のらり      大好評連載中   
 
2014/11/20掲載

■新・汽車旅日記
〜平成ニッポン、いい日々旅立ち
 
第531回「贅沢な山岳ルート - 肥薩線 吉松 - 人吉 -
 
吉松駅には畳敷きの待合室がある。囲炉裏もしつらえてあるけれど火は入っていなかった。人吉行きの列車は09時06分発で、約50分の待ち時間だ。畳のそばに荷物を置いて外に出てみた。駅前の街を歩いてみたい。しかし雨が降っている。見渡す範囲に商店のような建物がいくつかある。しかし開いていなかった。駅前広場の傍らに蒸気機関車が展示されている。その手前に鉄道資料館という小さな小屋と転車台があった。機関車はC55形52号機。看板を読む。昭和12年製造。初任地は小郡、次に糸崎。昭和14年から鳥栖に移り、以降は九州のほぼ全域で活躍した。運用終了は昭和50年。従来の機関車はボイラーの上に二つのドームがあったけど、二つのドームを一つにまとめたところが外観上の特徴という。鋳鋼製台車を使った近代的な姿、とはどういうことか。車両研究のほうは奥が深そうだ。鉄道資料館は閉まっていた。ガラスドアに額をつけて覗いてみると、転轍機の標識、年表、勾配の図などが見えた。

杉山 淳一

杉山 淳一 

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2014/11/20掲載
■店主の分け前
〜バーマンの心にうつりゆくよしなしごと
 
第270回「流行り歌に寄せて No.80 「北帰行」「惜別の唄」-その2〜昭和36年(1961年)」 

『北帰行』の作者、宇田 博は大正11年(1922年)の生まれ。中国の奉天一中から飛び級で一高を受験したが失敗し、満州国の新京にある建国大学予科に入学するが半年で退学となり、昭和15年、開校したばかりの旧制旅順高等学校(以下:旅高)に入学することになった。 しかし、彼の望むおおらかで自由な学生生活は、戦時下に作られた新制高校においては当然果たされることはなく、彼の取った行動はことごとく教官たちの目に止まるものだった。翌昭和16年5月、ある女性とデートしたことにより「性行不良」として、宇田は退学処分となる。二人で映画を観た後、酒をしこたま飲んで帰寮したということであるから、戦時下でなくても処罰の対象になるのは間違いないことだとも思う。そこで、学校を去る宇田が在校生たちに残した歌が『北帰行』であり、その後、旅高の学生たちの愛唱歌となっていくのである。その原曲は小林 旭で知られる前回掲載したものと比較すると少し異なっている。
金井 和宏 金井 和宏

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2014/11/20掲載

■フロンティア時代のアンチヒーローたち
〜西部アウトロー列伝 Part 5
 
第113回「ジェシー・ジェイムス〜創られた英雄 その113 ミネソタ、ノースフィールド6 

銀行の中で、ヘイウッドの思わぬ反撃にあったジェシー・ジェイムスたちは焦り始めた。外に音が漏れることを慮って(おもんばかって)、ジェシーはヘイウッドの喉元にナイフを当て、「金庫を開けろ! さもなくばお前の首をかき切ってやる」と脅しをかけたうえ、首の上の部分を浅く切った。その間、ボブはカウンターの内側の引き出しにある、バラの札、金貨をかき集め、袋に入れていた。ジェシーはヘイウッドを殴りつけ、金庫の前まで引きずり、首にさらにもう一筋の切り傷をつけ脅した。ついにヘイウッドは、この金庫はクロノメーター方式の金庫で設定した時間にならなければ、カギと番号だけで開けることができない……と告げたのだ。フランクが金庫をチェックしたところ、確かにクロノメーターは付いているが、クロノメーターの時間をセットしていないことを見つけたのだ。もちろんクロノメーターがセットされていないことは、金庫番のヘイウッドは当然知っていただろう。

佐野 草介 佐野 草介 

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2014/11/13掲載

■亜米利加よもやま通信
〜コロラドロッキーの山裾の町から
 
第389回「女性優位の日本」
  
約10ヵ月近く日本で過ごしました。早周りですが、JRの外国人専用のジャパンレールパスで日本一周もしましたし、何泊かのバスツアーやドライブにも出かけました。温泉は数知れず入りましたし、柄にもなくチョット豪華にクルーズシップにも乗りました。日本食も堪能しました。それにしても、どこに行っても女性軍が圧倒的で、男性がどこかに消えてしまったのではないかと思うほど少ないことに気がつきました。私たちが退職者の特権で、ウィークデイの昼間動くせいもあるでしょうけど、どこに行っても女性ばかりなのです。それは唖然とするほどです。前回、日本の女性の地位の低さについて書ましたが、日本女性が大いに消費することで経済に寄与しているのでしょう。おそらく、ご主人が働いている間、子育てを終えた女性が大いに羽を伸ばしているのでしょうか、日本の男性は世界に稀にみる、限りなく優しい人種なのかもしれませんね。レストランやホテルのランチタイムに出かけてみれば、この現象はハッキリと見て取れます。一度、札幌市内のさるホテルのランチタイムでのことですが、男性はウチのダンナさんだけで・・・

グレース・ジョイ Grace Joy
(グレース・ジョイ)
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2014/10/30掲載

■現代語訳『方丈記』
〜鴨長明の『方丈記』を表現哲学詩人谷口江里也が現代語に翻訳
 
第16回 方丈記  
そもそも、この場所に住み始めた時には、とりあえず、ほんの少しのあいだ、と思っていたのだけれども、いつのまにか、もう五年の歳月が過ぎてしまった。単なる仮住まいと思っていた庵も、いまではもう、なんだか故郷のように、もともとここに住んでいたかのように思われてきて、軒には枯れた木の葉が厚く積み重なっているし、柱の土台の石には苔も生えている。たまたま聞き及ぶ都の便りによれば、どうやら、私がこの場所に移り住んできてから後に亡くなられた、高貴な方々がずいぶんといらっしゃるらしい。だとしたら、そういう身分にはない、名もない人々が、どれほどたくさんこの世を去っていかれたかなど、知るよしもないことだろう。たび重なる火災で家が燃えてしまった人も、どんなにいるだろうと思うけれども、この私の、粗末なつくりの庵に限っては、静かでのどかなばかりで、火事などとても起こりそうにない。いくら狭いとはいっても、夜に寝るために横になる所には木の床があり、昼のあいだ座って書物を読んだりする場所もある。

谷口 江里也

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2014/10/23掲載

■よりみち〜編集後記  

今年を振り返るのはまだまだ早い時期だと思うのだが、最近のニュースのスピードになかなかついていけない現実がある。2月にソチで冬季オリンピックがあり、ついこの7月にブラジルのワールドカップで盛り上がっていたはずなのだが、日本ではもうすぐスポーツの締めくくりイベントの日本シリーズ開幕である(北海道日本ハムファイターズは惜しかった)。さらに、世界情勢の方に目を向けるともう大変なことになっている。1月からタイ国の揺れ動きバンコクで非常事態宣言、2月にはウクライナ騒乱から内戦状態へ、3月にはマレーシア航空370便(239名)がインド洋で消息を絶ち、プーチン大統領がクリミアをロシアに編入宣言し、4月には韓国のクルーズ旅客船「セウォル号」沈没事故(294名死亡)、5月にはタイ国の軍事クーデター、6月は中国が南沙諸島での石油採掘でベトナムと衝突、7月にはウクライナ・ドネツクで、マレーシア航空17便(298名死亡)が撃墜され、またイスラエル軍のガザ侵攻開始し、8月の停戦合意まで断続的に攻撃し続けた。そして、8月には西アフリカ諸国にエボラ出血熱の感染拡大してパンデミックスが心配されており・・・

よりみち 「のらり」編集部

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佐野 草介
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 〜世阿弥の『風姿花伝』を表現哲学詩人谷口江里也が現代語に翻訳

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