のらり      大好評連載中   
 
2015/02/19掲載

■新・汽車旅日記
〜平成ニッポン、いい日々旅立ち
 
第541回「三つのJR最南端駅 − 指宿枕崎線 指宿〜枕崎 −
 
指宿駅から枕崎駅へ。白い車体に青い帯色を巻いた気動車だ。この塗色は関東では小田急や東武の電車の色だった。いまはどちらも銀色の金属色になってしまって寒々しい。この気動車もかなり高齢だ。引退後はどうなるのかと思っていたら、上り列車として黄色い気動車がやってきた。快速列車“なのはな”に使われる新型車だ。同じ車両を肥薩線でも見かけたけれど、あちらは赤、こちらは黄色である。そういえば唐津線の気動車も黄色、ただし長崎本線は青だった。JR九州は、観光列車だけではなく普通列車も楽しい。都会の銀色の電車より色彩が鮮やかだ。“指宿のたまて箱”は3両とも満席だった。しかし枕崎行きの車内は10人ほどだ。あれだけいた人はどこへ行ってしまったか。指宿から観光に向かってくれたらいいけれど、黄色い“なのはな”に乗ってしまったとしたら、地元の人々は残念だろうと思う。指宿は温泉などがあり、砂蒸し風呂がテレビの旅番組で紹介されている。あれはちょっとやってみたい。そして、指宿枕崎線は、指宿から先も見どころが多い。指宿で引き返したらもったいない。

杉山 淳一

杉山 淳一 ※今週休載です

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2015/02/26掲載
■店主の分け前
〜バーマンの心にうつりゆくよしなしごと
 
第276回「流行り歌に寄せて No.86 「遠くへ行きたい」〜昭和37年(1962年)」 

「遠くへ行きたい」と、ふと思うことがたびたびある。私のように、完全に定着型の仕事をしていると、どこかフラッと一人旅をしたいという衝動に駆られるのである。一人旅、していないなあ。16年前に行ったスコットランド旅行以来、その機会はなかった。二泊三日でいい、人並みに命の洗濯というのに出掛けたいものである。どこか知らない地をゆっくりと歩く、そんな時間が欲しい。さてこの曲は、昭和37年、NHK総合テレビ『夢であいましょう』の中の、5月の『今月のうた』として、当時21歳のジェリー藤尾が歌ったもので、同番組で紹介された『上を向いて歩こう』から半年後に発表されたものだ。レコードは翌月、東芝レコードから発売されている。このシングル・レコードのジャケットが良い。モノクロ写真で、三日月の夜、どこかの波止場の埠頭に座りじっと水面を見つめるジェリーの姿が、浮かび上がるように映し出されている。どこか寂しげで哀愁を誘うジェリーの歌い方は、彼が中学1年生の時に若い英国人の母親を自殺で失い、その後父親にも見放され、愚連隊に入るなど、荒んだ生活を余儀なくされた・・・
金井 和宏 金井 和宏

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2015/02/26掲載

■フロンティア時代のアンチヒーローたち
〜西部アウトロー列伝 Part 5
 
第126回「ジェシー・ジェイムス〜創られた英雄 その126 連続犯罪行 

ジェシーの犯罪は次第に見境のない、行当たりバッタリのものになっていった。チョッと小耳に挟んだオイシイ話に飛びつき、行きがけの駄賃として、金を持っていそうな旅人、金のありそうな店を襲った。まさに手当たり次第に強盗を働くようになっていったのだ。1881年の3月11日、アラバマ州、マッスル・ショール運河近くのサルーンバーに現れ、情報を仕入れている。運河を掘っている人夫や技師の給料が近くのフローレンスの町に送られてきて、そこに保管されていると言うのだ。それをそっくりジェシー一味は頂戴した。その時、スムーズに大金を手にしたことに余程嬉しかったのだろう、ジェシーは南軍派の義賊ぶった態度で銀行員に、「お前の個人的な金は欲しくない。この金はすべて政府のものだから、頂くのだ」と見栄を切り、能書きを述べている。この頃から、ジェシーは顔をバンダナで覆うことすらせず、顔を晒し、逆にジェシー・ジェイムスの名を売ろうしているかのように振舞っている。このマッスル・ショールの強盗は、ジェシーの有終の美を飾る強盗だった。

佐野 草介 佐野 草介 

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2015/02/26掲載

■亜米利加よもやま通信
〜コロラドロッキーの山裾の町から
 
第402回「アメリカと外国の医療費の違い」
 
お正月早々、義理の弟が腰と背骨の手術を受けることになり、彼を病院まで運び、手術に立会うことこそしませんでしたが、彼の奥さん(私の妹ですが)が仕事を終え、バトンタッチするまで14時間付き添いました。彼はほとんど立っていることができないほどの痛みを訴え、お医者さんに罹ってからかれこれ3、4ヵ月も待たされ、やっと手術することになりました。その前にも何度か手術の予定が取れたのですが、保険会社が彼の症状、病状では、その手の手術は認められない…と否定してきたので、手術が延び延びになっていました。その間、彼は寝返りも打てないほどの痛みを抱えて過ごしていたのです。偶然、一番下の妹の旦那さんも急性肺炎らしき症状に苦しみ、呼吸系のお医者さんに予約の電話を入れたところ、次の予約は6ヵ月先しか空きがないと言われ、救急病院へ行き、診察を受けました。救急病院では一応の応急処置はしますが、いわば何でも屋で、そこから専門のお医者さんに回されるのですが、その専門のお医者さんの方が予約満席状態で、4、5ヵ月先まで予約が取れないというのです。

グレース・ジョイ Grace Joy
(グレース・ジョイ)
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2015/02/26掲載

■現代語訳『枕草子』  
〜表現哲学詩人谷口江里也が翻訳

第1回「その1 春はあけぼの」  
春はあけぼの、少しづつ、白みをまして明けていく、その夜明けの風情の素敵さ。山の稜線も、ほんの少し明るくなって、紫色を帯びた雲が、細くたなびく。夏は夜。もちろん月が光っていればなおのこと。たとえ月がなくて、暗い闇夜であっても、ホタルがたくさん飛び交うようすは格別。そうではなくて、ホタルがひとつふたつと、ほんのりと光をたたえて飛んでいたりするのも、とってもきれい。雨が降っても、それはそれでわるくない。秋は夕暮れ。山に夕陽が落ちていき、なんだか山が、とても近くに感じられるなかを、カラスが寝床へ行こうとして、三羽、四羽、あるいは二羽、三羽と、急いで飛んでいく、そんなようすにも心をひかれ、ましてや夕暮れの空の高みを、雁が連なって渡っていくのが小さく見えたりするのは、ほんとうに素敵。陽がすっかり暮れて、ふと、風の音や虫の音が聞こえてきたりなどすれば、もう、言葉に表せないほど、うれしく愛おしい。冬は朝の早くがいい。空から雪が降ってくるようすの素晴らしさはもちろんだけれど、地面に霜が白く光っているのもよくて、また、ひときわ寒い朝に・・・

谷口 江里也 谷口 江里也

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2015/02/19掲載

■よりみち〜編集後記  

2015年に入って、イスラム過激派組織のアルカイーダ系の風刺新聞社の襲撃事件や自称「イスラム国」(ISIL)による日本人2名の人質殺害事件、そしてデンマークでの風刺画家を狙った襲撃事件など、テロ事件が頻発している。日本人人質事件では、それに乗じた(?)のか、安倍総理は海外での人質事件等に自衛隊派遣を正当化させようとしたり、集団的自衛権行使容認の方向へと国民の関心を持っていき、憲法改正の流れをどうしてもつくりたいようで、その強引な手法に恐怖を覚える。安倍総理は一体何を考えているのだろう? 深読みをすると、この人質事件を契機にアメリカと相談をして勝負に出たのではないかとさえ思える。人質事件の発生を周知の上、身代金要求の事実まで分っていながら、イスラエルでのネタニエフ首相との握手や、ユダヤ人迫害の歴史をまとめたホロコースト博物館でのパフォーマンス、エジプトでのイスラム国を名指して、「ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します」と明言してしまっていること。人質事件が公になった後も、人命救助が最優先と発言して、あらゆる可能性を使って交渉する・・・

よりみち 「のらり」編集部

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  ■フロンティア時代のアンチヒーローたち [全151回] 〜西部アウトロー列伝 Part1:Butch Cassidy(ブッチ・キャサディ)
佐野 草介
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■グレートプレーンズのそよ風 [計28回] 〜アメリカ中西部今昔物語
Grace Joy(グレース・ジョイ)
グレース・ジョイ
■貿易風の吹く島から [全157回] 〜カリブ海のヨットマンからの電子メール
佐野 草介
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■くらり、スペイン [計94回] 〜移住を選んだ12人のアミーガたち、の巻/〜イベリア半島ふらりジカタビ、の巻
湯川 カナ
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■拳銃稼業 [全58回] 〜西海岸修行編
中井 クニヒコ
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■現代語訳『風姿花伝』 [全63回]
 〜世阿弥の『風姿花伝』を表現哲学詩人谷口江里也が現代語に翻訳

谷口 江里也
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■随想『奥の細道』という試み [全48回]
 〜谷口江里也が芭蕉を表現哲学詩人の心で読み解くクリエイティヴ・トリップ

谷口 江里也
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■鏡の向こうのつづれ織り [全24回] 〜谷口江里也のとっておきのクリエイティヴ時空  
谷口 江里也
鏡の向こう
■もう一つの世界との対話 [全24回] 〜谷口江里也と海藤春樹のイメージトリップ  
海藤 春樹_人形_IMAGES 谷口 江里也_詩_TEXT
もうひとつの世界
■岩の記憶、風の夢 [全57回] 〜my United Stars of Atlantis
谷口 江里也
岩の記憶

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