のらり 大好評連載中
2021/06/24掲載

■新・汽車旅日記
~平成ニッポン、いい日々旅立ち
 
第732回「遊びじゃないのよワタシは - SLやまぐち号 津和野~徳佐 -」
 
SLやまぐち号の客車は35系という。細かく言うと35系の4000番代だ。製造番号が4000番代とは大きく出たなと思うけれども、これにはちょっとしたカラクリがある。35系客車は1939(昭和14)年頃から1950(昭和25)年頃まで大量に作られた客車だ。全長20m級の鋼製車体で、それまでのリベット打ち組み立てから溶接組み立てになり、車体側面のポツポツが消えてスッキリした姿になった。この車体でもっとも製造された客車がオハ35形で、この形式を代表とし、派生車種をまとめてオハ35系と呼ぶ。ただしこれは正式な形式名ではなく、便宜的にまとめた呼び名だという。オハ35系は蒸気機関車時代に量産された車両だ。SL列車用に客車を新製するなら、オハ35系の姿が似合う。ならば形式名もオハ35形にしよう、というアイデアで、35系客車が再生産され、続き番号として4000番代が与えられた。これは粋なはからいだと思う。そして35系といえども、当時の製造のままではない。最新技術を駆使した35系である。跨線橋から見下ろせば、屋根には大型クーラーが載っている。

杉山 淳一

杉山 淳一 ※今週休載

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2021/07/15掲載

■店主の分け前
~バーマンの心にうつりゆくよしなしごと
 
第423回「流行り歌に寄せて No.224 「サインはV」「アタックNo.1」~昭和44年(1969年)
先月行なわれた菅総理になって初めての党首討論では、45分間という短い時間設定の中で首相の退屈な思い出話にかなりの時間が割かれたことに、大きく批判の声が上がった。批判は真っ当で、その通りだと思う。まったく、あの場で話す話ではないのである。ただ、虚ろな目で視点が定まらず、壊れたテープレコーダーのような答弁を繰り返す、疲れ果てたこの首相にも、当時15歳の高校1年生、マラソンのアベベ、柔道のヘーシンク、そして、東洋の魔女と言われた女子バレーの回転レシーブに心惹かれて、澄んだ瞳でテレビ画面を食い入るようにして観ていた「義偉少年」の時代があったかと考えると、なぜか妙に哀しくなった。大松博文監督が率いる東洋の魔女が、宿敵ソ連を下し、東京オリンピックで優勝した次のオリンピック、昭和43年(1968年)メキシコシティ大会では、そのソ連に敗れ銀メダルとなった。その昭和43年、オリンピックが始まる前に少女漫画『アタックNo.1』は集英社の『週間マーガレット』に、それに対抗する…

金井 和宏

金井 和宏  
   
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2021/07/22掲載

■ビバ・エスパーニャ!
~南京虫の唄
 
第19回「フランコ万歳! テロの時代 私的つぶやき 8」
 up
ドロレス・イバルリの話を続ける。いったい彼女は何度逮捕され、牢獄にぶち込まれたことだろう。それでも、彼女は過激なアジ演説を繰り返し、市民戦争の見極めがつかなかった1936年の選挙では、共産党員としてオビエド県から立候補し、当選している。内戦、市民戦争が激しくなると、ドロレス・イバルリの演説に一層拍車がかかり、ラジオで流されるようになった。その時、「彼ら(フランコのファシスト軍)を通すな!」“ノー、パサラン”と叫び、それが共和国側の合言葉になっていった。彼女は、「膝を屈して生き延びるより、両足で立って死ぬ方がマシだ、ヤツラを通すな! 私たちだけが通るのだ!」と、ことあるごとに絶叫し、それが前線で戦う共和国サイドの兵士たちの合言葉になっていった。丁度、イベリア半島からイスラム・アラブ人を追い出した時、カトリックの騎士たちが「サンティアゴ!」と叫んだように。ドロレス・イバルリは“膝を屈し”はしなかったが、戦況がフランコの勝利に終わるのが決定的になった時、アルジェリアのオランに逃げた。人民戦線をもう一度組織し、巻き直しを…

佐野 草介

佐野 草介 

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2021/07/22掲載

■亜米利加よもやま通信
~コロラドロッキーの山裾の町から
 
第717回「忖度はゴマスリ文化?」
up
私は、どうにかこうにか日本語を操っていますが、自分で細かい日本語ニュアンスまで捕えていないことは重々承知しています。その上で、最近気になっている日本語のことを述べるのを許してください。 以前書きましたが、「~させて頂きます」というサラリーマン敬語、謙譲語の乱発が奇妙に聞こえる、「ナニナニを致します」の方がずっとスッキリするし、「~させて頂きます」にある押し付けがましさがなく、響きも良いと今でも思っています。あまりに謙遜し過ぎると、なんだか嫌らしく感じられるのです。「~させて頂きます」に対応して、「~させてあげないよ」とは言えませんしね。 ここ数年、ほとんど流行り言葉のように“忖度”が使われ始めたように思えます。 冒頭から広辞苑によれば…とやるのは自分の言語生活の貧困、イマジネーションのなさをさらけ出すようで、偉い教授先生ですら、編集者からカクカクシカジカのお題を頂いた、広辞苑によれば…とエッセイ、随筆を始めているのを見ると、私などゲンナリして読み続ける気がしなくなります。とは言いながら、私もダンナさんの広辞苑を引いてみました。“忖”も“度”も、モノをはかる意とあり、“忖度”と二字合わせて、他人の心中を推し量ること、推察とあり、例文として“相手の気持ちを忖度する”とあります。

グレース・ジョイ

Grace Joy  
(グレース・ジョイ)
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2021/07/22掲載

■ジャック・カロを知っていますか?
~バロックの時代に銅版画のあらゆる可能性を展開した天才版画家とその作品を巡る随想
 
第8回「祝祭都市フィレンツェ」 up
コジモ2世は本当にお祭りが好きだったようです。春に「愛のキューピットがトスカーナにやってくる」という大規模な祭典を行い、そして秋の謝肉祭にはサンタクローチェ教会の前の広場で、「愛の戦い」というイベントを開催しています。なんと今度は自らが、パリジがデザインした奇妙な山車に乗ってパレードしているくらいですから、よほどお祭りが好きだったのでしょう。 ルネサンス期のフィレンツェは、人間と文化やアートや社会ということを考えるとき、実に興味深い街でした。人間は食べるものがあって、雨風をしのげる家があって、身につける衣服がなければ人間らしく暮らすことができない動物ですけれども、それと同時にそれだけでは満足できない不思議な動物です。たまには美しく飾り付けた美味しい料理を食べたいと思いますし、家の中を自分の好みに合わせて飾り付けたり、お祭りの日にはとっておきの服を着て街を歩いてみたいと思ったりします。考えてみれば人間は日常の生活においても、どこかで自分らしさや美しさを求めますし、それが人間らしさを形成しています。けれども、それに加えて人は時に、普段は体験することのできない非日常的な時空間との触れ合いに喜びを見出す不思議な存在です。

elia

谷口 江里也 

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2021/07/22掲載

■よりみち~編集後記 up 
7月22日までの新型コロナウイルスの各国別感染者数(死者数)の推移をまとめました。
covid19_weekly_072221_s
※アジア各地でもデルタ株が蔓延しており特にベトナムの感染拡大がひどく、先週に比べ感染者数が3倍近く、死亡者数が30人から一気に202人と激増している。マレーシアやインドネシアでもデルタ株による感染拡大が止まらない状況。欧米諸国もデルタ株の感染拡大が深刻化しており、特にイギリスの死亡者増加が心配。

よりみち

「のらり」編集部

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