のらり 大好評連載中
2025/10/30掲載

■新・汽車旅日記
~平成ニッポン、いい日々旅立ち
 
第750回「京阪電鉄完乗 旅の終わりは禅寺へ - 男山ケーブル 京都市営地下鉄烏丸線 -」
京阪電鉄は本線と中之島線、交野線、宇治線、京津線、石山坂本線という支線群を運行しており、営業キロの合計は90.7kmになる。交野線に乗り終えたから、これで京阪電鉄の鉄道線にはすべて乗車した。しかし京阪電鉄全線ではない。鋼索線、通称男山ケーブル線が残っている。私は枚方市駅から京都へ戻る準急に乗った。少し古そうな顔つきの電車で、先頭車の車体番号は2466とある。2400系は1969年から1970年にかけて作られた電車だ。なんと半世紀も現役で本線を走っている。1967年生まれの私は、「お互い頑張っているな」と共感する。男山ケーブルは京阪本線の八幡市駅が最寄りだ。準急で行くけれども、この区間は各駅に停まる。枚方市駅から五つ目が八幡市駅である。駅舎は淀屋橋方面のプラットホーム側にあるから、京都方面ホームで降りた私は地下通路を通って淀屋橋方面プラットホームに出た。改札口を出て右を向くと「男山ケーブル」の看板が見えた。

杉山 淳一

杉山 淳一  ※今週休載します

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2025/11/06掲載

■店主の分け前
~バーマンの心にうつりゆくよしなしごと
 
第515回「流行り歌に寄せて No.310「同棲時代」~昭和48年(1973年)2月21日リリース」
リリースの日付では、前回よりもさらに前に戻ってしまった。実は、この曲については候補には上がっていたのだったが、書こうかどうか躊躇していた。この曲の元となった、上村一夫の漫画『同棲時代』を、以前からずっと読もうと思っていたが、未だ実行できていない。曲の背景を知らずに書くことはどんなものだろうと考えていたのだ。けれども、これを書かない限り、大信田礼子という人の作品はこの後出て来ないだろうし、もう一つ、この曲のナレーションに何か惹かれるところがあって、やはり書いてみたいと思ったのである。大信田礼子にとっては、これが6枚目のシングル曲である。昭和45年の8月に『女の学校』でデビュー。その後も『女はそれをがまんできない』『ノックは無用』『何がどうしてこうなった』など、なかにし礼、阿久悠らによる色気のある詞の曲が続く。 それは、同時期に女優として「不良番長シリーズ」「ずべ公番長シリーズ」などの東映…

金井 和宏

金井 和宏  
   
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2025/11/13掲載

■西部夜話
~酒場サルーンと女性たち 

第17回「酒場サルーンと女性たち その17」

■ビッグ・ノーズ・ケイト その2 up
OK牧場の決闘の顛末はすでに書いた。決闘後、二人はコロラドに渡り、グレンウッドスプリングですでに悪くなっていたドク・ホリデイの肺結核の療養をしている。当時、肺結核は死に至る病の上、感染力が強いので恐れられていた。私の連れ合いの縁戚も肺結核に罹り、家屋から離れたところにテントを張り、隔離されていたという。100年近く前の話だが…。大した治療法もなく、ただ安静にし、滋養するだけだった。病気そのものの治療よりも大きかったのは、世間が持つ感染への恐怖との争いだった。ケイトは憤然とドク・ホリデイを守り抜いた。現在、グレンウッドスプリングには町営の大きな温泉プールがあり、洞窟サウナもある。温泉が肺結核に良いとされていたが、そこでドク・ホリデイは息を引き取った。墓は町を見下ろす小高い丘の上にある。ケイトは周囲を呆れさせるほど献身的にドク・ホリデイを看病したことは、口うるさい西部歴史家の間でさえ、認め…

佐野 草介

佐野 草介  

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2025/11/13掲載

 

■亜米利加よもやま通信
~コロラドロッキーの山裾の町から
 
第924回「三食付きホテルが移動するクルーズシップ」 up

初めてクルーズシップなるものを目にしたのは、小さなヨットでカリブ海を行ったり来たりしている時でした。確かベネズエラから北上し、セントマーチン島へ向かって夜走っている時だったと記憶しています。まるで宇宙から降りてきた、巨大な宇宙船のような光り輝く物体が近づいて来たのです。近づくにつれて、それがマンハッタンはブロードウェイを切って浮かべたような船だと気がつきました。満艦ネオンサインで輝いているかのように静かな夜の海に煌々と輝く異様な物体が侵入してきた印象でした。ムムッ、何なのだこれは…と、スキッパーであるダンナさんを起こしたことです。望遠鏡で見ると、20階建てのビルを並べて浮かべたようなバカデカいクルーズシップであることが判明したのです。私たちのちっぽけなヨットはボンヤリと赤と緑の航海灯こそ点けていましたが、波間に見え隠れし、大きな船のウォッチ当番が余程真剣に目を凝らして見張って…

グレース・ジョイ

Grace Joy(グレース・ジョイ)
      
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2025/11/13更新

■鐘を鳴らそう 鳴らせば鳴る鐘が、まだあるのだから ~音羽信の心に触れた歌たち~
第13回「ボーン・イン・ザ・U.S.A. by ブルース・スプリングスティーン」
 up
イビサに住み始めてすぐの頃、偶然知り合ったスペイン人と話している時、彼が、「俺は今これが大好きなんだ」とブルース・スプリングスティーンの最初の大ヒットアルバム『Born to run』のカセットを嬉しそうに見せてくれた。彼とはそれで親しくなった。ロックの素晴らしさは、歌を介して国を超え言葉を超え人種を超えて親しくなれることだ。中学二年の時に深夜にラジオでビートルズの『プリーズ・プリーズ・ミー』を耳にし、その瞬間からロック狂いの少年になり、住んでいた北陸の田舎街ではなく、ロンドンが自分の心の街になってしまった経験を持つ私にとっては、どこに行っても、ロックこそがパスポートだった。それはその頃、ロックが世界語のようになっていて、誰の何が好きかということで通じ合う確かな何かがあったという証。 『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』は世界中で何千万枚売れたかわからないほどのメガヒット曲だが、『Born to run』で見せた…

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音羽 信   

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2025/11/06掲載

■よりみち~編集後記  
ついに日本で最初の女性首相が誕生した…と、本来であればお祝いメッセージと女性の躍進を称えるべきところなのだが、正直なところ、今の気持ちを一言で表すと「気持ち悪い」のだ。この高市政権の気持ち悪さはどうも私だけではないようで、自民党との連立政権を26年間も続けてきた公明党も一致団結して、安倍元首相を敬愛する極右の高市早苗自民党新総裁に対して、早々に連立解消を宣言してしまった。これは気持ち悪いだけでなく、このヒトの片棒を担ぐのは御免被りたいという危機意識からだろう。それほど、このヒトがやろうとしていることが危険なのかを察知しており、日本が危機的な状況となることに警鐘を鳴らしていると思える。そして、あのトランプ来日からソウルで開催されたAPEC2025での高市首相のハシャギ様である。日本初の女性首相ということで注目されており、どんな外交手腕を使うのかと思いきや、オベンチャラとヨイショと媚びを売るという、こんなにもトランプさんや他国の首相にデレデレとしな垂れかかりハシャギまくる女性首相は観たことがない。そして最も驚いたのが…

よりみち

のらり編集部

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