■新・汽車旅日記 ~平成ニッポン、いい日々旅立ち 第737回「新横浜~福井~東京、ぐるり一周(3)- えちぜん鉄道 -」 福井商工会議所の最寄り駅は福井鉄道福武線の商工会議所前駅だ。わかりやすい。福井駅前から路面電車に乗って10分ほどだ。それを遠回りして行く。私はJR福井駅の改札を出て南口を出た。福井鉄道の駅とは反対側だ。工事中の新幹線高架駅を通り過ぎれば、えちぜん鉄道の福井駅がある。赤くて四角い建物だ。2月に来たときは外観ができあがっており、壁の赤色はサビ止め塗装の色だと思った。しかしこれが本塗装で、木材を使った内装と相性の良い“さび色”にしたという。プラットホームの天井は永平寺の格天井を模したという。ならば建物は朱色にしたと言えばいいのに、さび色である。鉄道の鉄のイメージを重ねたか。プラットホーム階の側面はガラス張りで電車が見える。鉄道模型の陳列ケースのようでおもしろい。格天井も見えるけれど、磨かれたガラスのせいで向かいの…
杉山 淳一 ※只今休載中 バックナンバー
2025/01/16掲載
■店主の分け前 ~バーマンの心にうつりゆくよしなしごと 第494回「流行り歌に寄せて No.289「ひなげしの花」~昭和47年(1972年)11月25日リリース」 アグネス・チャンのデビューした頃は、まさにアイドル時代の黎明期だった。小柳ルミ子、南沙織、天地真理は、前年のそれぞれ4月、6月、10月にレコードデビューをし、この年に入っては麻丘めぐみが6月、森昌子が7月に世に出ていた。そんな中で、すでに香港で大変に人気のある少女が、日本で歌手生活を始めるという、当時としては画期的なニュースが飛び込んできた。高校2年生の、私の周りのクラスメイトは、そのニュースにかなり早く反応をし「かわいいがね」「声が何とも言えん」などと、かなり好意的に受け止めていた。私の印象としては、髪の毛はロングヘアーだけれども、ふんわりしていないで、何かペターッとした感じだし、声もかん高く、スタッカートが極端で、あまり馴染めない雰囲気だった。
金井 和宏 バックナンバー
■西部開拓時代の伝承物語 ~黄金伝説を追いかけて 第36回「西部劇名作選 ベスト20 No.2」 股旅ものの古典『シェーン』 。西部劇は善玉、悪役がはっきり分かれていて、様々な葛藤があるにしろ、最後には善玉が勝つことになっている。ストーリーラインが実にはっきりしていて、複雑怪奇な心理的な相剋などまず入り込む余地がない。そして、ラストシーンの撃ち合いで善玉が必ず勝つという決まりきった映画をなぜまばたきするのも忘れスクリーンに魅入っていたのだろうか。そこに大自然を背景にした汗臭い男の気骨があり、闘魂があったからだろうか。一人の流れ者が開拓部落、農家にやってくる。その流れ者の名は“シェーン”。ちょうどその時、大牧場主が周囲の個人経営の小さな牧場、農家を次々と買い漁っている最中だった。お決まりの資本のある大牧場主と貧しい開拓民との葛藤が始まる。舞台はワイオミング領域で、時は西部史上有名なジョンソン郡の戦争…
佐野 草介 バックナンバー
■亜米利加よもやま通信 ~コロラドロッキーの山裾の町から 第882回「抜きん出た女性たち」 女性の中に、対男性として考えることができない人がいます。そんなチッポケな女権運動なんか眼中になく、ひたすらイチ個人、人間としてずば抜けた業績を挙げている人たちです。 キューリー夫人の偉業やアメリア・エアハートの冒険は、男女の壁を超えたものです。彼女たちに女だからという意識はあることはあったかもしれませんが、それよりも何よりも自分のなすべきことをするという強固な個性と意志力がまずあったのだと思います。 とりわけ文化人類学の分野では、マーガレット・ミード、ルース・ベネディクトらが偉大な存在として輝いています。でも、ハリエット・チャーマーズ・アダムスを知っている人は少ないでしょう。アメリカでも彼女の名前を知っている人はまずいません。私も『ナショナル・ジオグラフィック』に掲載された、ハリエットの昔のラテンアメリカ紀行、そして最近はまり込んでいる第一次世界大戦の記事を読むまで知りませんでした。
Grace Joy(グレース・ジョイ) バックナンバー
■ドレの『狂乱のオルランド』 ~物語の宝庫、あらゆる騎士物語の源 第10歌 ルッジェロの大冒険 第6話「絶体絶命のアンジェリーカ」 さて前回は、ルッジェロが岩に荒波が打ち寄せる岩に、生まれたままの姿で鎖に繋がれているアンジェリーカを派遣したところまでお話しいたしました。ルッジェロがイポグリフォを操って降下してよく見れば、全裸の体に波しぶきを浴びて泣き叫ぶアンジェリーカの足元には、巨大な蛇とも龍ともつかぬ異様な怪物。波の中から身を踊らせて、今にもアンジェリーカを飲み込もうとしている様子。どうしてアンジェリーカがこんなところでこんな目に、彼女に首ったけのオルランドやリナルドは一体全体何をしているのか、とルッジェロは思ったが、ここまで私の話を聞いてくださった皆さんならご存知の通り、第8歌でお話しいたしましたように、この島では、海の神ネプチューンの息子の怪物の姿をしたプロテウスが島の王の娘に一目惚れをして無理やり情をかわし、そのことを憤慨した王が姫である娘の命を絶って海に捨てたこと…
谷口 江里也 ※暫く休載です
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■よりみち~編集後記 2025年もすでに半月が経過したが、昨年の正月に比べ静かに明けた感じがする。昨年が異常だったことは明らかで、1日の能登半島地震、そして2日には羽田空港衝突事故と前代未聞の災害と事故が続けて発生したわけで、とんでもない年になりそうで、正直ちょっと怖い感じがしたものだ。今年は穏やかなスタートで驚くような大事件のニュースがなくて安心したわけだが、そう喜んでいられる状態は続かない予感がする。先ずは1月20日にアメリカ大統領に就任を予定されている返り咲いた第47代トランプ大統領である。就任前にすでに引っ掻き回すニュースが先行しているが、まさかのデンマークの自治領グリーンランドの所有やパナマ運河の返還を求める発言で先制パンチである。得意のビックマウスで有利なデールを引き出そうとしているのだろうが、もはや笑って諫められる相手ではないことは世界中で誰もが知っている。この調子で日本にもブラフを駆使して政府を脅し、日米安保条約をより有利な方向に、日本にさらに膨大な負担金を要求してくるのは目に…
「のらり」編集部 バックナンバー
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■鏡の向こうのつづれ織り ~谷口江里也のとっておきのクリエイティヴ時空 [全24回] 谷口 江里也
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