■新・汽車旅日記 ~令和ニッポン、いい日々旅立ち 第754回「トンネル群と巨大ジオラマ - 北陸本線 長浜~敦賀 -」 長浜駅で東舞鶴行きのきっぷを買う。2,270円。経由欄に「北陸」「小浜」とあり、有効期間は2日。つまり100km以上の距離で、敦賀に途中下車できる。今日の目的地は敦賀で、宿泊地が東舞鶴駅付近のホテルだ。プラットホームに行くと特急列車が通過した。「しらさぎ53号」米原発金沢行きだ。特急しらさぎのうち、長浜駅に停まる列車は全体の3分の1くらい。鉄道の要衝は米原に移った。特急列車を見送って、私は12時11分発の各駅停車に乗った。もう少し待てば13時02分発の「しらさぎ7号」が来る。しかし敦賀までは特急に乗るまでもない。各駅停車は225系という電車だった。4両編成で、「新快速 近江塩津」と表示されている。姫路から4両編成で来るはずもないし、米原で12両編成中の8両を切り離したようだ。ありがたいことにクロスシート車で、JR西日本にとってはありがたくないだろうけど空いていて、私は進行方向に向かって座っている。北陸本線は琵琶湖の東岸を通るけれども、湖畔から離れているから見えない。伊吹山地と琵琶湖に挟まれた田園地帯…
杉山 淳一 バックナンバー
2026/02/19掲載
■店主の分け前 ~バーマンの心にうつりゆくよしなしごと 第519回「流行り歌に寄せて No.314 「赤ちょうちん」~昭和49年(1974年)1月10日リリース 『神田川』で、「上京願望」に火がついてしまった私は、この曲がさらにその気持ちを煽り、東京に行かなくては何も始まらないと思うようになった。この曲のような哀しい恋愛に、今振り返れば不思議なくらい、強い憧憬を持ったのである。ちょうど自分が大学受験をしている頃、この曲がラジオからよく流れていた。南こうせつとしては、同じ世界観が続くことを嫌ったのか『神田川』の次のシングル・レコードとして、実は『なごり雪』か『22才の別れ』を考えていたが、後述の映画『赤ちょうちん』が制作されたために、業界の人々にその相乗効果も狙われ、意に反して『赤ちょうちん』を出したらしい。 私はこのことを最近知ったが、それが『なごり雪』でも『22才の別れ』でも「上京願望」は決して弱まってはいなかったはずだ。この曲の内容は『神田川』と同じ恋人たちの話と言っても、不自然さはない。あの頃の、時代の雰囲気が詞の中によく表現されている。「裸電球」私が初めてアパート暮らしを始めた…
金井 和宏 バックナンバー
2026/02/26掲載
■西部夜話 ~酒場サルーンと女性たち 第26回「酒場サルーンと女性たち その26」 ■ローラ・エヴァンス その2 1894年、レドヴィルに銀鉱山が発見され、町がブームに沸くとローラはすぐにそこへ移動している。今、レドヴィルは西部の鉱山町の面影を多く残した観光の町になっている。だが銀鉱ブームが去った後も石炭の良い鉱脈が見つかり、現在まで石炭を掘り、積み出している炭鉱の町としても町の生命を保っている。ここレドヴィルに来てからのローラは四面六臂の活躍を見せている。サーカスが町にやってきた時、その宣伝の一環として、ローマ風の馬車を仕立て、べン・ハーさながらの戦車競技に出場したりしている。もちろん、彼女もローマ風に装い、馬を最速で駆りトップを走っていたが、折り返し地点の急なカーブを曲がりきれず、電子柱に衝突し、車輪が外れ、大破している。ローラがいかにも彼女らしい活躍をしたのは、レドヴィルのメイド・エリン鉱山の坑夫たちがストライキを打った時だった。1896年に、鉱山側に言わせれば、現金輸送が雪道でスムーズに動かなかっただけだというのだが、鉱夫たちにとっては遅配は死活問題だった。
佐野 草介
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■亜米利加よもやま通信 ~コロラドロッキーの山裾の町から 第933回「ノーベル平和賞はどこへいく…」 トランプ大統領は何んとしてでもノーベル平和賞が欲しくてたまらず、ノルウェー政府に圧力かけたり、交換条件を出したり、悪あがきをしていましたが、遂に平和賞メダルを手にしました。瓢箪から駒という諺にこれほど当てはまった事件もないでしょう。 2025年のノーベル平和賞はベネズエラの反政府運動を国外で展開していたマリア・コリーナ・マチャド女史に与えられました。ベネズエラのチャベス大統領は不正な選挙で自ら主席になり、独裁政権を敷いていると、マリア・マチャド女史は反チャベス運動をしていました。そこへ、トランプ大統領はベネズエラ本土に攻撃を仕掛け、強引にチャベス本人と妻のマリサベル・ロドリゲスの両者を誘拐してアメリカの牢屋に入れてしまったのです。反チャベス感情に燃えているノーベル平和賞の受賞者マリア・マチャド女史は、こともあろうかトランプに彼女が受けたノーベル平和賞のメダルをトランプに贈与したのです。もちろん、ノルウェーのノーベル平和賞委員会の…
Grace Joy(グレース・ジョイ) バックナンバー
■鐘を鳴らそう 鳴らせば鳴る鐘が、まだあるのだから ~音羽信の心に触れた歌たち~ 第17回「虹に目が眩んで by ローリング・ストーンズ」 ローリングストーンズの面白さは、定番のロックナンバーを次から次へと披露して、大観衆を熱狂させる興行を繰り広げてみせる一方、時折、私たちが生きている時代の風を敏感に感じ取って、その風と呼応する真摯な歌を、同じ風を感じ取っている私たちに向かって歌ってくれることだ。例えば『アンジー』、例えば『ギミーシェルター』。そんな歌を聴くことで私(たち)は、自分が立っている場所を、見ているものが間違ってはいないことを、その確かさを信じて、とにもかくにも、そこから前に進むしかないと思えた。それはストーンズが、ニール・ヤングと同じように、ロックを始めたその時の感覚をいつまでも大切にし続けていることの表れ。私がストーンズを初めて見たのは、1976年の夏、バルセロナの闘牛場でのコンサートだった。ロキシー・ミュージックやピーター・トッシュなどが前座を務めるというとんでもないそのコンサートで、ストーンズはちょうど真夜中の12時に登場したが、それは長い間スペイン…
音羽 信
■よりみち~編集後記 2026年の「のらり」初更新ということで、どんな一年になるのか考えてみようとするのだが、日本はもちろん世界でも世の中の流れが速すぎて思考が追い付かないと言うのが本音のところだ。元旦からの世界と日本の動きをまとめてみた――15日間の世界の情勢をウォッチしてみて、いきなり1月3日の米軍によるベネズエラ攻撃とマドゥロ大統領夫妻の拘束には正直驚かされた。まさか本気でやるとは誰も思っていなかったので、衝撃的だった。国際法でも国連憲章でも完全に違法な攻撃であり、トランプ以前に実行していたなら、とんでもなく批判され国際裁判になっていた可能性もあるはずだが、アメリカ最優先を公約にして大統領に再選されたトランプがやることは、もう誰も止められない暗黙の了解となっており、1823年という今から200年も前のモンロー大統領の教書に立ち戻ってアメリカの帝国ナショナリズム復活を宣言したような状況に陥っている。これは明らかに狂っているとしか言いようがないのだが、トランプ・マジックで、アメリカ最優先のためだからしょうがないとでも国民は思っているのでしょうね。当然のことですが、アメリカの属国…
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