のらり      大好評連載中   
 
2015/01/22掲載

■新・汽車旅日記
〜平成ニッポン、いい日々旅立ち
 
第538回「路面電車乗り直し - 鹿児島市電 鹿児島中央〜谷山 -
 
九州の旅、3日目の朝。今日は少し遅めの出発だ。09時54分発の観光列車“指宿のたまて箱”に乗る。旅も2泊目となれば疲れもたまり、朝寝、二度寝、三度寝もしたくなるだろうと思った。私ではない。相棒の風ちゃんが、である。だから集合時間は09時20分。それぞれ朝食を済ませて、ホテルのロビーで待ち合わせる。世間一般の見識では、旅とは心身を癒すもの。日常の慌ただしさを忘れて、のんびりゆったり過ごしたいだろう。しかし、私の旅は違う。日が落ちて、飯を食らえば眠るだけ。夜明けに目覚め、行動を開始する。05時30分に起床。テレビニュースを聞きながら湯を沸かし、茶をすすり、身支度を整えた。私はいつもの旅を始めた。昨夜、熊本駅で買った土産物と、昨日まで着ていた衣類、その他もういらない物を紙袋に放り込み、まずは郵便局へ行く。大きな駅のそばには、たいてい大きな郵便局があって、24時間の窓口がある。段ボール箱を買い、中身を詰めて自宅へ送った。少し肌寒く、上着は手元に残す。

杉山 淳一

杉山 淳一

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2015/01/22掲載
■店主の分け前
〜バーマンの心にうつりゆくよしなしごと
 
第274回「流行り歌に寄せて No.84 「寒い朝」〜昭和37年(1962年)」 

以前、このコラムに書いた通り、私が生まれて初めて親に買ってもらったSP盤はA面『月光仮面はだれでしょう』、B面『月光仮面の唄』というレコードだった。それではLP盤は何かと言えば、吉永小百合の2枚組LP『吉永小百合とともに』である。買ってもらった時のうれしさは、今でも覚えている。どこにも傷がつかないように、絹織物に触れるが如く、それはそれは、慎重に扱ったものだった。昭和45年、私が中学3年生の時である。当時のLPのジャケットは、しっかり見開き仕立てになっていた。全6ページ、表表紙は清楚な薄い水色のワンピースを着た彼女が白百合とともに、見開き天地1ページにはやはり白百合をあしらったピンクのドレス姿、そして裏表紙はさらに白百合とともに、ピンクの和服姿の彼女が静かに微笑んでいる。もう一つ、彼女の近況を撮影した小さな写真集のような冊子も入っていた記憶がある。昭和42年に発売され「『寒い朝』から『夕陽のマリア』まで」とサブタイトルがついていたこのアルバムの収録曲は・・・
金井 和宏 金井 和宏

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2015/01/22掲載

■フロンティア時代のアンチヒーローたち
〜西部アウトロー列伝 Part 5
 
第121回「ジェシー・ジェイムス〜創られた英雄 その121 ヤンガー3兄弟の裁判と無期懲役の判決 

ヤンガー兄弟に対するノースフィールド・ファーストナショナル銀行襲撃事件の裁判は、多くの証人を呼び寄せ、全米の注目を集めながら進行した。その間、ノースフィールドで犯人追跡の指揮をとったアデルバート・エイムス(Adelbert Ames)が、コール・ヤンガーと個人的に面会し、言葉を交わしている。しかし、コールは極刑であろう判決を待つ、骨の髄までの南部人で、一方のエイムスは生粋の北軍派で、自分が所有する銀行を襲われ、銀行員を一人殺され、もう一人の行員も重傷を負わされているのだ。話が噛み合うはずもない。一体、この時代の人は感情の量が多く、喜怒哀楽が激しかった。とりわけ、骨の髄まで南軍思想で凝り固まっていたコールは、エームスに唾を吐きかねない嫌悪の情を隠そうともしなかった…としても不思議ではない。ヤンガー3兄弟の頑強な肉体は、まさに奇跡的な回復力を示し、命を取りとめ、被告の席に着いた。

佐野 草介 佐野 草介 

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2015/01/22掲載

■亜米利加よもやま通信
〜コロラドロッキーの山裾の町から
 
第397回「アメリカ冤罪事情とイノセント・プロジェクト
  
アメリカが正義の国、自由の国だという幻想は西部劇の中にしか存在しません。あなたが白人で、保守派で、政治意識、社会意識が低く、もしくはまったく持ち合わせてなければ、アメリカ民主主義の幻想は多少、当たっているかもしれません。しかし、黒人、ヒスパニックと呼ばれているスペイン語を母国語とするメキシコ、中南米系、プエルトリカン、先住民のインディアンにとって、そんな幻想は絵に描いた餅です。まず、裁判制度です。人間が人間を裁くのですから、間違いは当然あるでしょう。社会や政治の動向や、検察官と裁判官の保身、お金の影響も受けることでしょう。そこには、"疑わしきは罰せず"という基本はあっさりと忘れられてしまう例がたくさんあります。日本でも死刑の判決を受けてから42年も牢屋に入っていた袴田巌さんが、やっと釈放されました。何でも42年はギネスブックものだそうです。アメリカでは、ギネスブックに載るように、そんなに長期間生かしておいてくれません。判決が下ると即座…とまでは言いませんが・・・

グレース・ジョイ Grace Joy
(グレース・ジョイ)
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2014/12/18掲載

■現代語訳『方丈記』
〜鴨長明の『方丈記』を表現哲学詩人谷口江里也が現代語に翻訳
 
第18回(最終回) 方丈記  
そもそも、わたしの人生そのものが、あたかも月影が東から西へと傾き、いよいよあともう少しで、山の向うに沈んでしまい、もうすぐにでも、三途の川の向うの、現世に犯した罪によって、いろんな責め苦を受ける闇の中へと行こうとしているような時に、あんなことさえしなければと思ってくよくよ考えたり、誰のせいでそうなっただのと、いまさら、つべこべ思い悩んでみたところでどうなるものでもない。仏の教えというものの趣意は、つきつめれば、どんなことに対しても執着するなということであってみれば、こうして私が今、この草庵を愛するのも、ここでの静かな侘ずまいがいいと想うのも、どのみち罪であるにはちがいない。だとしたら、特にそうする必要もない、こうした閑寂(かんじゃく)の楽しみを、あえて書き記したりする時間というのも、往生ということを考えるならば、余計なことには違いない。静かな、夜が明け始める暁の頃に、こうした理屈のようなことを考え、自らの心に問いかけ続けてみた結果、世間を離れて山の中に入ったのは・・・

谷口 江里也

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2015/01/09掲載

■よりみち〜編集後記  

2015年は果たしてどんな年になるのだろう? 1月8日、新年早々、パリの風刺画で有名な新聞社がイスラム過激派の襲撃を受け12人が亡くなったテロ事件からの幕開けとなり、平穏で明るい1年にはなりそうもないようだ。イスラム過激派間の思想対立の激化(テロによる世界転覆を狙うアルカイダ系と、イスラム原理主義国家の独立を目指すISIS系では同じイスラム教でも考え方ややり方は大きく違っている)、ロシアとEUの経済及び政治対立の激化、アメリカのシェール革命によるアラブの原油市場の混乱と金融危機、中国のバブル経済の終焉による世界経済への影響、中国のアジア覇権主義の台頭による政治的な摩擦と日本の憲法改正論議への影響など、2015年は不安材料には事欠かない状態である。この混沌とした状況の中で、日本の進むべき進路はますます狭められ、日本独自の道の選択は困難になっている。かつては、技術力や開発力でブランドになっていた日本だったが、現在の日本ではどうだろう。まだ日本の町工場的な職人魂は健在だが、311のフクイチのメルトダウンを境に・・・

よりみち 「のらり」編集部

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