■新・汽車旅日記 ~平成ニッポン、いい日々旅立ち 第737回「新横浜~福井~東京、ぐるり一周(3)- えちぜん鉄道 -」 福井商工会議所の最寄り駅は福井鉄道福武線の商工会議所前駅だ。わかりやすい。福井駅前から路面電車に乗って10分ほどだ。それを遠回りして行く。私はJR福井駅の改札を出て南口を出た。福井鉄道の駅とは反対側だ。工事中の新幹線高架駅を通り過ぎれば、えちぜん鉄道の福井駅がある。赤くて四角い建物だ。2月に来たときは外観ができあがっており、壁の赤色はサビ止め塗装の色だと思った。しかしこれが本塗装で、木材を使った内装と相性の良い“さび色”にしたという。プラットホームの天井は永平寺の格天井を模したという。ならば建物は朱色にしたと言えばいいのに、さび色である。鉄道の鉄のイメージを重ねたか。プラットホーム階の側面はガラス張りで電車が見える。鉄道模型の陳列ケースのようでおもしろい。格天井も見えるけれど、磨かれたガラスのせいで向かいの…
杉山 淳一 ※只今休載中 バックナンバー
2024/11/28掲載
■店主の分け前 ~バーマンの心にうつりゆくよしなしごと 第491回「流行り歌に寄せて No.286 「喝 采」~昭和47年(1972年)9月10日リリース」 私が高校2年生の9月。夏休みが終わり、そろそろ大学受験を視野に入れながら(のんびりした地方の高校なので、スタートが遅い)高校生活の後半に入ろうとした頃だった。何だか、今までに聴いたことのないような曲が流行っているらしい、K君も聴いてみないかということで、音楽好きの同級生に教えてもらった記憶がある。マンドリンのトレモロと思われる、印象的なイントロから始まるこの曲には、本当に強いインパクトがあった。そして、何より「黒いふちどり」という歌詞が心に残った。今回調べたところ、作詞の吉田旺が書いた「黒いふちどり」という言葉に、当時のレコード会社も作曲の中村泰士からも歌詞を変えるよう提案があったようだ。しかし、吉田は「ここが核だから」と主張して一歩も引かなかったという。
金井 和宏 バックナンバー
■西部開拓時代の伝承物語 ~黄金伝説を追いかけて 第31回「ローレンス近郊の隠された財宝 その1」 一昔前まで、日本でも公務員、教員、企業や工場で働く人の給料は現金で支給されていた。銀行振込に変わるまで、給料は現金で受け取るものと相場が決まっていたものだ。日本で一挙に給料が銀行振込になったのは、東芝の工員の給料がごそっと丸ごと盗まれた“3億円強盗事件”からだと言われている。犯人は思わぬところで日本全国の給料支給システムに改革を及ぼしたことになる。西部の辺境では、現金がすべてだった。それも銀貨、金貨がモノを言い、紙幣は流通してはいたが、ありがたがられなかった。騎兵隊の給料も、石炭、金銀の鉱山での鉱夫たち、勇猛なカウボーイらがテキサスからロングホーン牛を追い、カンサスに運んできて、最終地で受け取るのは現金、銀貨、金貨だった。西部劇映画のバーでよくあるシーン、カウンターにコインを投げ、バーテンダーが…
佐野 草介 バックナンバー
■亜米利加よもやま通信 ~コロラドロッキーの山裾の町から 第877回「日本食は目で食べる?」 と、言うのは外国人?だけでなく日本人も数多くいます。それはちょっとした日本料理屋さんのお座敷でのことで、お膳に並べられた、品数の多さ、綺麗に盛り付け飾られたお料理は、さて一体どこから箸をつけたらいいのか迷わされます。箸をつけると、なんだか芸術を崩してしまうような気にさせられます。その一つ一つが互いに干渉し合わない、はんなりとした味付けで、全部食べた後に、きれいに平げた自分が信じられないほどです。それでいてお腹にもたれることがありません。大食漢のアメリカ人なら、あれっ、これで終わり?これからメインディッシュが出ないの?と思うかもしれません。あんなにコチャコチャしたお皿、小鉢、取り皿、お茶碗、お椀と数が多過ぎるのに対抗するように、ラーメンや牛丼、天丼のようにそれ一品の丼ぶりものに人気に集まるわけです。もっとも、普通の日本の家庭で純日本的なお膳の料理を毎日食べてはいないでしょうけど…
Grace Joy(グレース・ジョイ) バックナンバー
■ドレの『狂乱のオルランド』 ~物語の宝庫、あらゆる騎士物語の源 第10歌 ルッジェロの大冒険 第6話「絶体絶命のアンジェリーカ」 さて前回は、ルッジェロが岩に荒波が打ち寄せる岩に、生まれたままの姿で鎖に繋がれているアンジェリーカを派遣したところまでお話しいたしました。ルッジェロがイポグリフォを操って降下してよく見れば、全裸の体に波しぶきを浴びて泣き叫ぶアンジェリーカの足元には、巨大な蛇とも龍ともつかぬ異様な怪物。波の中から身を踊らせて、今にもアンジェリーカを飲み込もうとしている様子。どうしてアンジェリーカがこんなところでこんな目に、彼女に首ったけのオルランドやリナルドは一体全体何をしているのか、とルッジェロは思ったが、ここまで私の話を聞いてくださった皆さんならご存知の通り、第8歌でお話しいたしましたように、この島では、海の神ネプチューンの息子の怪物の姿をしたプロテウスが島の王の娘に一目惚れをして無理やり情をかわし、そのことを憤慨した王が姫である娘の命を絶って海に捨てたこと…
谷口 江里也 ※暫く休載します
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■よりみち~編集後記 10月27日投開票の衆議院選挙は、予想していた以上の自民党・公明党の与党の惨敗で、結局、過半数の233議席を大幅に下回る215議席となり、前回から64議席落としたことになる。一方の野党は、立憲民主党は148議席、国民民主党が28議席、れいわ新選組が9議席、参政党が3議席、保守党が3議席で、新たに82議席増やしたことになる。維新の会は38議席で6議席減少し、共産党も8議席と2議席減らした結果となりました。維新の会はあれだけ兵庫県の斎藤元彦知事の告発文書問題で失職したり、大阪万博の不評判にも拘わらず、大阪選挙区では全勝という結果で、なぜにこれほど大阪だけは強いのかとても不思議な現象です。また、今回の自民党の裏金問題や非公認とした候補者に2000万円を支給していた問題などをスクープした『赤旗』が共産党の機関紙にも拘わらず、評価されずに共産党が議席を落としていることにもとても違和感を覚えます。共産アレルギーもここまでくると、党名変更を真剣に競技する時期に来ている感じがします。
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■鏡の向こうのつづれ織り ~谷口江里也のとっておきのクリエイティヴ時空 [全24回] 谷口 江里也
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