
グレース・ジョイ
■貿易風の吹く島から [全157回] 〜カリブ海のヨットマンからの電子メール
佐野 草介
佐野 草介
■くらり、スペイン [計94回] 〜移住を選んだ12人のアミーガたち、の巻/〜イベリア半島ふらりジカタビ、の巻
湯川 カナ
湯川 カナ
■拳銃稼業 [全58回] 〜西海岸修行編
中井 クニヒコ
中井 クニヒコ
■現代語訳『風姿花伝』 [全63回]
 〜世阿弥の『風姿花伝』を表現哲学詩人谷口江里也が現代語に翻訳

谷口 江里也
谷口 江里也
■随想『奥の細道』という試み [全48回]
 〜谷口江里也が芭蕉を表現哲学詩人の心で読み解くクリエイティヴ・トリップ

谷口 江里也
谷口 江里也
■鏡の向こうのつづれ織り [全24回] 〜谷口江里也のとっておきのクリエイティヴ時空  
谷口 江里也
鏡の向こう
■もう一つの世界との対話 [全24回] 〜谷口江里也と海藤春樹のイメージトリップ  
海藤 春樹_人形_IMAGES 谷口 江里也_詩_TEXT
もうひとつの世界
■岩の記憶、風の夢 [全57回] 〜my United Stars of Atlantis
谷口 江里也
岩の記憶

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