のらり      大好評連載中   
 
2014/10/23掲載

■新・汽車旅日記
〜平成ニッポン、いい日々旅立ち
 
第527回「
山頭火のさびしさ - 日南線 南郷-志布志 -」 
南郷駅12時11分発の志布志行き。キハ40形気動車の単行であった。路面電車のように、1台の車両の両端に運転台がある。キハ40形という形式名の、一の位の0がそれを示す記号だ。同じ形式でも、片側のみ運転台があり、2両以上で使う車両はキハ47形という。日南線の末端区間はお客さんが少ないから、1両で十分という判断だろう。南郷から乗る客は私たちだけかと思っていた。実際は親子連れなど10人ほどがホームに並んだ。観光客ではなく、地元の人々のようであった。平日の日中ではあるけれど、今日は4月1日。春休みである。新入学や新生活の準備で買い物に出る人もいるようだ。この志布志行きは宮崎駅を10時30分に出発し"海幸山幸"を追ってきた。車内のお客さんもほどほどで、座席はすべて埋まった。終点の志布志市は人口3万人以上の都市で、国際貿易港もある。宮崎と結ぶ路線なら、もう少しお客さんが多くても良さそうな気もする。キハ40系は国鉄時代の古い車両である。私の高校時代は新車だったから、車齢はもう30年以上だろうか。現在も全国的によく見られる。もともと壊れにくく、壊れても修理がきく設計のようだ。質実剛健の時代を反映している。

杉山 淳一

杉山 淳一 

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2014/10/23掲載
■店主の分け前
〜バーマンの心にうつりゆくよしなしごと
 
第268回「流行り歌に寄せて No.78 「山のロザリア」〜昭和36年(1961年)」
 
スリー・グレイセスと言えば、私は「ワッ、ワッ、ワーッ、輪が三つ、ワッ、ワッ、ワーッ、輪が三つ、ミツワッ、ミツワッ、ミツワ石鹸」、「オー・マイカラー、アサヒペン、マイ・ホーム、アサヒペン」などのCMソングを、まず思い浮かべてしまう。殊に三木鶏郎の手によるミツワ石鹸の方は、バトンガールと呼ばれる人形たちが本当に歌って踊っているような、ピッタリとイメージにはまった素晴らしいCMだったと今でも思っている。そして、ときどきYouTubeでの画像を閲覧している。他にも「ランラン、ラランラーン」の『愛のスカイライン』のCM、「チョッコレート、チョッコレート、チョコレートは明治」の初代CM。また、TVドラマ『時間ですよ』の美しいハーモニーや、TVアニメ『魔法使いサリー』『さすらいの太陽』のテーマ曲も、彼女たちの声によるものだ。メンバーは、リーダーでアルト担当が石井(後に森本)政江、その妹である石井(後に星野)がメロディーを担当し、長尾(後に白鳥)華子がソプラノを受け持っていた。清廉で柔らかく、知的でやさしさのあるコーラスである。昭和33年に結成され、ダーク・ダックス、ボニー・ジャックスを手掛けた名プロデューサー小島正雄に徹底的に鍛えられて、昭和34年にデビューを果たす。
金井 和宏 金井 和宏

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2014/10/23掲載

■フロンティア時代のアンチヒーローたち
〜西部アウトロー列伝 Part 5
 
第109回「ジェシー・ジェイムス〜創られた英雄 その109 ミネソタ、ノースフィールド2 

1876年はアメリカ建国100年記念に当たっていた。カスター中佐が建国100年にふさわしいインディアン殲滅を意図し、逆に壊滅したわけではないだろうが、ジェシーたちはその年に、なにか大仕事をしようと、再三、プロジェクト企画作戦会議を開いた。ジェシーは1876年の7月にホームグランドである西ミズーリー、レイ郡やクレイ郡で目撃されている。折から建国記念日、7月4日のお祭り騒ぎが全米を覆っていた。企画作戦会議にいたのは兄のフランク、コールとボブのヤンガー兄弟、それにニューフェイスのホッブス・ケリーという男が加わっていた。このケリーが記録、調書を残してくれたおかげで、ジェイムス&ヤンガー兄弟の様子を知ることができている。企画作戦会議は紛糾した。まず、襲撃ターゲットをどこにするか、また大金が確実にある場所を選ばなければならないし、ターゲットが北軍のシンパサイザーでなければ南にアピールできない。 また、襲撃の後、逃走が容易な地点が望ましい…などなどで目的が絞れなかった。人間は習慣の動物だとよく言われるが、すべての動物は習慣性が強く、人間もその仲間だと言い直した方が当たっているかもしれない。

佐野 草介 佐野 草介 

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2014/10/23掲載

■亜米利加よもやま通信
〜コロラドロッキーの山裾の町から
 
第386回「日本の食文化と食べ方」
  
日本で暮らしていて驚くのは、食べ物の情報量の多さです。新聞、雑誌でもどこだか産の農産物とか、何屋のお菓子、どこどこで漁れた海産物とか、いちいち産地を、しまいには生産者や農園の名前にまで及んでいます。レストラン、食堂の情報も溢れています。先日の夕方、ウチの地デジで入る5チャンネルのすべてが食べ物番組を放映していました。お料理教室、食べ歩き、レストラン紹介、グルメ食材探索など、この地球上で全人口の3分の1が飢えている現実はきれいさっぱり忘れられています。当たり前のことですが、テレビは視覚と聴覚のメディアですから臭いと味は直接伝わりません。そこで、どのテレビ局もお笑いタレントや女優さんに登場してもらい、飲み食いする現場、もぐもぐ食べる映像を写します。一体、動物が食べ物を漁るところは、決して美しいものではありえません。サメが弱ったイルカやクジラを食いちぎるところ、あれほど優雅なサバンナの動物たち、ライオンやヒョウが顔中血だらけになって草食動物を食いちぎるところは言うに及ばず、平和的な牛でさえ、一日中草を食み、ゲップをし続けるのは見苦しい光景とさえ言えます。

グレース・ジョイ Grace Joy
(グレース・ジョイ)
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2014/10/16掲載

■現代語訳『方丈記』
〜鴨長明の『方丈記』を表現哲学詩人谷口江里也が現代語に翻訳
 
第15回 方丈記  
たまたま聞き及ぶ都の便りによれば、どうやら、私がこの場所に移り住んできてから後に亡くなられた、高貴な方々がずいぶんといらっしゃるらしい。だとしたら、そういう身分にはない、名もない人々が、どれほどたくさんこの世を去っていかれたかなど、知るよしもないことだろう。たび重なる火災で家が燃えてしまった人も、どんなにいるだろうと思うけれども、この私の、粗末なつくりの庵に限っては、静かでのどかなばかりで、火事などとても起こりそうにない。いくら狭いとはいっても、夜に寝るために横になる所には木の床があり、昼のあいだ座って書物を読んだりする場所もある。自分一人が寝起きするにはまったく不足などない。ヤドカリは、自分の体に合った小さな貝を好んで家にするけれども、これはヤドカリが物事を良く知っているからだと思える。私も同じように、物事の道理を知り、この世の中で生きて行くということがどういうことかを良く知ったならば、余計なことを願ったりせず、あくせくしたりもしないだろう。

谷口 江里也

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2014/10/23掲載

■よりみち〜編集後記  

今年を振り返るのはまだまだ早い時期だと思うのだが、最近のニュースのスピードになかなかついていけない現実がある。2月にソチで冬季オリンピックがあり、ついこの7月にブラジルのワールドカップで盛り上がっていたはずなのだが、日本ではもうすぐスポーツの締めくくりイベントの日本シリーズ開幕である(北海道日本ハムファイターズは惜しかった)。さらに、世界情勢の方に目を向けるともう大変なことになっている。1月からタイ国の揺れ動きバンコクで非常事態宣言、2月にはウクライナ騒乱から内戦状態へ、3月にはマレーシア航空370便(239名)がインド洋で消息を絶ち、プーチン大統領がクリミアをロシアに編入宣言し、4月には韓国のクルーズ旅客船「セウォル号」沈没事故(294名死亡)、5月にはタイ国の軍事クーデター、6月は中国が南沙諸島での石油採掘でベトナムと衝突、7月にはウクライナ・ドネツクで、マレーシア航空17便(298名死亡)が撃墜され、またイスラエル軍のガザ侵攻開始し、8月の停戦合意まで断続的に攻撃し続けた。そして、8月には西アフリカ諸国にエボラ出血熱の感染拡大してパンデミックスが心配されており、シリア・イラクでイスラム国が侵攻を始め・・・

よりみち 「のらり」編集部

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