のらり 大好評連載中
2021/08/05掲載

■新・汽車旅日記
~平成ニッポン、いい日々旅立ち
 
第733回「展望車行ったり来たり - SLやまぐち号 徳佐~新山口 -」
 
徳佐駅に停まる前に通ったトンネルが島根県と山口県の県境だった。ここは山口県の谷間である。線路の両側から山が近づき、また離れていく。地図を見ると、この谷は阿武川が刻んだようだ。このまま新山口まで並ぶかと思ったら、長門峡駅付近で北に向かい、東萩で日本海に注ぐ。途中には阿武川ダムの大きな湖もある。中国地方の尾根は入り組んでいる。川の流れも予想外だ。さて、グリーン車の空席を見つけて「移席」できて良かったけれど、4人席の通路側で他人との相席は少し居心地が悪い。せめて窓際だったら景色に集中できる。しかし通路側から窓を見ると、左右のどちらも相席が視界に入る。社交的な人ばかりなら会話も盛り上がるし、盛り上げる自信もある。しかし、おしゃべりに夢中になると景色を眺める暇がない。すこし車内を見聞してこよう。前方はゴリラさんが座っているから、自然と足は後方へ向かう。4人グループと家族連れで賑わっている。

杉山 淳一

杉山 淳一  ※只今休載中です

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2022/01/13掲載

■店主の分け前
~バーマンの心にうつりゆくよしなしごと
 
第436回「流行り歌に寄せて No.236 「四つのお願い」~昭和45年(1970年)」
ちあきなおみのデビュー曲の『雨に濡れた慕情』、2曲目の『朝が来る前に』は、吉田旺(当時は本名である吉田央のクレジット)作詞、鈴木淳作曲のしっとりと情感を持って歌われる曲だった。3曲目は同じコンビでありながら、アップテンポで明るい曲調の『モア・モア・ラヴ』という曲を歌わせた。これは、昭和45年(1970年)の3月25日に発売されたものだった。ところが、不思議なことに、その僅か半月後の4月10日に、今回の『四つのお願い』をリリースしたのである。作曲は鈴久淳のままだが、作詞は白鳥朝詠に変わっている。通常、どんなに売れている歌手でも、シングルと次のシングルが出される間隔は、1ヵ月半はあるものだが、何かの事情があったのか、極端に短いスパンでの発売になった。『モア・モア・ラヴ』は、今では彼女のファンでもない限り、あまり記憶にない曲であり、『四つのお願い』とは、知名度に大きな差がある。それでもこの2曲は…

金井 和宏

金井 和宏  
   
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2022/01/20掲載

■音楽知らずのバッハ詣で
第11回「バッハを聴く資格 その1」
up
東西統合の後、私たちが一生に一度の冥土の土産とばかり、バッハ音楽祭に初めて行った時、オープニングコンサートの席が偶然から、このバッハの墓碑に足を伸ばせば届くようなところだった。これに、感激するなと言う方が無理だ。しかし、後で祭壇の中は音響的に最高ではない、と余計なことを教えられた。また、バッハの遺体自体が本物であるかどうか相当疑わしいことも後で知った。もっとも、バッハの聖地である聖トーマス教会にバッハのモノ、その当時のモノは一つもない。今なら、DNA鑑定でその頭蓋骨がバッハのものであるか、墓を暴けば、即判明するのだろうが、もちろんそんなヤボなことをライプツィヒ市は許さない。事実を明らかにするより、伝説の持つ真実性、民衆がそうと信じてきたことに真理を置いたのだろう。イギリス人が未だにシェークスピアの墓を暴かないように。バッハの肖像画、顔のことを長々と書いてきたが、そんなことはバッハの音楽に関係ないではないか! という声が聞こえてきそうな気配がする。もっともなとこだ。私はバッハの顔がどうであろうと…

佐野 草介

佐野 草介 

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2022/01/20掲載

■亜米利加よもやま通信
~コロラドロッキーの山裾の町から
 
第740回「移民、避難民、不法移住者」
up
私の甥っ子がとてもきれいなメキシコの娘さんと同棲し、赤ちゃんを造ったことは以前書きました。彼女は4、5歳の時に両親に連れられてアメリカにやって来ました。アメリカで小中高の教育を受けています。当然、訛りのない米語を流暢に話します。家では両親とスペイン語を使っていましたから、バイリンガルで、二つの言葉を自然に操ることができます。甥っ子のスペイン語もたいしたもので、医療関係の通訳として働いています。二人の間にできた赤ちゃんは、アメリカ領内で生まれた赤ちゃんには自動的にアメリカ国籍を取得できるというアメリカの法律がありますから、アメリカ国籍です。ところが、母親の方はメキシコ国籍の外国人労働者のままなのです。ということは、アメリカ政府が外国人労働者にヴィサの延期を認めない事態になれば、赤ちゃんを置いてメキシコに帰らなければなりません。どこの国でもそうですが、外国人労働者は必要な時にはヴィサを大量に発行して受け入れ、失業率が高くなると、国元へお帰りいただくという、いわばショックアブソーバーの役目を担っています。その良い例が、大戦前の大恐慌の時です。アメリカに失業者が溢れ、その原因はアメリカで働いている…

グレース・ジョイ

Grace Joy(グレース・ジョイ)

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2021/12/16掲載

■ジャック・カロを知っていますか?
~バロックの時代に銅版画のあらゆる可能性を展開した天才版画家とその作品を巡る随想
 
第18回「ボヘミアン」  
カロは1620年に完成させた大作『大狩猟』と『インプルネータの市』を1621年の1月にトスカーナ大公コジモ二世に見せたようです。しかし文化や科学や芸術を愛した大公は、病に勝てず2月の28日に亡くなってしまいます。そしてこの大公の死によって、ヨーロッパにルネサンスの華を咲かせ、その興隆と維持を支え続けたメディチ家の栄光の歴史は終焉します。 大公の地位は息子のフェルナンドに引き継がれましたけれども、しかしすでにトスカーナの財政は逼迫し、しかも大公妃が芸術などには関心が無く、ひたすたカトリック教を心の拠り所にする女性であったため、コジモ二世の死後、フィレンツェの街はみるみる活気を失い、文化の火は瞬く間に消えてしまいます。力を得たのは教会ばかりで、パリジをはじめ多くの芸術家が仕事を失い、大公付きの版画師であったカロも、たちまち解雇されてしまいました。それまで花のフィレンツェのウフィツィ宮に部屋を与えられて仕事をしていたカロでしたから、一瞬にしてすべてを失ってしまったことになります。どんなにショックだったでしょう。 失意のカロが向かったのは故郷です。父が以前は…

elia

谷口 江里也 ※今週休載します 

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2022/01/20掲載

■よりみち~編集後記 up 
01月20日までの新型コロナウイルスの各国別感染者数(死者数)の推移をまとめました。
covid19_weekly_012022_s
※日本は新型コロナ感染者数が激増しており、1日平均26,562人(死亡者数1日平均7人)と、オミクロン株の感染力の強さが実証されていますが、重症化はしておらず死亡者数は抑えられているようですが、 感染者数や死亡者数が各国の状況でかなり違いが出てきているようです。

よりみち

「のらり」編集部

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