第45回:犬にかじられてもニュースになる話~続編~
更新日2008/01/31
犬が人間をかじるのは当たり前のことなので、話はニュースになりにくい…のですが、逆の場合は大きなニュースになります。
先進国のお金持ちの男性が、貧しい後進国(発展途上国と言わなければならないそうですが)へ行って、その土地の若い女性と一時的な性的関係を楽しんでも当たり前のこととみられ、ニュースになりません。そんなことは世界中で昔から頻繁に起こっていることだからです。
何年か前に『ナショナル・ジオグラフィック』という優れた雑誌に、タイを紹介する記事が載り、そこにタイの産業の何番目かに「売春」と出ていたのに驚いたことがあります。「売春」を産業に数えるほど、そんなツアーに関連した経済効果が大きいというのです。
男の人の思考能力は、上半身と下半身とでは全く別のものなのかしらとあきれたものです。
ところが、同じことを西欧の国のお金持ちで、歳を取っても枯れないおばさんたちが始めたのです。これは人間が犬をかじったくらい珍しいニュースバリューがある現象なのでしょう、大きな話題になっています。
国はケニアです。何でもケニアの男性は六尺豊かな(古い表現ですね)筋肉マンが多く、英語が通じ、奥地にでも行かない限り安全で、外国資本の大きなリゾートホテルがあるなどの"好条件"が整っているのだそうです。取り分けマサイ族にはアメリカに連れて帰れば、バスケットボールの選手か、ファッションモデルにすぐにもなれそうな、かっこいい男性が溢れていると言います。
ケニアの観光局は、こんな観光を推進しているわけではありません。地元の男性は西欧のおばさんたちの扱いに慣れ、長けた20歳以上の成人だし、法に触れるようなことはないので、傍観しているのが実情のようです。
ケニアのエイズ感染率は6.9パーセントですが、おばさんたちが国に帰って、それぞれ自分の国でエイズを広めない限り、社会問題にはならないでしょう。ただ、今まで男性の専売特許だと思われてきた、売春、回春ツアーを女性が堂々と始めたことに、ジャーナリズムが目新しさを見出したというところでしょうか。
ケニアへはそのような目的でもちろん男性も押しかけています。それどころか圧倒的に男性の方が多いのです。インド洋沿いのウォーターフロントリゾートが点在する地域に1万5,000人以上の若い女性が娼婦として働いていますし、そのうちの30パーセント以上は12歳から18歳です。
UNICEFは、こんな少女、幼児の売春をやっと取り上げ、ケニア政府と対策に乗り出しました。ですが、こちらの方は犬が人間をかじった類いの話しなのでしょう、アフリカ、アジア、中南米、全世界にそんな売春が蔓延しているからなのでしょうか、話題性に欠け、ニュースになりません。
日本のおばさんの元気が良いことは身をもって知っています。日本のおばさんたちは、ヨン様に熱を上げ、ヨン様参りをする程度で、まだ可愛いものですが、アメリカで流行るとその何年か後に日本に乗り移ると言われています。
日本の男性たちよ、奥さんが、「チョット、アフリカへ一人旅に出てくるわ」と言い出したら、要注意の事態だと言うことをお忘れなく!
ウチのダンナさん、私が偉そうに、おばさん、おばあさんと書いているのを読み、私も、おばさんとおばあさんの中間くらいのカテゴリーの年齢層に入っていることを、シカと指摘してくれました。
だけど、私は当面アフリカ方面へ旅行するつもりはありません。
第46回:古い人間のやり方