■新・汽車旅日記 ~平成ニッポン、いい日々旅立ち 第737回「新横浜~福井~東京、ぐるり一周(3)- えちぜん鉄道 -」 福井商工会議所の最寄り駅は福井鉄道福武線の商工会議所前駅だ。わかりやすい。福井駅前から路面電車に乗って10分ほどだ。それを遠回りして行く。私はJR福井駅の改札を出て南口を出た。福井鉄道の駅とは反対側だ。工事中の新幹線高架駅を通り過ぎれば、えちぜん鉄道の福井駅がある。赤くて四角い建物だ。2月に来たときは外観ができあがっており、壁の赤色はサビ止め塗装の色だと思った。しかしこれが本塗装で、木材を使った内装と相性の良い“さび色”にしたという。プラットホームの天井は永平寺の格天井を模したという。ならば建物は朱色にしたと言えばいいのに、さび色である。鉄道の鉄のイメージを重ねたか。プラットホーム階の側面はガラス張りで電車が見える。鉄道模型の陳列ケースのようでおもしろい。格天井も見えるけれど、磨かれたガラスのせいで向かいの建物と青空と雲が映り込んでいた。駅舎に入ると正面に改札口、左に木製の恐竜骨格模型…
杉山 淳一 ※只今休載中 バックナンバー
2023/09/21掲載
■店主の分け前 ~バーマンの心にうつりゆくよしなしごと 第465回「緊急掲載 ラグビー・ワールド・カップ 2023 開幕〜予選プール前半戦を終えて」 イングランドは、必死だった。ジャパンとの過去10試合で見せていた、余裕ある振る舞いは最後までなく、鬼の形相で、強欲に得点を取りにきた。そして、ジャパンは敗れた。勝つためには、何が足りなかったのだろうか。スクラムは良かった。低く、盤石なスクラムを組み、このセットプレーでは確実に優位に立てるだろうと思い込んでいたイングランドの戦法を、大いに狂わせた。Jスポーツのテレビ解説をしていた沢木敬介氏によれば、「中でも、翔太(堀江)のパフォーマンスが素晴らしい」とのことだが、スクラムの世界的スペシャリスト、長谷川慎コーチ仕込みの8人の組み方は美しくさえあったのだ。ディフェンスも素晴らしかった。相手が中盤から大きくゲインし、ジャパン陣に深く入り込もうとしても、何人かが必死に戻ってタックルを繰り返し、攻撃の足を止めた。ゴールポストを背にするシーンでも、相手の執拗…
金井 和宏 バックナンバー
2023/09/28掲載
■インディアンの唄が聴こえる 第36回「バッファローの絶滅と金鉱発見」 生革の集散地は、当時、バッファロー・シティーと呼ばれていた町で、現在のカンサス州のダッジシティーだった。鉄道がバッファロー・シティーまで来て、初めの3ヵ月で4万3,000枚の生革が東部に送られている。次の3年間でバッファロー・シティーから送り出された生革は137万8,359枚という記録が残っている。これだけでも莫大な数字だが、これは一田舎町、ダッジシティーから送り出された数字で、数あるほかの町から積み出された生革の総数は天文学的なものだったろう。西部劇で名を馳せたバッド・マスターソン、ワイアット・アープ、バッファロー・ビルなどは、バッファロー狩で大儲けをした口だ。毛皮は東部に持って行きさえすれば、いくらでも飛ぶように売れた。鉄道が毛皮の輸送を可能にした。高性能ライフルを使い出す以前に一体何千万頭のバッファーローが北米大陸にいたのだろうか? バッファローは驚異的な速さで絶滅した。私が育った札幌の植物園にバッファローの剥製がその当時展示…
佐野 草介 バックナンバー
■亜米利加よもやま通信 ~コロラドロッキーの山裾の町から 第820回「コロラド、キャンプ事情」 先週、9月の第1週目にマッターホルン(アメリカ)に行ってきました。登ったと言えないのが苦しいところで、聳え立つ岩の麓、それでも4,200メートル地点まで登り、サンドイッチを食べ、ため息をつき、雄大な景色に感動し、おとなしくテントに帰ってきたのです。アメリカ国内、混んでいる東部は別でしょうけど、テントを張るキャンプは国有林の中、どこでもOKです。大雑把な規制で、林道、郡道から10メートル以上離れることだけが条件といえば条件です。そして、期限は2週間以内と決められていますが、狩猟シーズンになると、大型のキャンピングカー、トレーラーを運び込み、持ち込み、何台もでキャンプファイヤーを囲むように大きなキャンプ地を作り、かなり長期滞在しているグループがいます。この最長期間は自主的な規制のようなものでしょうね.。国立公園、州立公園内にはもちろん、水場、トイレのある、立派なキャンプ場が何箇所もあります。
Grace Joy(グレース・ジョイ) バックナンバー
■ドレの『狂乱のオルランド』 ~物語の宝庫、あらゆる騎士物語の源 第4歌 魔法の指輪 第1話「天馬の騎士の正体」 さて前回は、大魔術師マーリンの霊を守る良き魔法使いが、華麗にして清廉な乙女騎士ブラダマンテに、彼女が凛々しき騎士ルッジェロと結ばれる運命にあると告げ、それを聞いて一刻も早くルッジェロの救出に向かおうとするブラダマンテを制して、それにはあらゆる魔法から逃れる力を持つ魔法の指輪が必要で、幸い近くの旅籠の食堂に、その指輪を持つ嘘つき醜男のブルネルがいるので、そいつから指輪を奪うようにと、良き魔法使いが話してくれたところまでをお話ししたのでした。さっそくブラダマンテが教えられた旅籠に向かうと、確かに一目でそれとわかる醜男のブルネイがいた。さりげなく近づけば、口先だけでこの世を渡り歩いてきた悪漢ブルネルは、たちまち麗しい乙女の姿を見つけて、あわよくばこの美女を、との悪巧みを巡らせながら、ブラダマンテを自分のテーブルに招いた。こうして互いに自らの想いを心の…
谷口 江里也
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■よりみち~編集後記 2023年08月24日、午後13時、日本政府が放射性汚染水の海洋投棄を強行したこの日この時間を忘れることはないだろう。岸田首相は、汚染水の海洋投棄の可能性を問われると、毎回のように「関係者の理解なしに、いかなる処分もしない」と約束していたのはいったい何だったのだろうか? 単なるウソつきの問題ではなく、安心させて煙に巻いていただけで、明らかに今日の海洋投棄のスケジュールは事前に決めてあり、準備を着々と進めていたのだろう。7月4日に突然IAEA(国際原子力機構)のグロッシ事務局長が来日して、海洋放出計画を評価する報告書を岸田首相に手渡すパフォーマンスをメディアにアピールしたのは、最終工程のハイライトだったのだ。いくらIAEAの事務局長が問題ナシを強調しても、IAEAが原発推進のための国際団体であり、日本政府や東電が資金を出している組織なのだから、何の意味があると言うのだろうか? 原発推進団体のIAEAだけがトリチウム水を希釈すれば問題ないと言っているだけで、他の放射線専門学者や組織は一切賛成して…
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■鏡の向こうのつづれ織り ~谷口江里也のとっておきのクリエイティヴ時空 [全24回] 谷口 江里也
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