のらり      大好評連載中   
 
2014/09/04掲載

■新・汽車旅日記
〜平成ニッポン、いい日々旅立ち
 
第525回「
椎茸めし vs ギュージンガーサンド - 特急・海幸山幸1 -」 
駅弁がない。いや、改札外の駅弁売店は開いていた。しかしショーケースはほぼ空っぽ。1種類だけ、地味な掛け紙の「椎茸めし」があった。椎茸が主菜の弁当があるなんて。宮崎と言えば地鶏、チキン南蛮、肉巻きおにぎりのはず。しかし、それらが収まりそうな棚は空っぽ。南国・宮崎の人々は、椎茸で一日を始めるというのか。風ちゃんは、「椎茸きらいだもーん」と言って、どこかへ消えた。売店のおばちゃんに対して失礼だ。いや、宮崎県民を敵に回したかもしれない。暴動が起きたら差しだそう。しかし、私もとりあえずパスした。空港でチキン南蛮弁当を買っておけば良かった。別の売店で代わりのものを探す。青島名物ういろうという包みに目が止まった。ういろうは名古屋だけの名物ではないらしい。米と砂糖を使った菓子だから、室町時代から米どころ各地で作られていたそうだ。黒糖を使った茶色のういろうと、白いういろうを買った。米製品だから食事代わりになるだろう。そして結局、戻り際に椎茸弁当も買った。宮崎県民に嫌われたくない。外から駅舎を眺めて、ホームに戻った。さっき列車を降りたときに、次はこのホームだから、と風ちゃんには伝えておいた。私たちはバイク乗りである。ツーリングの時は、休憩地点だけ決めて、それぞれ勝手に走っている。

杉山 淳一

杉山 淳一 ※著者都合により今週も休載します
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2014/09/11掲載
■店主の分け前
〜バーマンの心にうつりゆくよしなしごと
 
第265回「流行り歌に寄せて No.75 「おひまなら来てね」〜昭和36年(1961年)」
 
五月みどりと言えば、アンチ・エイジングの旗手のような人で、来月には75歳を迎えるというのに、いわゆる美しさを保ち続けている。また、恋多き女という印象も強く、三度結婚離婚をくり返し、その度にテレビのワイドショーに大きく取り上げられて、巷を賑わせてくれている。もちろんご本人が好きでくり返しているわけではないだろうし、本人には叱られそうだが、この人には何か世間を何度も騒がせる素質のようなものが備わっている気さえしてくるのだ。ブラウン管の前で大泣きして見せても、少し時が過ぎればケロッとして笑顔で再び登場してくるような、そんな底抜けの明るさを持った人だと思う。私は彼女の歌はほとんど知らないと思っていたが、今回このコラムを書くに当たり追ってみると、取り上げた曲の他には『一週間に十日来い』『コロッケの唄』『熱海で逢ってね』など、彼女の歌とは取り立てて認識しなかったけれど、耳慣れた曲がいくつかあった。昭和14年に東京都江戸川区平井の精肉店を営む両親の下、8人の兄弟姉妹の一番上として五月みどり(出生名:大野ふさ子)は生まれた。実弟にプロボウラー西城正明、実妹に女優の小松みどりがいる。昭和31年、16歳の時に出場したニッポン放送『ものまねのどじまん』で見事に優勝し、その年の5月に・・・
金井 和宏 金井 和宏

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2014/09/18掲載

■フロンティア時代のアンチヒーローたち
〜西部アウトロー列伝 Part 5
 
第104回「ジェシー・ジェイムス〜創られた英雄 その104 ジェシー・ジェイムス VS アラン・ピンカートン 

このまま放っておくとジェシーとフランク・ジェイムスは、地方の一、アンチヒーローから、州全体、はたまた全米の生きた英雄伝説になりかねないと州政府は判断したのだろう。ジェイムス農園襲撃の関連者が、州政府内から現れるのを恐れていたという内情もあったにしろ、異常な速さで事件にけりを付けようとした。ピンカートンが派遣した5人の男たちは、鉄道で移動した際、武器を携帯していなかったうえ、身元確認ができない、しかも、彼らが直接ジェイムス農園を襲撃したという証拠もないので、彼らに対する追跡捜査は打ち切られた。ただ、ジェイムス農園の隣人、アスキュー家に乗り込み見張りをし、情報をピンカートンに流していたジャック・ラッドは名前も顔も割れていた。だが、彼も襲撃に直接関与はしていないとみなされ無罪となった。また、リバティーに居座り、今回の襲撃の中枢を担ったハードウイックも名前が表に出てきてしまった。元々弁護士のハードウイックは巧みに尋問をかわし、かつこの事件に関連した人物の名前を明かすことなく逮捕を免れた。公的な追跡は終わった。だが、ジェシーとフランクの復讐は始まったばかりだった。この復讐劇にはどちらがどのようにコトを始めたのか・・・

佐野 草介 佐野 草介 

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2014/09/18掲載

■亜米利加よもやま通信
〜コロラドロッキーの山裾の町から
 
第380回「州や郡で消費税が異なるアメリカ」
  
国を維持していくには大変なお金がかかります。軍隊やお役所、学校、道路や河川のメインテナンス、それに警察、消防と、よくぞこんな膨大な費用のかかるコトガラをまんべんなくまとめ上げているものだ感心させられます。とても私の給料から差し引いた税金や消費税だけではとても賄いきれるものではありません。どこかにものすごい税金を払っている人、団体がいるのでしょう。誰からどのように税金を取るかは昔から大きな問題でした。取る方としては、いかに相手にできるだけ気づかれないよう、直接負担の少ないように上手に取るかに腐心します。最近では、情報が行き渡り、知らない間に税金を取られていた…という事態は少なくなりました。ビール好きの人たちはよく冗談で、「私は(俺は)多額納税者だ」などと呑み席で言っていたものです。日本では、ビールの値段の60%近くが税金だといいますから、これほど高い税金を払ってビールを飲でいる国民は、世界広しといえどもいないでしょう。良くしたもので、税制の目を潜り抜けた発泡酒なるビールもどきが現われ、ビール好きの人の懐を多少は救っています。

グレース・ジョイ Grace Joy
(グレース・ジョイ)
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2014/08/28掲載

■現代語訳『方丈記』
〜鴨長明の『方丈記』を表現哲学詩人谷口江里也が現代語に翻訳
 
第12回 方丈記  
庵のある場所について言えば、南のほうに、岩で流水を溜めて竹の樋で水を引く懸樋(かけひ)があり、近くには林もあるので、火を焚く爪木(つまぎ)を拾うのに苦労はない。林は音羽山の一角で、まさきの葛の木がたくさん生えている。谷間のほうは木々が生い茂っているけれども、西のほうは眺望が開けていて、瞑想をして仏さまや浄土のことを心のうちに想い描く観念を行ったりするのに良いと言えなくもない。春には紫色の花房が風に吹かれて揺れ動く藤波が見える。そのさまは、まるでお釈迦様が冥土に行かれる時に乗ったといわれている紫雲のようであり、花々が咲き匂う西方(さいほう)のことを想わせるほどに、西の方は一面、紫色の藤の花でおおわれる。夏にはほととぎすの声が聞こえる。その声と言葉を交わすようにして、自分が死んでこの場を離れ、山を越えて逝く時には、道案内をしてくれるようにとの約束を交わす。秋には、あたり一面に日暮(ひぐらし)の声が満ちて、まるで蝉(せみ)が、このはかない世を哀しんで鳴いているかのように聞こえる。冬は雪をあわれ慈しむ。

谷口 江里也

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2014/07/17掲載

■よりみち〜編集後記  

ブラジルで開催されたFIFAワールドカップは、準決勝でのブラジルの世紀の大敗(7−1でドイツに完敗)と、それと対照的で見事なゲームを展開した決勝ドイツVSアルゼンチン戦は、1−0でドイツの勝利で幕を閉じたのだが、いつもワールドカップの試合を見る度に、自分の中に流れる血にもナショナリズムが宿っていることを知らされるのだが、まさに国旗を背負った選手たちが死に物狂いでボールに向かい、自分の祖国のためにゴールをひたむきに狙う姿は、人々に文句なしの感動を与える。試合後に負けた国の選手に歩み寄り互いの健闘を讃え合い、相手を慰める姿にスポーツマンシップの素晴らしさを感じる瞬間である。あり得ない話だろうが、イスラエルとパレスチナが、今も続く爆撃やミサイル攻撃を中止して、武器をすべて捨てて、サッカーで思う存分フェアプレイの試合でケリをつけられたら、どんなに平和な社会になるだろうと夢想してしまう。試合終了後、互いに相手の健闘を讃え合い、次の試合は負けないぞと、笑顔で握手することができたならどんなに素晴らしい未来が見えてくるだろう。夢とは分っていても、希望は捨て去ることができない。

よりみち 「のらり」編集部

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