第285回:レイプされ続ける沖縄
2012年9月16日にまた悲惨な強姦事件が起きてしまいました。仕事を終えて帰宅途中の沖縄女性を酔ったアメリカ水兵二人が襲い、強姦したのです。8月に同じような事件があったばかりです。犯人のスカイラー・メイジャー・ウォーカーは犯行を認めましたが、もう一人のクリストファー・ブローニングは容疑を否認し続けていましたが10月22日なってようやく犯行を認めました。
防衛庁沖縄防衛局長(随分長たらしい職名ですね)の武田博史氏は、『決して許すことのできない凶悪な事件で、極めて強い憤りを感じる』ともっともらしい立派なコメントを残しています。また、米国国防総省も、『深刻に受け止めている』と見解を発表しました。(時事通信)
オスプレイ配置の時も同じでしたが、日本の高官、政治家は"沖縄の人に私たちがこれだけ一生懸命、条件を交渉したという姿勢を見せればよい"、要するに日本人的な建前を前面に押し出し、アメリカから"できる限り、人口密集地帯の飛行を避ける"という言葉を引き出したことを、鬼の首でも取ったようにひらけ出していました。
こんなことはアメリカ軍にとって全くリップサービス以外の何物でもないことが日本の高官には分からないとすれば、余程の馬鹿か無能で、もし分かっていながらオスプレイ配置を受け入れていたとすれば、沖縄の人たちを愚弄していることになるでしょう。
第一に、具体性のない条約、協約には全く意味がありません。国際条約には、それに加て罰則も規定しなければ絵に描いた餅です。"人口密集地帯に明確な線を引き、ノーフライゾーンとし、そこへ侵入した場合には、これこれの罰則を科す"というのが条約です。
"できる限り"とか"まことに遺憾"とか"誠心誠意をもって善処する"というのは無能な政治家の聞き飽きた常套句、言い訳にすぎません。
私の生徒さんも、できの悪いナマケモノほど、「できるだけのことは、しんだけど…」 とか「これからできるだけガンバルから落第させないで…」と言い訳、愚痴をこぼします("I
did it as much as I could do."を聞くのはうんざりです)。無能力者の"できるかぎり"では充分でないのです。
沖縄の女性グループ『基地軍隊を許さない行動する女たち』がまとめた1946年からの統計によれば、米兵の犯罪で、基地に逃げ込み犯人未逮捕になっている事件が多いのに驚かされます。
また、沖縄県議会がまとめた1972年からの(それ以前の方が膨大な数の犯罪があったのですが)アメリカ軍の起こした県内での犯罪は574件あるとしています。
もともとアメリカ軍の体質がそのようにできているのです。軍のエライサンも東洋の女性が強姦されようが、表に出なければそれでよいと思っているのです。表に出てしまった以上は、"綱紀粛正"
"遺憾"と生臭坊主のお経のように唱えますが、今までもそうであったように、これからも何も変らないのは明らかです。
アメリカの軍隊の中では、知的?といわれている空軍内ですら、2011年に報告されれた女性の兵士に対する強姦、セクハラは3,192件あり、国防総省自身、正規に訴えたもの以外も含め、推定1万9,000件はあるだろうと認めています。
テキサス州のサンアントニオ近くのラックランド空軍基地には、新兵を訓練する教官が475人いますが、そのうち4人に対し軍法会議が続行中です。軍法会議は公開でありませんから、被害者、加害者の応答をそのまま読むことはできませんが、一人の教官が、自分への刑罰削減のため進んで供述し、それがマスコミに流れました。
彼は9人の女性新兵と日常的、習慣的に関係を持ち続けたと告白しているのに、その9人の女性たちの誰も訴え出ていないのです。お巡りさんに強姦されて、当のお巡りさんに訴えることなどできるはずがありません。
これがアメリカ軍の体質です。それに黄色い肌の東洋人蔑視が加わるのですから、沖縄に基地がある限り、強姦事件がなくなる道理がありません。唯一、そんな事件をなくす方法は、沖縄から米軍基地をなくすことだけなのです。
もし、日本の自衛隊員がテキサス州で、地元の白人の娘さんを強姦したならば、どんな大騒ぎになるか想像するのも恐ろしいことです。当の自衛隊員は、裁判になる前に拘置所内で他の囚人に虐殺されるか、または移送中に襲撃され、あっさりと殺され、その犯人は絶対に捕まらないでしょうね。もっと盛大なリンチにかけられるかもしれませんが…。
第286回:天気予報と地震予報
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