のらり 大好評連載中   
 
■亜米利加よもやま通信 ~コロラドロッキーの山裾の町から
 

第896回:女権、少子化、そして難民

更新日2025/04/24


日本の人口がどんどん減っていくのは大問題だと捉えている人がたくさんいます。確かに、税金、社会保障を払う世代が少なくなり、それを使う老人世代ばかりが増えるのは、国の財政にとって由々しき問題なのは私にでも想像がつきます。
 
子供のいない私が少子化問題を語る権利はないなどと言わないでください。
何でも日本では再生率?と言うのかしら、夫婦が平均何人の子供を作っているかの数値です、は1.57人だというのです。

二人で1.57人しか生産?しないのですから、先細りもいいところで、このままで行くと、将来、日本人は地球上にいなくなることになります。それに加えて、初めから結婚しない若者が増えていると言います。

ウチのダンナさんの甥っ子二人は50過ぎですが、結婚する気配は全くありません。日本にはお見合いという、少し社交性に欠け、異性にアプローチできない若者だけでなく、中年、果ては老人のためのマッチメイキングのシステムがあるのに、それでも結婚しないのは、結婚にそれだけの魅力がなくなっているからでしょうか?
 
私たちのように子供のいない夫婦、ダンナさんの親友で4組もいます。
これじゃ、人口が減るわけです。

結婚しない女性が増えているのは、一つに、ホンの小さな理由ですが、女性が強くなり、結婚して旦那に頼らずに、自立して生きていけるようになったからかもしれません。

小さなシリーズで以前に書いた『抜きん出た女性たち』はウーマンリブの旗を所構わず振り回す女権論者ではなく、彼女たちが自分の興味、感心を抱いたことに集中し、研究し続けたことを評価し、尊敬したからで、何も男性と比較したわけではありません。

彼女たちにそんな意識、対男性、男どもに負けられるかは全くなかったでしょうし、彼女らの大半は結婚して子供を人か持っています。
 
私も女ですから、女性の立場が向上することに大賛成です。しかし、ギスギスしたウーマンリブのやり方にはチョット全面賛成できません。
 
日本の女性の立場、女性の国会議員、地方議員、会社内での管理職、賃金などの要素を比較したランキング(GEPジェンダー・エンパワーメント指数で57位、GGI男女平等指数では101位)では、先進国中最下位で、限りなくイスラム教国に近いのです。

子育てをしながら、議員や管理職を務める女性、母親は大変な障害を乗り越えなければならないのです。これじゃ結婚しても子供を作れません。
 
アメリカで俗にヒスパニックと呼ばれている、中南米からの移民の比率が増えつつあります。彼らのほとんどがカトリック教徒で、“産めよ、増えよ、地に満ちよ”を実践していますから、ヒスパニック系の人口が白人を追い抜くのは間近だと言われています。もうすでに黒人より多くなっています。

ヒスパニック系は家族、血のつながりを大切にする大家族主義ですから、アメリカに居住権を持つ誰かがいると、それを頼ってワンサと押しかけてきます。違法の移民です。

彼らを追い出しにかかったのがトランプ政権です。ヒスパニック系の労働者に大々的に頼っている農業、果樹園、それに養鶏、養豚、それにつながる肉処理工場などは大打撃を被っています。

まだ、不法な滞在者を追い出せば、アメリカの人口減に繋がると言っている評論家はいません。

日本は先進国の中で難民問題、不法居住者問題から逃れている珍しい国です。もちろん、東南アジアや中国から観光ビサで入国し、そのまま居座る人も多くいるでしょうけど、ヨーロッパの国々が抱えている難民問題と同等に考えることができないほど少数です。

ぐるりと周りが海に囲まれているという地理的な条件が大きいのでしょう。加えて、たとえ人口が激減しても、他所から外国人労働者を迎え、それで補うという発想が政府にないせいかと思われます。ハンガリーのように国境を塀で囲み、シャットダウンする必要がないのです。

人道的な立場から難民援助をしていた北欧、イギリス、フランス、ドイツなども受け入れのハードルを高くして、その皺寄せが地中海に面した国々、ギリシャ、イタリア、スペインに来ている現状です。
 
人口減少に悩む日本の解決策は、もっともっと移民を受け入れることです。日本で働いてもらって、税金を納め、順次居住権、永住権、国籍を与え、日本人になってもらうことです。

それには、政府が外国人のための日本語学校を作り、そこで1、2年しっかりと日常生活、仕事に用を足せる日本語を身につけさせることです。言語なくして、その国に同化することはできません。

政府が行なっている少子化対策、出産援助金とか夫の産児休暇制度はそれなりに一歩前進と評価しますが、とても根本的な少子化対策とはなりえません。

それとも、数十年前、人口が増えすぎた中国が行った“一人っ子政策”の逆を行って、夫婦たるもの子供を三人以上作らないと、反愛国者とみなし罰則の対象にする、牢屋にブチ込むぞ…とはいかないでしょう。

そんなことになれば、私たち夫婦は真っ先に逮捕されることになるでしょうね。

 

 

第897回:駐車場なしに何事も成り立たない

このコラムの感想を書く

 

modoru

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



Grace Joy
(グレース・ジョイ)
著者にメールを送る

中西部の田舎で生まれ育ったせいでょうか、今でも波打つ小麦畑や地平線まで広がる牧草畑を見ると鳥肌が立つほど感動します。

現在、コロラド州の田舎町の大学で言語学を教えています。専門の言語学の課程で敬語、擬音語を通じて日本語の面白さを知りました。

■連載完了コラム■
■グレートプレーンズのそよ風■
~アメリカ中西部今昔物語
[全28回]


バックナンバー

第1回~第50回まで
第51回~第100回まで
第100回~第150回まで
第151回~第200回まで
第201回~第250回まで
第251回~第300回まで
第301回~第350回まで
第351回~第400回まで
第401回~第450回まで
第451回~第500回まで

第501回~第550回まで
第551回~第600回まで
第601回~第650回まで
第651回~第700回まで
第701回~第750回まで
第751回~第800回まで
第801回~第850回まで

第851回:4年に一度のお祭り騒ぎ

第852回:自分の国籍を選ぶ権利
第853回:パリ祭とオリンピック
第854回:日本の「女子アナ」について
第855回:子供たちのアルバイト
第856回:アメリカの海外ニュースから
第857回:今年のスキーシーズン・・・
第858回:スマホはエゴイスティックな道具?
第859回:統計に現れない経済力
第860回:納税者が国を作っていること
第861回:アメリカ人はパレードが大好き
第862回:定番化してきた異常気象
第863回:アメリカ大統領選の怪
第864回:オリンピック賛歌 その1
第865回:オリンピック賛歌 その2
第866回:中世に引き戻された学校教育
第867回:高速道路は米語で何と言うの?
第868回:救世軍のリサイクルショップ
第869回:バックパックとランドセル
第870回:プラスティックの時代
第871回:集合住宅の奇怪な名前の件
第872回:ツーリスト・ゴー・ホーム運動に違和感
第873回:外見はやはり大切なのです…
第874回:ハロウィンはカボチャとお化けの日
第875回:お化け、幽霊の銃火器
第876回:「若き日は再びあらず、、、」
第877回:日本食は目で食べる?
第878回:海の嵐のこと、ヨットのこと
第879回:他人の目、外国人の目
第880回:ヨットウーマン、エレン・マッカーサーのこと
第881回:Mansplaining…
第882回:抜きん出た女性たち その1
第883回:抜きん出た女性たち その2
第884回:抜きん出た女性たち その3
第885回:抜きん出た女性たち その4
第886回:抜きん出た女性たち その5
第887回:地球を汚染する“ゾンビ井戸”
第888回:抜きん出た女性たち その6
第889回:抜きん出た女性たち その7
第890回:抜きん出た女性たち その8
第891回:抜きん出た女性たち その9
第892回:美味しい水、美味しい空気
第893回:アメリカを滅ぼす私兵軍団
第894回:日本ブーム、日本食ブームそしてラーメン
第895回:自分を笑える精神~川柳

■更新予定日:毎週木曜日