■新・汽車旅日記 〜平成ニッポン、いい日々旅立ち 第471回「LCCで札幌へ - 京成バス成田シャトル・エアアジア8521便 -」 LCCの時代が来た。アジアで隆盛を極めた格安航空会社が日本に参入し、日本航空や全日空と提携して日本国内線の運行を始めた。東京や大阪から5,000円ほどで北海道や九州へ飛べる時代になった。1970年代に国鉄が「5,000円で軽井沢」とキャンペーンを展開したけれど、いまやその何倍も遠くに行ける。東京から北海道へ。鉄道好きなら寝台列車で行きたい。しかし、5,000円の航空便も魅力的だ。LCCに乗ってみたい。そこで、夏の青春18きっぷの2回分を北海道に割り当てた。格安航空と青春18きっぷ。相性の良さそうな組み合わせだ。成田からエアアジアで札幌へ、留萌に泊まって翌日は日本最長鈍行で釧路へ。釧路空港はLCCがなく、日本航空にした。往復ともLCCが良かったけれど、これで両者を比較できていいかもしれない。ちなみに、購入時期が遅かったため、エアアジアのチケットは少し高くて6,800円だった。帰りのJALの航空料金は2万1,870円。区間が違うとはいえ、行きの約3倍である。9月4日の04時に家を出た。エアアジアの始発便は07時45分発。チェックインタイムは1時間も前。
杉山 淳一 バックナンバー
■店主の分け前 〜バーマンの心にうつりゆくよしなしごと 第234回「流行り歌に寄せて No.44 「しあわせはどこに」〜昭和31年(1956年)」 コロムビア・ローズの登場である。この人は、戦後歌謡史を語る上で決して忘れてはならない人である。この名前は、戦前のコロムビアレコードのスター、松原操がデビュー当時覆面歌手「ミス・コロムビア」と名乗っていたのに倣って付けられたものだそうだ。松原操は夫になった霧島昇とのデュエットで、『旅の夜風』(映画「愛染かつら主題歌」)、『一杯のコーヒーから』『目ン無い千鳥』などの大ヒットを、戦前に次々と飛ばした歌手である。文字通り、コロムビアレコードの期待を担ったコロムビア・ローズこと松本光世(旧名:斎藤まつ枝)は、それに充分応えて、昭和27年4月のデビュー曲『娘十九はまだ純情よ』を始め『哀愁日記』『渡り鳥いつ帰る』など、堅実にヒット曲を出していた。今回の『しあわせはどこに』も、満を持す西条八十、万城目正の鉄壁コンビによる作品で、大ヒットとなった曲である。この歌は、1956年7月19日に封切られた、同名の西河克己監督の日活映画『しあわせはどこに』の主題歌であった。この映画は葉山良二、芦川いづみ共演の、いわゆるメロドラマである。
■フロンティア時代のアンチヒーローたち 〜西部アウトロー列伝 Part 5 第35回「ジェシー・ジェイムス 〜創られた英雄 その35」 殺人鬼集団の中で 胸を撃たれたジェシー・ジェイムスの回復は、奇跡的と呼んでも良いほどだった。ジェシーを匿ったRudd家は万が一北軍に知られると、主人はしょっ引かれ、家も焼かれかねない、かなりの危険を冒していた。ジェシーは2階からさらに梯子で上り下りする屋根裏で過ごした。8月のミズーリーは猛暑の季節で、しかも熱気が淀む屋根裏部屋は地獄に近い様相だったろう。9月中頃、ジェシーはブラディー・ビル・アンダーソン隊に戻っている。ビルは拠点をブーム郡に移し、ミズーリー川沿いの町、ロックポートにいた。今、アメリカを東西に走る重要なハイウエイ、インターステイツ70号がミズーリー川に架けられた橋を渡るので、一瞬のうちに通り過ぎてしまうが、その橋のたもとにロックポートはある。当時のロックポートには渡し場があり、ビルの一団はそこを行き来する開拓民、商人、旅行者から、通行料、現金、もしくはあらゆる物資で取りたてるという、安直な資金稼ぎを始めたのだ。もちろんもし通行料を払わなければ、所持品全部取り上げ、殺されるのだから、ロックポートにビルの軍団がいると知らずに…
■亜米利加よもやま通信 〜コロラドロッキーの山裾の町から 第311回「テロの文化とアメリカ」 ボストンでまた悲惨な無差別爆弾テロ事件が起こってしまいました。それにしても、よく5日間で犯人を特定し、写真を公開し、街のほとんど全体を閉鎖して、犯人を1人殺害、1人逮捕までこぎつけたものです。監視カメラに写っていた怪しげな人は何千人といたそうですから、FBIや警察のスペシャリストが大勢額を寄せ合って、監視カメラの映像を分析して、この二人に違いない、大事な容疑者である…と短時間に絞り込めたことに驚かされました。それ以上にショックだったのは、写真公開後、1分間に30万件の電話やメールが警察ホットラインにあったことです。総計では何百万もの情報提供者が現れたそうです。その電話の通報をフルイにかけ、裏づけに乗り出し、二人のテロリストを追い詰め、逮捕に踏み切ったのは写真公開後24時間ほどです。アメリカの4大チャネルを全部見たわけではありません。打ち明けて言えば、山奥の我が家で受信できる唯一のチャンネルであるABCテレビを見たのですが、19歳の弟がボートのカバーの下に隠れているのを、いかに逮捕したかを実況中継していました。
■現代語訳『風姿花伝』 〜世阿弥の『風姿花伝』を 表現哲学詩人谷口江里也が現代語に翻訳 第58回「風姿花伝 その七 別紙口伝 その七」 能を演ずる際に気をつけなければならないことはたくさんある。たとえば、怒っているようすを演じる時には、柔らかな心ということを忘れてはならない。これは、どんなに怒りをあらわにしたとしても、それが荒っぽく見えないようにするためである。激怒したりする場合に柔らかな心を持って行うというのは、どういう理由によるものだろうと思うかも知れないが、つまりはそうしてはじめて、それをみた人の目に珍しく、つまりは新鮮に映るからにほかならない。また幽玄、すなわち遠く遥かな何かにつながる演目を演じる際には、強い心を持つということを忘れてはならない。このようなことは、舞いにせよ、動作にせよ、物事のありようを表す物まねにせよ、あらゆることについて言えることであって、つまりは、どんなことであっても、たとえば住まいを定めるように、一つのありように安住して、それ以外のことを忘れてしまってはならないということにほかならない。また身体を使う時には、心根、すなわち心の持ちようが大切で…
■よりみち〜編集後記 「アベノミクス」なのか、果たして「アベノリスク」なのかまだ分らないが、新日銀総裁の黒田東彦氏のリーダシップが効いているようで、久々に日本経済の先行きに明るい光が一筋見えてきたような気がして(このムードづくりだけは大成功している)、かの民主党時代の悪夢のようなすべてが停滞していた状態から少しだけ動きがでてきた感じがする。しかしながら、このムードづくりが成功しているうちにドサクサに紛れてイロイロ決めてしまおうという不穏な動きも大きくなっているから要注意だ。TPP参加確定に関しては、アメリカのポチ政策に同調しなければならないシガラミがあるのだろうから、いくら反対意見があっても民主党時代から推進が決まっていたことなので、とりあえず参加して様子を見るしかないのは理解できるとしても、やたらと声が大きくなってきたのは、憲法改正に向けた発言である。小泉元総理が郵政民営化法案一本で押し切ったように、安倍総理は戦後初めて憲法改正をした首相として歴史に名前を残すためにだけ集中してくるのではないか心配になってきている。
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『A列車で行こう9 Version2.0 プロフェッショナル 公式ガイドブック』 杉山 淳一著
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