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■亜米利加よもやま通信 ~コロラドロッキーの山裾の町から
 

第785回:新年の祈願

更新日2023/01/12


あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお付き合いください。

年が明け、新年を迎えると、ヨシ、今年こそは〇〇〇をやるぞ…と祈願をかけるのはどこの国、どんな民族にもあることです。

初詣でお賽銭を投げ込み、家族の皆が健康でありますように、今年も良い年でありますようにと祈るのは、とても良い習慣だと思います。神社の格子戸や木の枝に結び付けられた祈願、大吉と出たオミクジなどの無限に近い膨大な数を見ると、その大半が大学、高校の入試に受かりますようにとか、恋人ができますように、親の病が治りますようにとあるのを見ると、なんだか少し切ない思いがしますが…。(結んであるオミクジや祈願を外したり、開いたりしたわけではありません、結構な値がする木の札を神社で買い、自分で書き入れるのだそうです)

“初詣で”というのですから、その年に何度か神社にお参りする(つもり?)で、まずは初回のお参り…ではなさそうで、ほとんどの人はその日、年に一回しか神社に行かないでしょう。ですから、“初詣で”イコール“神社納め”でもあるようです。

日本のお正月の行事は、皆、お正月にはリラックスしていて、どんな習慣、行事も微笑ましくて好きなのですが、大好きなものの一つは“書初め”です。小学生が体育館みたいな広いところで、自分の体より大きな紙に大きな筆で思い思いのことを書くのは素晴らしい光景です。書く内容は格言、迎える年への希望、期待、本人の念願が多いようです。

少し意味合いが違いますが、アメリカでは、ヨシ、今年こそは…といった新年の決心を“A New Year’s Resolution”(新年の決意?)と呼び、それぞれ密かに、あるいは盛大に公言して、新しい年の一歩を踏み出します。

その筆頭が、“今年こそは、痩せるぞ、体重を減らすぞ”という決意で、それがもう十何年ごしにトップの座を維持しています。皆さん、新年の決意だけでなく、それを実行していれば、とっくの昔にアメリカからデブがいなくなっているはずなのですが…。だからと言って、どうせ実行できない、実行しもしないことを念願するな、無駄だとは言えないスジのものです。

人生、夢を抱き、夢破れることの繰り返しなのですから…。
ちょうど、世界人類が平和に暮らし、戦争がなくなりますようにと祈ったところで、戦争がなくなるワケがないのと同じなのでしょうね。

ダンナさんによれば、“一年の計は元旦にあり”という諺があるそうですが、元旦をいかに過ごすか、過ごしたかでその年がどんな年になるか予見できるという意味なのかしら、その年を迎えるのに当たって、良いスタートを切れ、というイマシメなのかしら…。

昨年はダンナさんのスキー事故、それに続いて高速道路での追突事故と大きな事故が2件もありましたが、幸い、ヘルメットが割れても、車が全損でも、超石頭のダンナさんの頭蓋骨にヒビも入らず、二人とも怪我をしませんでしたから、とても幸運だった、良い年だったと言って良いと思っています。あんな事故、体験しなくて済むなら、それに越したことはないのですが…。

今年も無事に過ごせますように。これだけが私の新年の祈願です。なんだか随分年寄りくさく聴こえますが、実際に年寄りなのですから、健康第一と外見もなく言わせてもらいます。

皆様も今年一年、健やかにお過ごしください。

-…つづく

 

 

第786回:アメリカのそっくりさん

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Grace Joy
(グレース・ジョイ)
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中西部の田舎で生まれ育ったせいでょうか、今でも波打つ小麦畑や地平線まで広がる牧草畑を見ると鳥肌が立つほど感動します。

現在、コロラド州の田舎町の大学で言語学を教えています。専門の言語学の課程で敬語、擬音語を通じて日本語の面白さを知りました。

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