のらり      大好評連載中   
 
2014/07/18掲載

■新・汽車旅日記
〜平成ニッポン、いい日々旅立ち
 
第521回「
トンネルと高架と - ぐるり貨物線大宮号4 -  
茅ヶ崎で進行方向が逆転して、私の席は進行方向左側になった。ここから大船まではやってきた道を逆戻り。大船の大観音様を見上げる。行ってすぐに戻ってきた私たちにも表情を変えず、にこやかに見つめられる。大渡りが右手に離れていき、ここからは東海道本線、横須賀線と並んだ。工場があり、広大な土地があり、大規模なマンションがある。工場が移転して、更地になり、マンションが建つという順番だ。京浜工業地帯だけではない。内陸部でも物作りの拠点が減っている。戸塚駅を通過。こちらは貨物線だからホームかない。これも珍しい経験だ。こちらの線路は寝台特急サンライズが遅延したときに通るという。私が乗ったサンライズは幸か不幸か定時運転だった。続いて東戸塚駅を通過。ホームは横須賀線しかない。東海道線と横須賀線は鶴見から大船まで並んでいるけれど、この付近だけは離れる。東海道線が切り通し、横須賀線がトンネルの中だ。その構造のせいで、横須賀線だけの駅ができた。貨物線は横須賀線と並び、ほぼ同時にトンネルに入る。トンネルの中でお互いの方向は変わり、横須賀線は東海道線と並ぶため北東へ。

杉山 淳一

杉山 淳一 

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2014/07/10掲載

■店主の分け前
〜バーマンの心にうつりゆくよしなしごと
 
第261回「流行り歌に寄せて No.71 「達者でナ」〜昭和35年(1960年)」
 
昭和30年を過ぎて、すでに30人以上の歌詞の方々をご紹介してきたが、昔からの歌謡曲ファンに「おいおい、誰か忘れちゃいませんか?」と必ず言われてしまう、まだご紹介できていない大歌手がいる。それは、生涯のレコード売り上げが何と1億600万枚、ミリオンセラー(100万枚以上売れたレコード)が18枚を数えるという、戦後日本を代表する歌手、三橋美智也その人である。彼は昭和5年11月10日、北海道は函館に近い上磯町(現在の北斗市)に生まれた。すでに太平戦争が始まっていた昭和17年、11歳にして北海道の全道民謡大会で優勝し、いきなり『江差追分』全唄をレコーディングするという、北海道のみならず日本の民謡界にとっては彗星の如く表れた存在だった。上京後、東急東横線の綱島温泉で民謡を教えるほかに、ボイラーマンとして生計を立てていたが、昭和30年、24歳にして『おんな船頭歌』で歌謡曲デビューを果たした。その後は『リンゴ村から』『哀愁列車』『夕焼けとんび』『古城』と大ヒット曲を次々と生み出す。さてここからは言い訳だが、私自身も前述の大ヒット曲は、何回も聴いたことはある。

金井 和宏 金井 和宏 

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2014/07/17掲載

■フロンティア時代のアンチヒーローたち
〜西部アウトロー列伝 Part 5
 
第95回「ジェシー・ジェイムス〜創られた英雄 その95 最高の年末大ボーナス 

1874年はジェシー・ジェイムスにとって出来事の多い年だった。世間に広く名前を知られるようになったのもこの年からで、話題性にはこと欠かなかったが、実入りの方は非常に淋しい年として終えそうな気配だった。ところが、クリスマス前の12月8日、ジェシーとフランク、ヤンガー兄弟は当時の強盗最高記録をマークする鮮やかな列車強盗をやってのけたのだ。まさに年末の超大型ボーナスだった。今回、彼らは事前調査オサオサ怠りなかった。1日違いで大魚を逃すことなどないように、わざわざミズーリー州の東端、ミシシッピー川沿いの町、ハンニバルまで出かけ積荷を確認している。直線距離にして襲撃地点から340キロある。それが12月2日のことだった。襲撃地点として彼らが選んだのはマンシー(Muncie)というミズーリー州と州境を接しているカンサス州の村とも呼べないようなド田舎で、そこにセント・ジョゼフ鉄道の給水所があった。当時の機関車はやたらと水を補給する必要があったのだ。ミズーリー川に接した所で、ここなら彼らの逃げのホームグランドであるミズーリーのクレイ郡へは一っ走りの距離だ。

佐野 草介 佐野 草介 

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2014/07/17掲載

■亜米利加よもやま通信
〜コロラドロッキーの山裾の町から
 
第371回「「死を招く大食い競争」
  
アドリア海の小島で2ヵ月あまり過ごし、また日本に帰ってきました。久し振りにアメリカの中西部、カンサスシティーに住む私の両親に長電話をしたところ、すでに80歳を幾つか越えた父、母がアメリカ独立記念日のパーティーを主催し、自分の家に親類、友達、近所の人を呼び集め、120何人かの盛大なパーティーになった、天候にも恵まれ最高のパーティーだったととても自慢げでした。アメリカの祭日の過ごし方には一つのパターンがあり、サンクス・ギビング(感謝祭)は家族とごく親しい友人だけで七面鳥の丸焼きとパンプキンパイ、クリスマスは家族だけ、大晦日は友達と酔っ払うのが一般的な過ごし方です。7月4日の独立祭は、夏の暑い盛りなので庭でバーベキュー、これはハンバーガー、ホットドック、それに旬のトウモロコシにバターをたっぷり塗ったもの、そしてよく冷やしたスイカに自家製のアイスクリームと相場が決まっています。幸か不幸か、私の両親は町の郊外と牧場の境目に広大な庭と畑を持っていますから、楽に120人くらいは収容できます。最高記録は200何人のパーティーを開いたこともある……と言っています。

グレース・ジョイ Grace Joy
(グレース・ジョイ)
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2014/07/10掲載

■現代語訳『方丈記』
〜鴨長明の『方丈記』を表現哲学詩人谷口江里也が現代語に翻訳
 
第10回 方丈記  
私は、父方の祖母の時代からある家を譲り受け、そこに住んで久しい。その後、その家とは縁が切れて、偲ぶ思い出などもたくさんあったけれども、その家にとどまることができなくなり、三十も過ぎてから、とうとう私自身の考えで、粗末な庵を結んで、そこに住むことになった。これは、もともと住んでいた家と比べれば、十分の一ほどの大きさでしかない。単に居住まうだけのことなので、それ以外の不必要なことのために大きな建屋をわざわざつくる必要もない。一応、敷地の周りには塀をつくったけれども、門を設ける余裕まではなかった。ただ入り口の辺りに、牛車を入れる車宿を竹で組み立てて設けた。そんなありさまなので、雪が降ったり風が吹いたりするたびに、なんだか頼りない気がしないでもない。地所も、河原に近い所にあるので水難にあう恐れも多く、白波と呼ばれる盗賊に狙われる心配も大いにある。なにもかも、どうにもならないことばかりの世の中で何とかかんとか生きてきて、心を悩ませるばかりでそれから三十余年も経ったが、その間、何かにつけて自分の思い通りにはならない・・・

谷口 江里也

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2014/07/17掲載

■よりみち〜編集後記  

ブラジルで開催されたFIFAワールドカップは、準決勝でのブラジルの世紀の大敗(7−1でドイツに完敗)と、それと対照的で見事なゲームを展開した決勝ドイツVSアルゼンチン戦は、1−0でドイツの勝利で幕を閉じたのだが、いつもワールドカップの試合を見る度に、自分の中に流れる血にもナショナリズムが宿っていることを知らされるのだが、まさに国旗を背負った選手たちが死に物狂いでボールに向かい、自分の祖国のためにゴールをひたむきに狙う姿は、人々に文句なしの感動を与える。試合後に負けた国の選手に歩み寄り互いの健闘を讃え合い、相手を慰める姿にスポーツマンシップの素晴らしさを感じる瞬間である。あり得ない話だろうが、イスラエルとパレスチナが、今も続く爆撃やミサイル攻撃を中止して、武器をすべて捨てて、サッカーで思う存分フェアプレイの試合でケリをつけられたら、どんなに平和な社会になるだろうと夢想してしまう。試合終了後、互いに相手の健闘を讃え合い、次の試合は負けないぞと、笑顔で握手することができたならどんなに素晴らしい未来が見えてくるだろう。夢とは分っていても、希望は捨て去ることができない。

よりみち 「のらり」編集部

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