のらり 大好評連載中
2019/11/21掲載

■新・汽車旅日記
~平成ニッポン、いい日々旅立ち
 
第702回「クモハ123形の旅 - 小野田線 居能~長門本山 -」

長門本山行きの電車は1両。車体の両側に運転室がある。そんな電車がまだ残っていたなんて。近づいて見れば、さっきすれ違った、古めかしい車両と同型だ。形式番号を見ると“クモハ123”だった。ああ、君か! と、まるで旧友に出会ったような、いや、噂の人物に意外なところで出くわしたような気がした。クモハ123形は国鉄時代に“クモニ”または“クモユニ”と呼ばれた電車を改造して作られた。初歩知識だけど、クは運転台付き、モはモーター付き、ハはイロハのハで3等車、今は普通車と呼ぶ。ニは荷物車、ユは郵便車だ。クモニは荷物を運ぶ電車で、クモユニは郵便と荷物を運ぶ電車だ。国鉄時代はチッキ便という小荷物輸送や郵便輸送を行っており、専用の電車が作られた。座席がなく、荷棚や郵便仕分け棚をしつらえた電車だ。荷物電車や郵便電車は、単体で走ったり、定期運行する普通電車に連結されて走ったりした。東海道本線の近郊型普通列車の先頭に、山手線のような貫通扉のない顔をした電車が…

杉山 淳一

杉山 淳一 ※今週休載です

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2019/12/12掲載

■店主の分け前
~バーマンの心にうつりゆくよしなしごと
 
第386回「流行り歌に寄せて No.186「海は恋してる」~昭和43年(1968年)」 up 
小さい頃から、海が苦手だった。60年近く前の話になるが、母方の祖父母と伯父家族が、神奈川県の二宮町の海のすぐそばに瀟洒な家を作り、住んでいた。伯父は、当時初代の帆船「日本丸」の通信長を勤めていた人で、羽振りが良い生活をしており、夏休みになると自宅に親戚を呼んでくれていた。私にとっては、母方の多くの従兄弟と会える大変に楽しみな時間ではあったが、当然行なわれる砂浜での遊びがいやでたまらなかった。波打ち際から少なくても50メートルは離れた位置までしか近づけない。波打ち際で、多くの従兄弟たちが撮った写真には、私の姿はいつもなかった。こちらにしてみれば、よくそんな恐ろしい場所にいて、笑顔でカメラに収められるものだ、この人たちは少しおかしいのではないかと考えていた。この曲が発売されて「海はすてきだな」という最初のフレーズを聴いた時、ああこの人たちもあちら側にいられる人たちなんだなあと感じた。もう一つ。中学校での修学旅行で、道中、まったく…

金井 和宏

金井 和宏 
   
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2019/12/12掲載

■イビサ物語
~ロスモリーノスの夕陽カフェにて
 
第97回「ピノッチョとペドロ その1」
up
スペインには相当強い“食の中華思想”があったと思う。何でもかんでも、スペインのモノ、ワインも食べ物も最高で、それも地方ごとに我が土地のモノが最高だと本気で思い込んでるのだ。少なくともフランコが生きていた時代に、他の国から食料、食品を輸入することは極めて少なかったから、先祖代々何百年に渡って食べてきたオラが土地のものが一番だという、味の頑固さが育ったのだろうか…。そうかと言って、彼らが美味いモノを求めて広く逍遥し、やはり地元の食が、オラが口に一番合っているという客観性は全くなく、徹底して他のものを受け付けなかった。その当時、マドリッドはすでに人口200万人近くを抱える大都会だったが、まともなドイツのレスランは一軒、フレンチレストランも数軒、中華料理店に至っては下等なモノとみなされていたのだろう、ティルソ・デ・モリーナ広場地区の場末に、亡命キューバ人がやっている得体の知れないのが一軒あるだけで、他に何千軒とあるレストランはすべてがスペイン料理、ヴァレンシア、…

佐野 草介

佐野 草介 

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2019/12/12掲載

■亜米利加よもやま通信
~コロラドロッキーの山裾の町から
 
第638回「世界遺産が地域をダメにする」up 

アメリカ人が定年退職し、まず何をするか、したいかのトップランキングに挙げられるのは、国立公園巡りでしょう。ホテル、モーテルに泊まり歩くよりも、キャンピングカー、トレーラーで回るのが一般的かもしれません。私たちが訪れた国立公園、グランドキャニオン、イエローストーン、アーチスなどで、定年組にたくさん出会いました。その中の半数くらいは、数年かけて、すべての国立公園を回るつもりだと語っており、スタンプ帳にそこを訪れた証明、記念になるのでしょう、マメにスタンプを押していました。それに、定年組には国立公園老人パスを20ドルで買うと、生涯、61ヵ所ある国立公園、129ヵ所の国定公園が入場無料になる役得があるのです。入園料にバラツキがありるものの、15ドルから30ドルですから、かなり大きな特権です。おまけにキャンプ場も大型割引が適応されます。アメリカの貧しい老人社会保障政策をそんな形でカバーしているのかもしれませんね。アメリカの国立公園は、アメリカが世界に誇れる数少ないものの一つです。

グレース・ジョイ

Grace Joy  
(グレース・ジョイ)
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2019/12/05掲載

■ギュスターヴ・ドレとの対話
~谷口 江里也
 
第25回「老水夫行」
 
1875年に発表した、サムエル・コールリッジ(1772~1834)の詩にあなたが挿絵を描いた『老水夫行』は、古典文学の世界を丸ごと視覚化するというあなたの壮大なプロジェクトの実質的なスタート宣言だった『さすらいのユダヤ人の伝説』と同じ全紙版の、ほとんど画集というべき特大サイズの詩画集でした。 『老水夫行』はコールリッジの代表作の一つで、桂冠詩人 ワーズワースとの共作でロマン主義の扉を開いたとされる『叙情歌謡集(Lyrical Ballads)』の巻頭詩で、かつては船乗りだった老人が経験した不思議な航海とその顛末を、結婚式に招かれた若者を道端で強引に呼び止めて語りかける形式の詩です。 物語は、航海の途中に船が南氷洋に流されてしまい、凍りつく船の上に現れた一羽の海鳥アルバトロス(アホウドリ)を追って進むことで、船はかろうじて南氷洋を脱出しますが、まだ若かった老人はその海鳥を弓矢で射殺してしまいます。船はなんとか赤道あたりまで辿り着きますが、海鳥の呪いによって灼熱の中、無風状態の凪が続き進退ならない状態に陥ります。

elia

谷口 江里也 

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2019/12/12掲載

■よりみち~編集後記 up  
今年も安倍ネツゾウさんに振り回され続けた一年だったように思える。思い出すと2017年の年の瀬は森友学園問題で不正売買契約の件で追及が続いていたし、昨年の2018年の年末には、加計学園問題で国会での証人喚問が拒否され、モリカケ問題の公文書の隠ぺい、改ざんについての追及が越年していたわけで、今年の年末も「桜を見る会」での公文書廃棄問題で国会審議から逃亡した状態で、モリカケ問題と同様に、審議時間切れで逃げ切り、忘れさせる作戦がまた始まった状態となっている。このモリ・カケ・サクラ問題の共通する大問題は、公文書の保存管理、そして公文書の公開原則を政府自らが法を破っていることだ。公文書の改ざん、公文書の隠ぺい、そして最期は公文書の廃棄までに及び、これではこの政府を誰が信用できるだろうか? そして、この悲劇が公文書の番人であり、その生命線となる国家の官僚組織が、人事権を握られている弱味はあるだろうが、官邸の言いなりとなり(言われる前に忖度して実行しているのだろうが…)、公文書を改ざんし、隠ぺいし、シュレッダーにかける仕事をしていることだ。もうプライドも何も持ち合わせていないことは明らかだ。

よりみち

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