■新・汽車旅日記 ~平成ニッポン、いい日々旅立ち 第740回「3列席のグリーン車 - いなほ5号 新潟~酒田 -」 現美新幹線の新潟着は09時14分。10時の待ち合わせまで時間があったので駅前を散歩する。スケジュールを確認するためにメールを開くと、そば屋の取材が明日になっていた。なるほど、それで今夜は一泊になっていたわけだ。夕日ダイヤのきらきらうえつに乗るだけなら最終の新幹線に間に合う。自分が日程を組むならそうしたはずだ。自分の不注意を棚に上げて、他力本願の旅は良くないと思った。気持ちを切り替える。昼飯の予定がないなら、万代バスセンターへ行こう。新潟県民のソウルフード「バスセンターのカレー」を食べたい。MAXときで駅弁を食べ、現美新幹線でレモンケーキを食べたばかり。それでもバスセンターに近づくにつれて、カレーの香りが強くなる。胃が膨らんだ気がする。バスセンターのカレーは、立食の「万代そば」が提供する。つまり「そば屋のカレー」…
杉山 淳一 バックナンバー
2025/05/08掲載
■店主の分け前 ~バーマンの心にうつりゆくよしなしごと 第502回「流行り歌に寄せて No.297 「コーヒーショップで」~昭和48年(1973年)5月25日リリース」 私たち、当時東海地方に住んでいた若者の一部は、『コーヒーショップで』でレコード・デビューをする前から、あべ静江のことは知っていた。昭和47年から、東海ラジオの「ヤングランド」と、FM愛知の「ユーアンドミー東芝」という番組のDJをしていたからだ。私も、FM愛知にすごく美しい短大生DJがいるということを噂に聞き、実際に写真を見て「なんとも綺麗な人だなぁ」と思ったことは記憶にあるが、番組を聴いていた覚えはない。私の同級生にも、DJ時代からのあべ静江ファンがいて、レコード・デビューをした時は「しーちゃん、東京に出て行っても、こっちのラジオのDJやめんで欲しい」としきりに訴えていた。しばらくは、名古屋でのラジオの仕事と、東京での歌の仕事を並行して行なっていたが、そのうちに歌手に専念する…
金井 和宏 バックナンバー
2025/05/15掲載
■西部開拓時代の伝承物語 ~黄金伝説を追いかけて 第53回「西部劇名作選 ベスト20 No.19」 一体全体“OK牧場の決闘”を題材に何本の映画が作られているのだろう。ワイアット・アープがクラントン一家と対決する大筋は同じだが、様々なヴァリエーションをもうけ、劇的な決闘シーンが繰り広げられる。場所が“ツムストーン”(墓石)という名の鉱山町で、名前からして劇的ではないか。元本はスチュワート・レイクがワイアット・アープから聞き書きしたという『Fronthier Marshal』(国境の保安官)で、自己顕示欲が異常に強く、ホラを吹きたがるワイアット・アープ自身が語ったハナシだから、もちろん史実とはかけ離れている。それを最初に映画化したのが1934年、2作目は1939年に作られ、3作目はジョン・フォードがヘンリー・フォンダ、ビクター・マチュアで『愛しのクレメンタイン』(邦題『荒野の決闘』)、戦後間もない1946年に撮られた。それからもジョン・…
佐野 草介
バックナンバー
■亜米利加よもやま通信 ~コロラドロッキーの山裾の町から 第899回「外国人留学生と中国への留学」 トランプ大統領が矢継ぎ早に大統領法令を発令しています。もう300くらいになるでしょうか。その大半の90%近くがアメリカの憲法違反らしいのですが、違反と、無効だと採決する最高裁判事の大多数が共和党系で占められているうえ、それに裁判所が決定を下すのに膨大な時間がかかりますから、大統領法令が命令のように実行されています。その中で、私が少し関係し、知っているのは教育関係のことですが……。学生、教授がイスラエルとパレスティナの問題でパレスティナ側の立場を取り、集会などを開いている大学への援助金の打ち切りを表明しました。トランプ大統領が学生運動のリーダー、パレスティナ留学生を、すでに国外追放にしています。それに反対するデモ集会などを許した、取り締まらなかった東部の名門大学、ハーバード大学やプリンストン大学などへの援助金を打ち切ると表明しました。デモ…
Grace Joy(グレース・ジョイ) バックナンバー
■ドレの『狂乱のオルランド』 ~物語の宝庫、あらゆる騎士物語の源 第10歌 ルッジェロの大冒険 第6話「絶体絶命のアンジェリーカ」 さて前回は、ルッジェロが岩に荒波が打ち寄せる岩に、生まれたままの姿で鎖に繋がれているアンジェリーカを派遣したところまでお話しいたしました。ルッジェロがイポグリフォを操って降下してよく見れば、全裸の体に波しぶきを浴びて泣き叫ぶアンジェリーカの足元には、巨大な蛇とも龍ともつかぬ異様な怪物。波の中から身を踊らせて、今にもアンジェリーカを飲み込もうとしている様子。どうしてアンジェリーカがこんなところでこんな目に、彼女に首ったけのオルランドやリナルドは一体全体何をしているのか、とルッジェロは思ったが、ここまで私の話を聞いてくださった皆さんならご存知の通り、第8歌でお話しいたしましたように、この島では、海の神ネプチューンの息子の怪物の姿をしたプロテウスが島の王の娘に一目惚れをして無理やり情をかわし、そのことを憤慨した王が姫である娘の命を絶って海に捨てたこと…
谷口 江里也 ※只今休載中
■よりみち~編集後記 とても昔の思い出の話になるのだが、実は現在の第47代アメリカ大統領であるドナルド・トランプと私は、仕事でちょっとした繋がりがあったのです。今から35年前、私が35歳の時のことです。当時の日本経済はバブル真っ盛りで、とにかくカネ余りが異常で正直怖いくらいでした。1989年10月、三菱地所がニューヨークの中心にある「ロックフェラー・センター」を所有するロックフェラー・グループの株式51%を取得して、約8億4,600万ドルで買収した、まさに日本のバブル経済のピークだった頃です。私は銀座1丁目にあった不動産会社の社長と何故か縁あって雇われ、社長室長という肩書で本拠地である札幌と東京を往復する生活が続いていました。札幌では多数のマンションやテナントビルの建設、千歳空港近くのゴルフ場建設、岩内ではスキー場の経営とニセコウエストバレー・リゾート計画など、今となっては嘘のようなリゾート開発のデベロッパーで、社長の描く夢のリゾート構想を現実化するために日夜動き回っていました。そんなある日、ハワイ支店…
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■鏡の向こうのつづれ織り ~谷口江里也のとっておきのクリエイティヴ時空 [全24回] 谷口 江里也
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