のらり 大好評連載中
 
2016/08/18掲載

■新・汽車旅日記
〜平成ニッポン、いい日々旅立ち
 
第598
回「トロッコ列車の美女 - しまんトロッコ -」 

宇和島行きの「しまんトロッコ」は14時14分に発車する。窪川駅の滞在時間は30分。改札を出て、駅舎を撮る。少し街を歩いてみる。10分ほど巡って、モダンな建物を見つけた。四万十町役場だ。予土線開通40周年記念写真展開催中。先にこっちへ歩けば見物できた。惜しい。自販機で飲み物を買ってホームに戻った。予土線開通40周年記念列車のポスターがあった。江川崎駅ですれ違った特急車両だ。今日は「よど」、昨日は「グリーンさん」の列車名で走った。車両の名はアイランドエクスプレスII。4両編成のうち中間の2両は公募無料招待者60名が乗り、1両は乗車券があれば誰でも乗れて、1両は未使用車となっていた。事前に知っていれば行程に組み込めたかもしれない。それがわかると悔しいから検証はしない。しまんトロッコは黄色の車体の2両編成だ。前はキハ54、ロングシートの気動車だ。これはトロッコ車を動かす機関車としての役割と、突然の大雨などでトロッコ車にいられない時の控え車の役割を持つ。トロッコは狭いから、乗客の荷物置き場としても使われる。私もここに旅行鞄を置いて、カメラと携帯電話だけ携えてトロッコ車に乗った。外国人観光客なら治安の良さに驚くだろう。

杉山 淳一

杉山 淳一  ※今週休載します

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2016/08/18掲載
■店主の分け前
〜バーマンの心にうつりゆくよしなしごと
 
第310回「流行り歌に寄せて No.115 「柔」〜昭和39年(1964年)」  

男子柔道、リオデジャネイロオリンピックにおいて、金2、銀1、銅4と、全7階級でメダルを獲得という快挙を達成した。前回のロンドンオリンピックでの、金メダルなし、銀2、銅2のみで終わった成績を考えると、まさに大きな躍進だと思う。私はこの好成績を得ることができたのは、井上康生監督の徹底した「現実路線」があったからだと考える。かつての多くの指導者たちは、本来の柔道のスタイルと、国際的になったとされる “JUDO”というスポーツのスタイルの間(はざま)でずっと悩み続けてきた。ところが、井上監督はサンボなどの他のいくつかの格闘技を練習の中に組み込むなど、現実的に相手のどのような動きにも対応できるスタイルを身につけさせていった。かつて日本選手が敗れた相手選手に対し「こんなの柔道じゃねえ」と悔しさをにじませた故・斎藤仁元監督の思いに、柔道じゃない者にも対応できる選手たちを作り上げることで、ある種の敵討ちを果たしたのである。今でも日本は国際柔道連盟から脱退したほうが良いと考えている者だが、飽くまで今ある国際柔道競技と向き合っていく路線を選択するとすれば、井上監督は今回、たいへん大きな仕事を成し遂げたと思い、尊敬している。
金井 和宏 金井 和宏  

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2016/08/25掲載

■フロンティア時代のアンチヒーローたち
〜西部女傑列伝 2
 
第15回「ベラ・スター 〜ジム殺害の真相」
 
「ジム殺害の真相」…と、気取って週刊誌的なタイトルを付けてしまったが、以下は推理半分の"ジム暗殺"の談話のまとめである。まず、ジム・リードが身を潜めていたラッセル牧場の持ち主、ヘンリー・ラッセルにはすでに逮捕状が出ていた事実がある。容疑はオースチン=サンアントニオ駅馬車強盗の幇助で、保安官補ジョン・モーリスはヘンリー・ラッセルをジム・リードと同時に逮捕できる立場にあったがそれをしていない。それどころか、保安官補モーリスはヘンリー・ラッセルの家に一泊している。そこにベラ・スターも一緒に滞在していたことは幾人もの証人がいる。モーリスがジム・リードをどう誘ったのか、アーカンサスへの旅に同行させた時、ベラ・スターは体調が優れないという理由で一緒には行かなかった。確証はないものの、ベラ・スターはモーリスの“アーカンサス行き”に胡散臭いものを感じていたに違いない。この時点では、モーリスは自分が保安官補になっていることを誰にも明かしていないのだが…。モーリスとジム・リードがどの程度かは分からないが、旧知の間柄だったと思える。牧童、アウトローたちの狭い世界で、当時まだ小さな町だったダラスの酒場や周囲の牧場で顔見知りだった可能性は高い。

佐野 草介 佐野 草介 

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2016/08/25掲載

■亜米利加よもやま通信
〜コロラドロッキーの山裾の町から
 
第477回「新時代の旅とスマートフォン」
 

私たちが長年水上生活をしていたことは何度か書きました。もうかれこれ三十数年も前のことになってしまいますが、その時代でも、周囲のヨット仲間は100%と言ってよいでしょうか、皆GPSと電子海図をモニタースクリーンにインターフェイスしたチャート・プロッターと呼んでいる、海図の上に自動的に船の位置が表示される道具を装備していました。カーナビのヨット版とでも言えば当たっているかしら。ところが、ウチの仙人は、「海、ヨット、航海の良さ、面白さは、太陽の角度を六分儀で測り、自分で計算して位置を出し、海図に三角定規で航路を取ること。それがヨットスポーツの大切な一部だ」と、そのような便利すぎる航海計器を一切積まず、紙のチャート(海図)に鉛筆で線を引いていました。まあ、それでカリブ海の島々、南米など、行きたいところに行けたのですから、彼流の昔くさいやり方で良いのでしょう。問題は六分儀、クロノメーター、紙の海図の方がGPSよりはるかに値が張ることです。

グレース・ジョイ Grace Joy
(グレース・ジョイ)
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2015/10/15掲載

■現代語訳『枕草子』
〜表現哲学詩人谷口江里也が翻訳

第17回「市は、辰の市」  
市は、たつの市、さとの市、海石榴(つば)市など、大和には市のついた町がたくさんあるけれども、長谷寺にお参りをした人が、必ずのようにこの地に泊るのは、観音さまとのご縁を大切にしたいという、特別の気持があるからだろう。ほかにもこのあたりには、おふさの市や、しかまの市や、もちろん飛鳥の市もある。峰といえば---峰といえば、ゆづる葉の峰、阿弥陀の峰、そしていやたかの峰。原には---原には、みかの原、あしたの原、園原なんていうのもある。淵には---淵には、かしこ淵というのがあるけれども、一体どういう気持で、どなたがそうと教えて、そんな名前になったのだろう。青色の淵なんていうのも面白い。まるで蔵人が着るお召しのよう。ほかにも、隠れの淵や、いな淵なんていうのもあって面白い。海といえば---琵琶湖のみずうみ、与謝の海、そして、かはふちの海。陵には---陵みささぎには、うぐいすの陵、かじはぎの陵、そして、あめの陵などがあって、どれも歌に歌われして風情がある。       

谷口 江里也 谷口 江里也

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2016/08/25掲載

■よりみち〜編集後記  

リオ・オリンピック2016が心配されたテロなどもなく無事終了した(まだパラリンピックが残ってますが…)。開催前に色々と問題が指摘され、施設の建設などの準備不足が心配され、メインスタジアムは大丈夫かとか言われていたが、さすがラテンの血が入っているブラジルらしく、のんびりムードながら、やることはぎりぎりでも間に合わせたようで、大きな問題も起こらず、気持ちのよい印象を残して閉幕した。TV中継では分からなかったが、テロ対策には真剣に取り組んでいたようで、警備のための兵士がいたるところにいて、物々しい警戒が実施されていたようだ。どうしても、次回開催予定の東京オリンピック2020のことが気になってしまい、日本でならどう対応するのか、どうイベントを演出するのかという目で観てしまったのだが、オープニングを飾る開会式でのブラジルの見事な演出(映画監督のフェルナンド・メイレレス氏が担当)で、しっかりとブラジルの実力やポリシーを表明し、人々の心を釘づけにした。それも今までになく低予算で、エコロジカルな開会式になっていたと思う。

よりみち 「のらり」編集部

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  ■フロンティア時代のアンチヒーローたち [全151回] 〜西部アウトロー列伝 Part1:Butch Cassidy(ブッチ・キャサディ)
佐野 草介
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■グレートプレーンズのそよ風 [計28回] 〜アメリカ中西部今昔物語
Grace Joy(グレース・ジョイ)
グレース・ジョイ
■貿易風の吹く島から [全157回] 〜カリブ海のヨットマンからの電子メール
佐野 草介
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■くらり、スペイン [計94回] 〜移住を選んだ12人のアミーガたち、の巻/〜イベリア半島ふらりジカタビ、の巻
湯川 カナ
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■拳銃稼業 [全58回] 〜西海岸修行編
中井 クニヒコ
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■現代語訳『風姿花伝』 [全63回]
 〜世阿弥の『風姿花伝』を表現哲学詩人谷口江里也が現代語に翻訳

谷口 江里也
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■随想『奥の細道』という試み [全48回]
 〜谷口江里也が芭蕉を表現哲学詩人の心で読み解くクリエイティヴ・トリップ

谷口 江里也
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■鏡の向こうのつづれ織り [全24回] 〜谷口江里也のとっておきのクリエイティヴ時空  
谷口 江里也
鏡の向こう
■もう一つの世界との対話 [全24回] 〜谷口江里也と海藤春樹のイメージトリップ  
海藤 春樹_人形_IMAGES 谷口 江里也_詩_TEXT
もうひとつの世界
■岩の記憶、風の夢 [全57回] 〜my United Stars of Atlantis
谷口 江里也
岩の記憶

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