のらり 大好評連載中
 
2016/11/17掲載

■新・汽車旅日記
〜平成ニッポン、いい日々旅立ち
 
第608
回「ひとりで観覧車 − 伊予鉄道 花園線 −」  
城の天守に上って景色を見渡すと、この土地を征したようで高揚する。城という建物の雰囲気だろうか。いや、城だけではないな。展望台、高層ビルの最上階展望ロビーもそうだ。高みの見物は気分がいい。私は上機嫌でロープウェイに揺られて戻ってきた。マドンナさんたちに別れを告げ、店を冷やかしながら雨の街路を歩き、大街道電停に戻った。環状線の外回り側で電車を選ぶ。松山市行きに乗りたい。本町6丁目行き、JR松山駅前行きは見逃す。ボール、ボール、松山市行き3系統、道後温泉から来た電車、ストライク。車窓には豪壮な建築の愛媛県庁舎があり、お堀端の並木の紅葉があり、坊っちゃん列車とすれ違う。短い区間でも楽しい眺めである。南堀端の丁字路を左折して未乗区間最後の支線に入った。正式な路線名は花園線という。おとぎ話のようだけど、このあたりは花園町といって、かつて松山藩の花畑があったところである。

杉山 淳一

杉山 淳一 ※今週も休載です。

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2016/11/24掲載
■店主の分け前
〜バーマンの心にうつりゆくよしなしごと
 
第316回「流行り歌に寄せて No.121 「さよならはダンスの後に」〜昭和40年(1965年)」 

『下町の太陽』の下、ひそやかに生きてゆく若い女性、そんな姿を歌ってヒットしてから2年と少ししか経っていないのに、今度はぐっと大人の雰囲気を持つ、恋の終わりの曲である。レコード・ジャケットも、大きなマイクの前で小首を傾げ、ひたむきに歌う可憐な女の子から、ネックレスを着け、ノースリーブで一輪の花を胸に抱く、大人の女性へと大きく変身しているのである。NHK紅白歌合戦で言えば、『下町の太陽』は昭和38年、そして今回の『さよならはダンスの後に』は昭和40年に披露されている。昭和39年出場の時の『瞳とじれば』という曲は、岩谷時子:作詞 いずみたく:作曲の、嫁いで行く女性が、亡き父や故郷の妹たちに静かに想いを寄せた曲で、まだ充分に可憐さを漂わせている。この大きなイメージの変わりように、彼女のファンは戸惑ったことだろう。何か置いていかれる様な気持ちになった人も少なくないと思う。
金井 和宏 金井 和宏

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2016/12/01掲載

■フロンティア時代のアンチヒーローたち
〜西部女傑列伝 2
 
第29回「ベラ・スター 〜クリスマスのガンファイト」
 
ベラ・スターは強い家族意識を持っていた。彼女は夫、サム・スターのスタークランに対するロイヤリティと同じくらい強い絆を前夫ジム・リードの実家に対しても抱いていた。頻繁にミズーリーの前夫の実家、リード家に足を運んでいるし、なにかにつけて頼りにしている。チェロキーインディアンのサムと結婚してはいるが、彼女の中には常にある種のスノビズム、自分の家は教養の高い南部エリート家系だという意識があった。野生児のサムは疲れを知らない若者だが、彼がどの程度読み書きができたか疑わしい。サムは全くの文盲だったという史家がいるくらいだ。ベラ一家は1886年のクリスマスをミズーリーの実家リード家で過ごすことにし、実に久方ぶりに家族4人、サム、ベラ、娘のパール、息子エドウインが連れだってミズーリーに向かった。息子のエドウインは15歳になっていた。娘のパールは母親と一緒に過ごした時間が多かったのに対し・・・

佐野 草介 佐野 草介 

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2016/12/01掲載

■亜米利加よもやま通信
〜コロラドロッキーの山裾の町から
 
第491回「お金と時間がかかるアメリカ民主主義」
 
大統領選挙のたびに各州、市町村、郡(カウンティー)での細目が住民投票にかけられます。私たちが住んでいるコロラド州の投票用紙はA4を2枚を縦に糊付けしたほどの大きさで、まずトップに大統領候補の名前が並んでいます。候補者はトランプとヒラリーだけでないのです。見たことも聞いたこともない大統領候補者が数えてみると19人もいました。それから上議員、下議員の候補者の名前が並び、さらに州単位で死刑を許すか、堕胎、銃規制、最低賃金、囚人に労働をさせる(コロラド州の場合はもう労働させていますが、それを今まで侮蔑的な言葉で呼んでいたのを更正労働という用語を使うようにするかどうか)、異なる健康保険を州民全体で一本化するかどうかなどなど、細かい住民投票がなされます。それらの項目を説明し、どのように投票するかを説明したカタログはA4の大きさで100ページにもなります。コロラド州では英語だけですから、この投票用紙と手引きのようなカタログ作るのは・・・

グレース・ジョイ Grace Joy
(グレース・ジョイ)
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2015/10/15掲載

■現代語訳『枕草子』
〜表現哲学詩人谷口江里也が翻訳

第17回「市は、辰の市」  
市は、たつの市、さとの市、海石榴(つば)市など、大和には市のついた町がたくさんあるけれども、長谷寺にお参りをした人が、必ずのようにこの地に泊るのは、観音さまとのご縁を大切にしたいという、特別の気持があるからだろう。ほかにもこのあたりには、おふさの市や、しかまの市や、もちろん飛鳥の市もある。峰といえば---峰といえば、ゆづる葉の峰、阿弥陀の峰、そしていやたかの峰。原には---原には、みかの原、あしたの原、園原なんていうのもある。淵には---淵には、かしこ淵というのがあるけれども、一体どういう気持で、どなたがそうと教えて、そんな名前になったのだろう。青色の淵なんていうのも面白い。まるで蔵人が着るお召しのよう。ほかにも、隠れの淵や、いな淵なんていうのもあって面白い。海といえば---琵琶湖のみずうみ、与謝の海、そして、かはふちの海。陵には---陵みささぎには、うぐいすの陵、かじはぎの陵、そして、あめの陵などがあって、どれも歌に歌われして風情がある。       

谷口 江里也 谷口 江里也

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2016/11/10掲載

■よりみち〜編集後記  

2016年11月8日、この日のことはアメリカ合衆国が歴史的な転換が始まった日として、全世界の人々に記憶されることになるだろう。アメリカ大統領選挙で共和党候補のドナルド・トランプが、アメリカ初の女性大統領を目指していた民主党候補のヒラリー・クリントンに大勝したその日である。1年前には共和党の泡沫候補と考えられ、右翼的な過激な言動や不法移民やシリア難民などを拒否する排外主義で注目され、「Make America Great Again!」を浸透させながらこれまでのアメリカの失敗を繰り返さない、古き良き時代のアメリカに戻ることを訴え続け、あれよあれよという間に、ライバル候補者を次々と破り共和党の最終候補にまでになってしまった。政治経験なしの根っからの不動産ビジネスマンが大統領選挙に立候補すること自体、日本で言えば選挙の常連であるドクター中松のような存在だったはずだったが、トランプの強みはメディア操作が得意なことだった。自らTV番組の司会経験もあるほどメディアの世界を熟知しており、大統領候補がどんな挑発的なことを言えば・・・

よりみち 「のらり」編集部

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佐野 草介
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Grace Joy(グレース・ジョイ)
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 〜世阿弥の『風姿花伝』を表現哲学詩人谷口江里也が現代語に翻訳

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■岩の記憶、風の夢 [全57回] 〜my United Stars of Atlantis
谷口 江里也
岩の記憶

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