のらり 大好評連載中
2018/02/01掲載

■新・汽車旅日記
~平成ニッポン、いい日々旅立ち
 
第654回「木次線完走 - 奥出雲おろち号 2 -」 

中国山地の谷の奥へ、奥出雲おろち号は這い上がる。ヤマタノオロチはこの谷を降りてあばれ、気が済めばこの谷を上がってきた。ヤマタノオロチを暴れ川のたとえという説がある。しかし、いくら暴れ川といっても、谷を上れない。やはりオロチはいたのだ。人々の心の中だけの存在だとしても。つらい、悲しい災いの記憶は、恐ろしい怪物の姿になって語り継がれた。その感覚は、例え話で片付けてはいけない。 谷の空を灰色の雲が覆っている。涼しい風が、冷たくこすれていくように感じる。オロチの棲家はどこか知らない。しかし、そこはもしかしたら、私たちが立ち入ってはいけない領域かもしれない。トンネルに入ると、さらに畏れ多くなる。なにしろトンネルの中は霧が立ちこめ、冷凍庫に入ったように空気が冷たい。トロッコ車両は寒さに震えている。くねり。くねり。トンネルを抜けた奥出雲おろち号は、それでも力を振り絞って進んでいく。

杉山 淳一

杉山 淳一 ※出張のため休載

バックナンバー

2018/02/15掲載

■店主の分け前
~バーマンの心にうつりゆくよしなしごと
 
第344回「流行り歌に寄せて No.150「涙くんさよなら」~昭和41年(1966年)」
 upハマクラ先生の曲が続きます。私が物心がついてから、はじめて心に沁みた曲だったと思う。父親が愛知県の名古屋市に転勤が決まり、昭和41年の秋、一足先に単身赴任を始めた。後に残った母と妹と私も、父を追って翌年の年明け早々長野県の岡谷市から、彼の地へ引っ越すことになったのである。小学1年生の3学期に転校して来て以来、4年間過ごした大好きな小学校の仲間たちだった。保育園時代と小学校1年生の2学期間、楽しかった幼少期を過ごしていたところを、可愛がってくださった近所の方々と別れ、上諏訪から岡谷に転校して来たときも、本当に辛かった。それなのに、せっかく良い友達ばかりできたのに、また転校だという。今度は一度も行ったことのない名古屋という、東京、大阪に次いで日本で3番目に大きな都会に移らなければならないのだ。父親の仕事を恨むことはなかったが、どうしてまたこんな思いを・・・

金井 和宏

金井 和宏  

バックナンバー

2018/02/15掲載

■イビサ物語
~ロスモリーノスの夕陽カフェにて
 
第6回「ヴィッキー 6 “コルネリア”up
誕生パーティーの大騒ぎの時、ヴィッキーが21歳になったことを知った。彼女の世慣れた言動、それにはち切れんばかりに熟れ切った身体から、なんとはなしに、私よりはるかに歳を食った、20代の後半か30に手がかかっていると思っていたのだ。 ラテン系の人は早く成長し、早く老ける…のを幾人となく目の当たりにしてはいたのだが、見事に想定年齢を狂わせられたのだ。ヴィッキーには恥じらい、可憐さのカケラもなく、その対極の堂々とした開けぴろげな押しがあった。 彼らがパーティーから去った後は、まるで豚小屋のようだった、などといえば豚に失礼になるような惨状だった。テーブルクロスはこぼしたワイン、リキュール、ジンギスカンのタレでテーブルにへばりつくようにグッショリと濡れ、タバコ、マリファナのコゲ跡だらけだった。汚れた皿やグラス、ナイフ、スプーン、フォークは洗い場に収まらず、カウンターに積み重ねたままにして店を閉めたのだった。

佐野 草介

佐野 草介 

バックナンバー

2018/02/15掲載

■亜米利加よもやま通信
~コロラドロッキーの山裾の町から
 
第549回「食は文化と呼べるか?」 

日本に行く楽しみの一つはなんといっても食べ物です。バラエティが豊富で、どこの国のどんな料理でも最高のモノを味わえるし(もっとも、それなりのお金を払えば…という条件付きですが)、何を食べても回転寿司クラスの私の舌を十分に堪能させてくれます。 飽食の時代と言われるようになってからもう久しくなります。日本でチョットした町なら、凝ったお料理を出すレストラン、料亭、料理屋さんが必ずあります。食の文化は豊かさの象徴なのでしょうね。 数年前、JRの外国人用パス、21日間乗り放題というのを使い、北海道から九州の南端まで駆け足で旅行したことがあります。気が抜けるほど驚いたのは、新幹線や特急が止まる駅前風景がどこもほとんど同じだということです。そして、歴史あるはずの名物や美味いものの代表がことごとく何とか・・・

グレース・ジョイ

Grace Joy 
(グレース・ジョイ)
バックナンバー

2018/02/15掲載

■『ひとつひとつの確かさ』
~表現哲学詩人 谷口江里也の映像詩
 
第17回「台風の後の小径 ~The Path After Typhoon」
 
up

 17_ts

台風の後の小径。
いつも歩く小径。
折れた小枝。
あたり一面に飛び散った木の葉。…

elia

谷口 江里也 

バックナンバー

2018/02/01掲載

■よりみち~編集後記  

2018年最初の国会が1月22日から開かれているのだが、日本の政治の限界を強く感じる。昨年末の国会でも焦点となっていた「モリカケ問題」が追及しきれずに、時間稼ぎの答弁や証人喚問の拒否など妨害されてまんまと逃げられたのだが、新年となって、さらに「モリカケスパ問題」に発展して、ついに関係者の証人喚問にまで持っていけるのかと期待していたのだが、野党による国会での追及には限界があることが分かった。安部政権には忖度官僚ががっちりと周囲を固めており、どのような質問や難題を出されても、すべて官僚たちが日本一の頭脳集団を使って屁理屈と訳の分からない法令で守り、どんな状態になっても安部政権の存続を守り切る体制が整っているのだ。何度も繰り返し証人喚問を要求しても、委員会の承認が得られなかったとし、さらに踏み込んで要求しても・・・

よりみち

「のらり」編集部

バックナンバー


【のらり文庫】電子書籍販売中

mail お問合せ・ご意見はこちらから

バックナンバー
インタビュー


<<佐野 草介の著書>>amazon2
アウトローシリーズ 1
amazon cover
ブッチ&サンダンス
ワイルドバンチの素顔を追って

Kindle版
 
<<佐野 草介の著書>>
アウトローシリーズ2
amazon2 amazonPO8 Cover
ブラック・バート“PO8”
駅馬車専門の紳士的怪盗

Kindle版

<<佐野 草介の著書>>amazon2
アウトローシリーズ 3
amazonEarp Cover
ワイアット・アープと
OK牧場の決闘の真相

Kindle版

<<佐野 草介の著書>>amazon2
アウトローシリーズ 4
amazonKid Cover
ビリー・ザ・キッド
真実の素顔を追って

Kindle版

<<佐野 草介の著書>>amazon2
アウトローシリーズ 5
amazonjjames_cover
ジェシー・ジェイムス
創られた英雄伝説

Kindle版


<<佐野 草介の著書>>amazon2
アウトローシリーズ 6-10
amazonjyoketsu_s
西部女傑列伝
伝説の女性アウトローたち

Kindle版 出版済



<<佐野 草介の著書>>

kindle版
貿易風の吹く島から
カリブ海のヨットマンからの
電子メール

Kindle版


<<Grace Joyの著書>>

joy_coveramazon
グレートプレーンズのそよ風
アメリカ中西部今昔物語

Kindle版


<<谷口 江里也の著書>>
amazon01

ibiza-catamazon
イビサ島のネコ
Los Gatos de Ibiza



<<杉山淳一の著書>>
amazon

amazon01
ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。
日本全国列車旅、
達人のとっておき33選

  ■フロンティア時代のアンチヒーローたち [全151回] ~西部アウトロー列伝 Part1:Butch&Sandance
 佐野 草介
佐野 草介
■グレートプレーンズのそよ風 [計28回] ~アメリカ中西部今昔物語
 Grace Joy(グレース・ジョイ)
グレース・ジョイ
■貿易風の吹く島から [全157回] ~カリブ海のヨットマンからの電子メール
 佐野 草介
佐野 草介
■くらり、スペイン [計94回] ~移住を選んだ12人のアミーガたち、の巻/~イベリア半島ふらりジカタビ、の巻
 湯川 カナ
湯川 カナ
■拳銃稼業 [全58回] ~西海岸修行編
 中井 クニヒコ
中井 クニヒコ
■現代語訳『風姿花伝』 [全63回]
 ~世阿弥の『風姿花伝』を表現哲学詩人谷口江里也が現代語に翻訳

 谷口 江里也
谷口 江里也
■随想『奥の細道』という試み [全48回]
 ~谷口江里也が芭蕉を表現哲学詩人の心で読み解くクリエイティヴ・トリップ

 谷口 江里也
谷口 江里也
■鏡の向こうのつづれ織り [全24回] ~谷口江里也のとっておきのクリエイティヴ時空  
 谷口 江里也
鏡の向こう
■もう一つの世界との対話 [全24回] ~谷口江里也と海藤春樹のイメージトリップ  
 海藤 春樹_人形_IMAGES 谷口 江里也_詩_TEXT
もうひとつの世界
■岩の記憶、風の夢 [全57回] ~my United Stars of Atlantis
 谷口 江里也
岩の記憶

【のらり】更新ニュースを毎週発行しています。 ご希望の方(不要の方)ご登録ください。サンプル
※注意:現在、ジャンクメール増加のため自動登録を中止しています。こちらから「ニュース希望」とご連絡ください。



  TOP-トップページ》 《コラム一覧 》 《のらりインタビュー》 《コラム・バックナンバー
……………………………………現在連載コラム……………………………………
新・汽車旅日記 】 【店主の分け前 】 【イビサ物語
 【亜米利加よもやま通信 】 【ひとつひとつの確かさ 】 【よりみち
………………………………掲載完了イチオシコラム………………………………
[拳銃家業 ] [貿易風の吹く島から ] [ くらり、スペイン ] [グレートプレーンズのそよ風 ]  
  [フロンティア時代のアンチヒーローたち ]

   

このサイトに関するご意見・ご感想・お問い合わせはこちらまで。
Copyrights 2018 Norari