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■亜米利加よもやま通信 ~コロラドロッキーの山裾の町から
 

第894回:日本ブーム、日本食ブームそしてラーメン

更新日2025/04/10


日本が人気観光国、ぜひ訪れたい国のトップにランクされるようになってから久しいですが、それに加えて日本食ブームも止まるところを知りません。

ひと昔前なら、アメリカの大都会だけにあった日本食レストランは、日本から短期訪問している社用族、現地駐在員と彼らが接待に使うだけで、アメリカ人で生魚、すき焼きなどが大好きという人は、余程の食通か、日本に長期滞在したことのある人に限られいました。
 
ところが、今ではアメリカのどんな中小都市に行っても必ず日本食レストランがあります。私たちが下界と呼んでいる谷間の大学街にも3、4軒ありますし、毎年のようにスキー三昧を過ごしている人口5,000人内外の山間の町にも評判の良い日本食レストランがオープンしました。
 
日本食と言っても範囲がものすごく広く、そば、うどん、ラーメンなどの麺類から、丼もの、カレー(これも日本食でしょうね)、生姜焼き、焼き魚、ウナギ、そして典型的な天ぷら、寿司、刺身、肉ではしゃぶしゃぶ、すき焼き、さらに高級な割烹と広がるので、一口に日本食大好きと言っても、何が好きなのかチョット分かりかねます。

日本酒も小さなブームですが、まだまだワインほど広がっていません。燗をして呑むのがちょっとマニアに過ぎるのかもしれませんね。

普通の日本人は、すき焼きや寿司、お刺身を毎日食べているわけではないでしょうね。お味噌汁に漬物、ご飯、肉ジャガ、焼き魚でしょうか。

最近、ラーメンがブームになってきました。私が学生の頃ラーメンといえば、インスタントラーメンのことで、それも激安も激安で10個で1ドルでしたから、飢えを凌ぐ学生専用の食料とみなされていました。

マカロニ・アンド・チーズは4個で1ドル、ラーメンとともに学生の主食でした。カップヌードルが出たのはずっと後になってからのことです。どちらも全く健康食とはお世辞にも言えないシロモノでした。ともかく、飢えを凌ぐ、何でもいいからお腹をいっぱいにすることだけが目的の食べ物でした。

最近では、日本のスーパーほどではありませんが、どこのスーパーに行ってもインスタントラーメンの種類が格段と多くなり、しかも高級化しています。谷間の大学町にある日本食、アジア食品屋さんにはどこで誰が作っているのか生ラーメンまで売っていますし、スープの方も、私が学生時代に食べていた、小さな袋に入っていた粉末のスープではなく、椎茸だ、豚骨だ、飛び魚だ、と濃縮した液体、それとは別にスパイスまで付いている本格的な物が出回っています。

ラーメン専門レストランも現れ、これがまた結構流行っているようなのです。でも、猫舌の多い西欧人は、派手に大きな音をたてて熱い麺をズルズルと啜りあげるように吸い込む食べ方に馴染むのが難しいかもしれません。

日本教、いや狂と言った方が当たっているかな、スペイン人カップルが合気道修行のため、長期間日本に滞在し、ラーメンに遭遇しました。こんな美味しいものがあるのかとすっかりラーメンファンになりました。

問題は美味しいラーメン屋さんは、屋台のようにカウンターに5、6席のスペースしかありません。彼らがラーメン一杯食べ終わるまでに、隣の席は3回転した、日本人の口の中は熱いものを受け付ける特別な構造、皮膚を持っているのではないかと、食事を2、3時間掛けてゆっくり食べる習慣のある国、スペインからやってきたカップルは嘆いていました。

外国人にとって日本食の大きな壁は“ナットウ”です。第一に、口に入れる前から、あの匂い、腐った野菜の放つ臭気に驚かされ、そしてあのネバネバした糸を引く形状、どれをとっても食欲をそそられるものではありません。

世の中に奇妙な食べ物はたくさんありますが、日本人であれだけ広く食されている納豆(と言っても関西以西では最近まであまり食べないようですが…)はゲテモノではありません。私も納豆がウヘッとならずに食べられるようになるまで3年ほどかかったでしょうか。

よく日本に住み、日本通になるには納豆を美味しく食べられるかどうかが、一つの関門だと言われています。なんでも納豆は大変な健康食だそうです。 

もう一つは、お風呂屋さんに平気で行き、人前で素っ裸になり、蛇口の前で、カランというのかしら、地元、近所のお婆ちゃん、お母さん、姉さんたちと並んで身体を洗い、湯船に浸かることが自然にできるかどうかが日本通になるための第二の関門でしょうか。

外国人が日本に馴染み、日本通になるのは、結構な障害を乗り越えなければならないのです!

美味しいラーメンと、身体に良い納豆を一緒にしたらどうだろうと、おそらく日本狂いしたアメリカ人だと思いますが、納豆ラーメンなるものを考案し、これがまた人気を呼び、ブームにすらなっています(雑誌『New Yorker』による)。

食通の間でまだ権威を誇っている“ミシュラン”で、日本のラーメン屋さんが星を獲得する時代ですから、何でもアリなんでしょうけど…。

目の前にあるものを何でも食べる主義の持ち主らしきウチのダンナさん、「納豆ラーメンは食べたことないな~ラーメンも納豆も大好物だけど、一緒にしたらどんなことになるのかな~」とつぶやいています。

そして「ラーメンはグルメ食品ではないと思うけどなぁ、街に出て、寒い夜にチョイと寄る屋台のラーメン屋で食べるものじゃないか、800円、1000円以上のラーメンは反則だと思うよ、コンビニに行けば結構な弁当が500円くらいで買えるんだから…」とも、この私のコラムの日本語、テオニハをチックしながらのたまっています。

 

 

第895回:自分を笑える精神~川柳

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Grace Joy
(グレース・ジョイ)
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中西部の田舎で生まれ育ったせいでょうか、今でも波打つ小麦畑や地平線まで広がる牧草畑を見ると鳥肌が立つほど感動します。

現在、コロラド州の田舎町の大学で言語学を教えています。専門の言語学の課程で敬語、擬音語を通じて日本語の面白さを知りました。

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